DTM初心者は要注意!!必ず合わせたい楽曲の基本チューニング
音程基準を決めて楽曲内でしっかりと統一する
音楽制作を行っている中で「楽器のチューニング」や「440Hz」という言葉。
実際に楽器演奏をされない方でも一度は耳にしたことがあると思います。
これは一体何なのでしょうか?
そして、楽曲にどう影響してくるのでしょうか?
今回はチューニングに関する基礎知識と、制作時の注意点を確認していきましょう。
楽曲の基本チューニング解説動画
- 1MIDIの基礎知識
- 2MIDIの「パラメーターと数値」について
- 3ソフトシンセ/プラグイン DAW対応規格の注意点
- 4オーディオインターフェイス選びの注意点
- 5サンプラー 1 素材をサンプリングしてリズム楽器を作る
- 6サンプラー 2 素材から音程楽器を作る
- 7ピアノロールとリズムの読み方 1
- 8ピアノロールとリズムの読み方 2
- 9ピアノロールとリズムの読み方 3
- 10必ず合わせたい楽曲の基本チューニング
- 11連符について
楽器のチューニングとはピッチを合わせること
結論から書いてしまうとチューニングとはピッチ(音高)を合わせることです。
- ギターやベースなどの弦楽器
- トランペット、フルート等の吹奏楽器
- ピアノやキーボードなどの鍵盤楽器
など、ほとんどの楽器はピッチを変更(調整)できるように作られており、
それによって楽器同士の綺麗なハーモニーを生み出すことが可能となっています。
440Hzという単位に関して
チューニングを行う際の基準として「440Hz」という数値をよく見かけると思います。
まず「Hz_ヘルツ」という単位は、1秒間に空気が振動する回数を表しています。
「440Hz」は1秒間に空気が440回振動しているということで、規則正しい振動は一定のピッチとして聴こえます。
この回数が多くなればなるほど、ピッチは高くなっていきます。
では、「440Hz」はどのピッチを表すかというと、「A=ラ」の音です。
(一般的なDAWでは鍵盤中央のA3を指しますが、同じ音をA4としているDAWや機材もあります)
それを基準とし、例えばその下の「ド」ならば261.12Hz、オクターブ上の「ラ」ならば880Hzと、
決まってくるわけです。
しかし、バンドやセッションによって「ラ」を「441Hz」とする場合もありますし、
「438Hz」とする場合もあります。
演奏場所の湿度や気温によっても変更するということもありえます。
ただし、絶対の条件として各楽器のチューニングの基準をいずれかで統一しておく必要があります。
この数Hzの差は、通常、聴き比べなくては判断が困難なくらいの微小な差です。
以下に音声ファイルを用意しました。
- 440
- 438
- 442
各ファイルを単体で確認した際はかなり小さな差に感じますが、合わせて演奏すると
- 上記3つを同時に
エフェクトがかかったようなサウンドになり、変なウネリが生じています。
これがさらに和音となると、不協和に聞こえてしまうなど、様々な影響が出てきます。
これが楽曲の中でチューニングを統一する理由です。
DTMにおけるチューニングの注意点
打ち込みだけで制作を進めていく場合は、ソフトシンセ内で、
いつでもチューニングを変えることができます。
シンセ内のどこかにマスターチューンを調整できる場所がありますので、意識しておきましょう。
この製品の変更箇所はこの部分とわかります。
少し困惑してしまうのが、下記のように設定を「セント(100分の1半音)」で行う製品です。
この場合、441Hzならば「+4セント」、438ならば「-7セント」とすることで対応できますが、
単純に1Hz=何セント、と計算することはできないため、プラグインのチューナーを使ってしまうのも手です。
(例:Guitar Rig内蔵のチューナー)
※参考までにこのようなサイトもあります。
「セント・ヘルツ 換算表 (cent/Hz)」
http://b3a4s4s.web.fc2.com/03bassists/centhertz_table.htm
そして、本当に気をつけなくてはいけないのは、オーディオレコーディングを含む楽曲の場合です。
「440Hz」で作られている楽曲に生ギターを「442Hz」でレコーディングしてしまうと、
上記の通りハーモニーやユニゾンが綺麗に響かなくなり、その修復には手間がかかってしまうだけではなく、サウンドの劣化にも繋がります。
自分で演奏する際はもちろん、誰かに演奏をお願いする時には、このチューニングを意識し、
明確に知らせる必要があることを覚えておいてください。