EDM系リードシンセでよく聴く独特のリバーブ処理
サイドチェインを活用して独特のリバーブ感を得る
今回は、EDM楽曲でよく耳にする、リードシンセへの独特のリバーブの摘要方法をご紹介します。
特徴は、リードシンセの音の隙間だけにリバーブが残るような聞こえ方です。
まずはリバーブをかけていないDRY、通常のリバーブ、処理を施したリバーブ
の3つの音源を聞き比べてみて下さい。
(前半2小節がリードシンセのみ、後半2小節がリードシンセ+ビート)
リバーブをかけていないDRY
通常のリバーブをかけたもの
リバーブに処理を施したもの
この効果を得るには、これまでも何度か解説してきた「サイドチェイン」というテクニックを使います。
ルーティングの設定
センドリターンとサイドチェインの基礎知識があれば、設定はとても簡単です。
まずは以下の図のようにルーティングを行います。
- 1.リードシンセをセンドリバーブで好みの響きになるように調整
- 2.リバーブをインサートしているAUXトラックでリバーブ後段に、サイドチェインコンプを設定
- 3.サイドチェインコンプのトリガー音を元のリードシンセに設定し、好みの響きになるように調整
DAW別 センドリターンの適用方法
DAW別 サイドチェインの適用方法
コンプレッサーの設定
次に、サイドチェインを受けるコンプレッサーの設定を行います。
- RATIOは可能な限り大きく
- ATTACKは最速
- ReleaseはBPMやリードのフレーズに応じて調整
※画像サンプルでは100ms程度(BPM128の1/16)としていますが、あくまで目安です。
楽曲によって、聴感上でリバーブのかかり具合を確かめながら設定して下さい。
また、選択するコンプレッサーの種類も重要です。
DAW付属のデフォルト設定されているコンプレッサーは、
アタックを最速にしても音の頭から潰れない場合が多いです。
そこで、最近では多くのDAWに標準で搭載されているFET系等、
アタックレスポンスが早いコンプを使うことをお勧めします。
下記に一般的なDAW標準のコンプレッサーとDAW付属のFET系のコンプレッサーで
処理したものの比較音源を確認してみてください。
標準コンプの場合にリードシンセの頭で少しリバーブ音が残っているのがわかると思います。
標準コンプレッサー
FET系コンプレッサー
ポイント
リバース機能付きのリバーブを使用すると、またひと味違う複雑なエフェクト効果を得ることができます。
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