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ノンダイアトニックコードに備えての知識/音楽理論講座

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ダイアトニック以外のコードを把握するための準備

ここからは、これまで学習してきたメジャーと3種類のマイナーを応用したノンダイアトニックコードについて、使用法の1つを確認していきましょう。

まずは下記をご確認ください。

実際に分析してみましょう。

このように、ダイアトニックコードに存在しなかったコードが出てきました。

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Major_Diatonic_Tetrad-1-e1477647954304_jpg__1480×551__と_伊藤講師による音楽理論のための音楽_—_Evernote

ですが、IIIの箇所は、3種類のマイナーを学んだことで理解できますね。
これに下記のメロディーをつけてみました。

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この場合はメロディーがアボイドノートとして濁った響きにはならないので、ダイアトニックコードのみでも成り立ちますね。

下記が同じメロディーでダイアトニックコードのみを使用したものです。

同じメロディーでも、受ける印象は大きく違いますね。
Em→Amも悪くはないですが、E→Amでは切ない雰囲気、D→Gでも違った印象を受けます。

このように、メロディーにコードを付ける場合、沢山のコード選択肢があります。
実際に、意識して二曲を聴き比べてみてください。

  • 以前の解説で使用した「Fly Me to the Moon (In Other Words)」「Les Feuilles Mortes」

スクリーンショット_2016_05_11_3_31_jpg

マイナーのII-V-Iを学んだ今、メジャーキーで見た際の、III,III7は、どのような流れで組み込まれていたか分かりますね。

ですが、他の箇所はどうでしょうか。

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黒丸で囲った箇所を意識してダイアトニックコードの表を見てみましょう。

この表にはそのコードがなく、レラティブキー(平行調)のマイナーキーのVやII-V-I(ツー・ファイブ・ワン)の進行にも存在しません。
ここで、最初に出てきたコード進行も含め、前後の関係に注目してみましょう。

謎のコードの隣を「I」と見立てると、全て他のキーの「V→I」の関係になっていますね。

  • Key=F
    C7→Fmaj7
    V7→Imaj7

  • Key=G
    D→G
    V→I

このように、黒丸で囲った箇所は全てそのキーのリーディングトーンを含んだ「V→I」の関係になっていることに気がつきます。

この考え方で、ダイアトニックコードの知識だけでは理解できなかったコード進行を改めて見返してみてください。
きっと新しい発見があるはずです。

まとめ

今回の学習ポイントをまとめると下記の通りです。

  • ノンダイアトニックコードを使用することで、楽曲に新たな表現や印象を加えられる
  • メロディーに対して、ダイアトニックコード以外の選択肢を考慮することで、楽曲の雰囲気を大きく変えられる
  • 多くのノンダイアトニックコードは、別のキーにおける「V→I」の関係として理解できる
  • ノンダイアトニックコードの多くは、そのキーのリーディングトーンを含んだ「V→I」の関係を形成している

次回は、このノンダイアトニックをより深く掘り下げてみましょう。


記事の担当 伊藤 和馬/Kazuma Itoh

伊藤 和馬

18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。
バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
日本に帰国後は、Pops・アニメソング・アイドルソング・CM・ゲーム・イベントのBGMまで、幅広い作曲・編曲の技術を身につけ作編曲家として活動している。

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