ノンダイアトニックコードに備えて/音楽理論講座
ダイアトニック以外のコードを把握するための準備
ここからは、現在まで学習を行なってきたメジャー、マイナー(3種類)を応用した、ノンダイアトニックコードについて使用法の1つを確認していきましょう。
まずは下記をご確認ください。
実際に分析してみましょう。
このように、ダイアトニックコードに存在しなかったコードが出てきました。
ですが、IIIの箇所は、マイナー3種類を学んだことで理解できますね。
これに下記のメロディーをつけてみました。
この場合はメロディーがアボイドノートとして濁った響きにはならないので、ダイアトニックコードのみでも成り立ちますね。
下記が同じメロディーでダイアトニックコードのみを使用したものです。
同じメロディーでも、受ける印象は大きく違いますね。
Em→Amも悪くはないですが、E→Amでは切ない雰囲気、D→Gでも違った印象を受けます。
このように、メロディーにコードを付ける場合、沢山のコード選択肢があります。
実際に、意識して二曲を聴き比べてみてください。
以前の解説で使用した「Fly Me to the Moon (In Other Words)」「Les Feuilles Mortes」
マイナーのII-V-Iを学んできた今
メジャーキーで見た際の、III,III7は、どのような流れで組み込まれていたか分かりますね。
ですが、他の箇所はどうでしょうか。
黒丸で囲った箇所を意識してダイアトニックコードの表を見てみましょう。
この表にはそのコードがありませんし、レラティブキー(平行調)マイナーキーのVまた、II-V-I(ツー・ファイブ・ワン)の流れにも存在しません。
ここで、最初に出てきたコード進行も含め、前後の関係に注目してみましょう。
謎のコードの隣を「I」と見立てると、全て他のキーの「V→I」の関係になっていますね。
- Key=F
C7→Fmaj7
V7→Imaj7
- Key=G
D→G
V→I
このように、黒丸で囲った箇所は全てそのキーのリーディングトーンを含んだ「V→I」の関係になっていることに気がつきます。
この考え方で、ダイアトニックコードの知識だけでは理解できなかったコード進行を改めて見返してみてください。
きっと新しい発見があるはずです。
もちろん、この関係ではないもの出てくると思います。
次回は、このノンダイアトニックをより深く掘り下げてみましょう。
DTM解説情報をつぶやくTwitterのフォローもお願いいたします。
記事の担当 伊藤 和馬/ Kazuma Itoh
18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。 バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
その技術を活かし、POPSから映像音楽まで、幅広い作曲活動を行っている。