ダイアトニックコードをローマ数字に置き換えて覚える(ディグリーネーム)/音楽理論講座
理論を実践に活かすための準備
今回は、コードをローマ数字(ディグリーネーム)に置き換える方法を学びます。
ダイアトニックコードがより身近になり、楽曲の解析などに役立ちますので、しっかり身につけましょう。
音楽理論を学んだら、ぜひ楽曲の解析を行ってみましょう。
普段聴く曲で「かっこいい」「気持ちいい」などと感じる部分を解析することで、自分のコード進行の引き出しに取り入れることができます。
必ず楽曲制作に役立ちますので、一歩一歩学んでいきましょう。
ダイアトニックコードの法則性に注目する
ここまでダイアトニックコードについて詳しく学んできましたが、改めて各キーのメジャー・ダイアトニックコード(三和音)の一覧表を見てみましょう。
これらを丸暗記するのは非常に大変です。
しかし、これまでの講座で各キーのメジャースケールを理解していれば、今回のコードをローマ数字(ディグリーネーム)に置き換える方法で、すぐに把握できるようになります。
コードをローマ数字に置き換えたものを「ディグリーネーム」あるいは「コードディグリー」と言います。
これらは「コードの度」「度数名(度数表記)」を指し、調の中のコードの度数を相対的に表すことができます。
最大のポイントは、ダイアトニックコードはどのキーで作ってもスケールに基づいてコードの性質が同じ順序で並ぶという点です。
- Key = Cメジャー
- Key = Dメジャー
このように、いずれも
メジャー、マイナー、マイナー、メジャー、メジャー、マイナー、ディミニッシュ(トライアド)
の並びになっています。
また、メジャー/マイナー/ディミニッシュの回で学んだように、DAW上であれば平行移動して、簡単に作ることができます。
この法則性に注目し、各スケールの度数をローマ数字に置き換えて覚えてしまいましょう。
※それぞれの3和音(トライアド)を復習したい場合は、下記ページをご覧ください
スケールに沿ってローマ数字を振る
使用するローマ数字は以下のようになります。
スケールの始まりの音から順番にローマ数字を振っていきます。
ここからダイアトニックコードを作りましょう。
手順は17回目に掲載した通りです。
ダイアトニックコードが作成できたら、ローマ数字の隣に各コードの性質を付記していきます。
これで完成です。
このローマ数字の箇所に各メジャースケールの音を入れるだけで、メジャーのダイアトニックコード(3和音)を網羅できます。
※ディグリーネームの記述法は、メジャーの横に「△」をつけたり、マイナーは小文字(「ⅲ」等)で示すなど、様々な表記法があります。本講座では上記の記述で統一します。
ディグリーネームの呼び名
ディグリーネームの呼び名は下記の通りです。
- I = ワン・メジャー
- IIm = トゥー・マイナー
- IIIm = スリー・マイナー
- IV = フォー・メジャー
- V = ファイブ・メジャー
- VIm = シックス・マイナー
- VIIdim = セブン・ディミニッシュ(トライアド)
ディグリーネームの活用
スケールの置き換えを、Key=Fメジャーで試してみましょう。
ここまでの学習内容を活かせば、非常に簡単ですね。
最後に、ローマ数字ありのメジャーダイアトニックコード(3和音)一覧表を載せておきます。
ぜひ、学習にお役立てください。
上記の表は下記URLよりダウンロードが可能です。
確認したい際にすぐ開けるように持っておくと良いでしょう。
https://sleepfreaks-dtm.com/wordpress/music/Major_Diatonic_Triad.zip
次回はこのディグリーネームを活かして、簡単な解析や転調、また有名なコード進行を学ぶなど、更に踏み込んだ使い方に入ります。
ぜひ今回の内容をマスターしておいてください。
記事の担当 伊藤 和馬/Kazuma Itoh
18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。
バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
日本に帰国後は、Pops・アニメソング・アイドルソング・CM・ゲーム・イベントのBGMまで、幅広い作曲・編曲の技術を身につけ作編曲家として活動している。