6/9(シックスナインス)コード/音楽理論講座
「6/9(シックスナインス)」コードの概要
ここまで数回に渡って、オーソドックスなコードに音を足したり、変形させたりしてできるコードをご紹介してきました。
今回は、シックスコードに手を加えて出来る「6/9(シックスナインス)」というコードを取り上げます。
※シックスコードについては、下記の記事を参照ください。
シックスナインスの響き
まず、メジャー・シックスとメジャー・シックスナインスを聴き比べてみましょう。
コードの構成音を順にならした後に、和音が鳴ります。
- C6
- C6/9
シックスナインスの方は、煌びやかさが増し、厚み、広がりが増した印象を受けますね。
シックスナインスの表記
シックスナインスには、以下のように様々な表記法があります。
ここでは、既に記述している通り6/9で進めて行きます。
シックスナインスの成り立ち
これまで学んできた方には察しがついてきたかと思いますが、シックスにどんな音が足されているのか、今回もメジャースケールを使って確認していきましょう。
C6/9ならば、ルートから数えて9番目(M9th)のDが、6thコードに追加されることとなります。
もちろんオクターブ下のDも対象になります。
譜面とピアノロールでも確認してみましょう。
このように、5つの音を重ねたコードということになります。
シックスナインスを使ってみる
今回はII-V-Iの流れで、通常のトライアド、シックス、シックスナインスの違いを聴き比べてみましょう。
- IIm7→V7→I Dm7→G7→C
- IIm7→V7→I6 Dm7→G7→C6
- IIm7→V7→I6/9 Dm7→G7→C6/9
あえてトップノートをルート以外で終わらせてみても良いですね。
色々なボイシング、バリエーションを試してみてください。
マイナー・シックスナインス コード
最後に、マイナー・シックスナインスも確認しておきましょう。
メジャー・シックス、マイナー・シックスの注意点は、3rdの違いでしたね。
その点は、シックスナインスでも同様です。
両者の響きを比べてみましょう。
- Cm6
- Cm6/9
ここまでで、音を聴いて想像できるようになっていれば、素晴らしいですね。
答え合わせとして、基本形を譜面とピアノロールで確認しておきましょう。
マイナーになると少し妖しい雰囲気も加わりますね。
分析の際に見つけたら、どのような流れで使われているか注目してみましょう。
まとめ
今回の学習ポイントをまとめると下記の通りです。
- 6/9コードは、シックスコードに9thを加えたもの
- C6/9の構成音は、C(ルート)、E(3rd)、G(5th)、A(6th)、D(9th)の5音
- マイナー6/9コードは、メジャー6/9の3rdがフラットになる
コードについては今回で一旦終了し、次回より少し趣きの違う内容に入ります。
ぜひ、これまで学んだことをしっかりと復習して、臨んでください。
記事の担当 伊藤 和馬/Kazuma Itoh
18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。
バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
日本に帰国後は、Pops・アニメソング・アイドルソング・CM・ゲーム・イベントのBGMまで、幅広い作曲・編曲の技術を身につけ作編曲家として活動している。