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3和音の(ナチュラル)マイナー・ダイアトニックコード/音楽理論講座

Author: sleepfreaks

マイナー関連の学習に入るにあたって

ここまででメジャー・ダイアトニックコード関連が一通り終わり、明るい雰囲気の楽曲を作る理論については、ある程度身につけていただけたと思います。

今回よりマイナー関連の内容に入っていきます。
暗い、あるいはクールな雰囲気を持つ楽曲を作ったり、メジャーとマイナーを行き来するような事にも挑戦してみましょう。

まず手始めに、3和音のマイナー・ダイアトニックコードについて取り上げます。
マイナーは難しそうだと感じられた方も、この回の最後まで読んでいただければ、少し安心していただけるはずです。

下記の知識が必須ですので、復習をお勧めします。

また、メジャー・ダイアトニックコードを作る流れをマスターしておくと流れを掴みやすいです。
ダイアトニックコードは、その元となるダイアトニックスケールの音から、一つ飛ばし(3度ずつ)重ねて作り上げるのでしたね。


3和音の(ナチュラル)マイナーダイアトニックコード

マイナーには、実は3種類あるのですが最初は、今までにも出てきたナチュラル・マイナースケール(自然的短音階)から進めていきます。
白鍵だけで分かりやすい、Key=Aマイナーで確認していきましょう。

circle_of_5th

最初に、ナチュラル・マイナーキーで基本的に使用できる3和音のダイアトニックコードを確認していきます(以下より、ナチュラル・マイナーをマイナーと表記します)。


マイナー・ダイアトニックコードの成り立ち

ダイアトニックコードを作る手順は、実はメジャーの時と同じです。
まずは、Aマイナースケールを用意します。

am_scale_score
a_scale_daw

最初の音「A」に対して、右に向かって一つ飛ばしで2つの音を積み重ねます。
この場合、「C」と「E」です。DAW上ならばコピーしていくといいでしょう。
create_im

このように、Aマイナー・コードが出来上がります。
同様に、このプロセスをB,D,F・・・と繰り返していきます。

そうすると、5つ目のEで、上に重ねる一番上の音がなくなります。
慣れないうちは、Aマイナースケールの2オクターブ目も打ち込んでおくとわかりやすいですね。
create_minor_diatonic_score
create_minor_diatonic_daw

こうしてGまで終わったら、出来上がった3和音のコードのグループを確認してみましょう。
am_diatonic_score
am_diatonic_daw

これらが、Aマイナーの3和音のダイアトニックコードということになりますが、ぱっと見ただけで、何のコードか分からない場合は、すべてのコードのルートをCにしてみましょう。
*各コードの最低音がCになるようにずらします。
minor_diatonic_same_root

一番左のコードがAmですので、それぞれのコードがマイナーなのか
ディミニッシュ(トライアド)なのか、あるいはメジャーなのか、一目瞭然ですね。

元に戻して、ダイアトニック・コードの構成を見てみましょう。
am_diatonic_names_score
am_diatonic_names_daw

左から順番に

マイナー/ディミニッシュ(トライアド)/メジャー/マイナー/マイナー/メジャー/メジャー

という並びになります。
この構成は、メジャーのとき同様、他のマイナー・キーになっても順番は変わりません。

例:Cマイナーのダイアトニック・コード
cm_diatonic_names_score

最後に

もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、CメジャーとAマイナーはレラティブの関係ですので、スケールに含まれる音は、順番が違うだけで同じでしたね。
ということは、出来上がるダイアトニックコードも、順番が違うだけで同じということです。

relative

コードの役割は変わりますが、現時点では特別に新しいコードを学ばなければいけないわけではありません。
この点は安心して進んでいただければとと思います。

次回は。4和音のマイナー・ダイアトニックコードについて学んでいきましょう。




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記事の担当 伊藤 和馬/ Kazuma Itoh

講師 伊藤
18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。 バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
その技術を活かし、POPSから映像音楽まで、幅広い作曲活動を行っている。

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