コンプレッサーかけ録りのポイント
コンプレッサーかけ録りは、レコーディング時にマイクとオーディオインターフェースの間にハードウェアコンプレッサーを接続し、録音段階で音量差を調整するテクニックです。DAW上で後処理する「後がけ」と異なり、モニターのしやすさ、ミックス作業の効率化、アナログ機材ならではの独特な質感が得られるメリットがあります。ボーカルレコーディング等で導入すれば、ダイナミクスが安定し、作業効率と音作りの幅が飛躍的に向上する、中級者向けの実践的テクニックです。
録音時点でコンプレッサーをかける「かけ録り」

今回は、要望の多かったレコーディング時の「コンプレッサーかけ録り」について解説します。
DAWによるデジタルエフェクトが全盛の今、コンプレッサーをかけた状態で録音することにどういった意味があるのか、多くの方が気になる点かと思います。
「かけ録り」においてよく使用されるハードウェアコンプレッサーの適用方法についても触れながら、紐解いていきます。
コンプレッサーかけ録り 解説動画
YouTube動画への質問と回答の抜粋
機材でコンプかけた方がゲインオーバー気にせずでかい音で録音できるのでそう言ったメリットってありますかね
過度の入力は機材内部でサウンドが歪んでしまう場合がありますので、この点に注意が必要です。 大きい音というより、音量を整えた状態でDAWに記録できるという点がメリットとなります。
お世話になっております。 ついにRNC1773を購入しようと思ってますが、現在使ってるオデオインターフェースがUR22mk2なんですけれども、コンプレッサーと繋ぐ際、どういうケーブルラインが必要かがわからなくて伺いたいのですが、教えて頂けますでしょうか。
このようなTRSケーブルとなります。ステレオとなりますので2本必要です。 https://www.soundhouse.co.jp/search/index?s_category_cd=697&i_type=c
DAWによるけど録りの時点でパラレル(コンプあり/なし)で録音しとけばあとからなんでもできますよね
はい。両バージョンを録音しておくとより安全かと思います。 このような方法となります。 Logic https://sleepfreaks-dtm.com/for-advance-logic/aux-rec/ Cubase https://sleepfreaks-dtm.com/for-advance-cubase/rec-rooting-cubase/
RNC1773にはキャノンのIN / OUTがないのですが、どうやってコンデンサーマイクを繋ぐのでしょうか? キャノン→フォンのケーブルを使ったらIFからファンタム送れないですよね。。?
ご回答ありがとうございます。 コンデンサーを使う場合は、ファンタム電源付きのマイクプリを使うか、インターフェースのインサート端子を使います。 電源付きの真空管マイクを使うことでも対応可能です。
「後がけ」と「かけ録り」の違い
まずコンプレッサーの役割について簡単におさらいしておきましょう。
コンプレッサーは、生楽器や歌を録音する際に生じる大きな音量差を縮め、聴き取りやすくすると同時に、ミックスに馴染みやすくする役割を持っています。
ではDAW上でかける「後がけ」と「かけ録り」にはどのような違いがあるのでしょうか?

このように、ちょうど裏返しの関係にはなりますが、両者ともメリット/デメリットがあります。
経験がない方には実感しづらいと思いますが、「かけ録り」によるモニターのしやすさやミックスの手早さは、やってみると意外に大きなメリットと感じられることでしょう。
また、ハードウェアコンプで得られる独特の質感は、製品にもよりますが、ハマると替えのきかない要素になることが多いです。
「かけ録り」のデメリットを小さくするため、薄めにかけておいて「後がけ」と組み合わせるのもポイントです。
ハードウェアコンプの接続手順
ハードウェアコンプを用いて「かけ録り」を行う際の、接続手順についても見ておきましょう。

上図のようにいたってシンプルです。マイクとオーディオインターフェースの間にコンプレッサーを挟む形で接続します。
マイクプリアンプを使用する際は、マイクプリとインターフェースの間にコンプを挟むことが多いです。
また、インターフェースに「INSERT」端子がある場合は、そことコンプレッサーを接続するケースもあります。
「かけ録り」効果の実例
実際にかけてみた結果どのような違いが出るのでしょう?

今回はボーカルを対象とし、宅録環境でも導入しやすくコストパフォーマンスの高い、FMR AUDIOの「RNC1773」という機材を使用しました。
設定値は以下のとおりです。

かけ録りしたものと、そうでないものを、全く同じプラグインを通し、音量なども揃えてみました。
- かけ録りなし
- かけ録りあり
当然ですが、かけ録りした方がダイナミクスが安定していますね。
かけ録りなしはもう少し細かなケアが必要になりそうです。
では、ハードウェアを通した効果についても検証するため、上の「かけ録りなし」にプラグインのコンプを追加した音源も聴いてみましょう。
- かけ録りなしにプラグインコンプを追加
いかがでしょう?
好みもあるかもしれませんが、アナログ機材独特の風合いが加わっていることがわかると思います。
このようにコンプの「かけ録り」は、録音時に必須のものとまでは断言できませんが、ある程度レコーディングに慣れてきた中級者の方には、選択肢として是非トライしていただきたいテクニックです。
作業効率を高めるとともに、音作りの幅を広げてくれることでしょう。
よくある質問
Q1. コンプレッサーかけ録りと後がけの主な違いは何ですか?
かけ録りはモニターがしやすくミックスが迅速ですが、後から調整できません。後がけは調整の自由度が高い反面、ダイナミクスの変動に対応するミックス作業が複雑です。両者を組み合わせるのが効果的です。
Q2. 宅録でもコンプレッサーかけ録りは導入できますか?
はい。FMR AUDIOの「RNC1773」のようなコストパフォーマンスの高い機材なら、宅録環境でも導入しやすく、初期投資を抑えながら本格的なレコーディング環境を構築できます。
Q3. ハードウェアコンプとプラグインコンプの音質に違いはありますか?
あります。ハードウェアコンプはアナログ機材独特の風合いが加わり、プラグインコンプとは異なる質感が得られます。音の好みや楽曲に応じて使い分けることで、音作りの幅を広げられます。
Q4. コンプレッサーを薄めにかけるとはどういう意味ですか?
圧縮度合いを低めに設定して、軽い効果にとどめることです。これにより後がけとの組み合わせが容易になり、かけ録りのデメリットである調整不自由さを最小限に抑えられます。
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