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目次

45. 3和音の(ナチュラル)マイナー・ダイアトニックコード

Author: sleepfreaks

マイナー関連の学習に入るにあたって

ここまででメジャー・ダイアトニックコード関連が一通り終わり、明るい雰囲気の楽曲を作る理論については、ある程度身につけていただけたと思います。

今回よりマイナー関連の内容に入っていきます。
暗い、あるいはクールな雰囲気を持つ楽曲を作ったり、メジャーとマイナーを行き来するような事にも挑戦してみましょう。

まず手始めに、3和音のマイナー・ダイアトニックコードについて取り上げます。
マイナーは難しそうだと感じられた方も、この回の最後まで読んでいただければ、少し安心していただけるはずです。

以下の知識が必要ですので、忘れてしまった方は復習しましょう。

また、メジャー・ダイアトニックコードを作る流れをマスターしておくと流れを掴みやすいです。
ダイアトニックコードは、元となるダイアトニックスケールの音を一つ飛ばし(3度ずつ)で重ねて作り上げるものでしたね。

3和音の(ナチュラル)マイナーダイアトニックコード

マイナーには実は3種類ありますが、まずはこれまでにも出てきたナチュラル・マイナースケール(自然的短音階)から見ていきます。

白鍵だけで分かりやすい、Key=Aマイナーで確認していきましょう。

まず、ナチュラル・マイナーキーで基本的に使用できる3和音のダイアトニックコードを確認していきます。
(以下より、ナチュラル・マイナーを「マイナー」と表記します)

マイナー・ダイアトニックコードの成り立ち

ダイアトニックコードを作る手順は、実はメジャーキーの場合と同じです。
まずは、Aマイナースケールを用意します。

am_scale_score

最初の音「A」に対して、右に向かって一つ飛ばしで2つの音を積み重ねます。

この場合、「C」と「E」です。
DAW上であれば、コピーしていくと良いでしょう。

このように、Aマイナー・コードが出来上がります。
同様に、このプロセスをB,D,F・・・と続けて繰り返していきます。

そうすると、5つ目のEで、上に重ねる一番上の音がなくなります。
慣れないうちは、Aマイナースケールの2オクターブ目も打ち込んでおくとわかりやすいですね。

create_minor_diatonic_score

このようにしてGまで終えたら、完成した4和音のコードグループを確認してみましょう。

am_diatonic_score

これらがAマイナーの3和音のダイアトニックコードになりますが、すぐにどのコードか分からない場合は、すべてのコードのルートをAにしてみましょう。

*各コードの最低音をAに合わせて移動させます。

一番左のコードがAmですので、それぞれのコードがマイナー、ディミニッシュ(トライアド)、またはメジャーであるかが一目で分かりますね。

元に戻して、ダイアトニックコードの構成を見てみましょう。


am_diatonic_names_score

左から順番に

マイナー/ディミニッシュ(トライアド)/メジャー/マイナー/マイナー/メジャー/メジャー

という並びになります。
この構成は、メジャーのとき同様、他のマイナー・キーになっても順番は変わりません。

例:Cマイナーのダイアトニックコード

cm_diatonic_names_score

最後に

もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、CメジャーとAマイナーはレラティブの関係にあるため、スケールに含まれる音は順番が違うだけで同じです。

つまり、出来上がるダイアトニックコードも順番が違うだけで同じということです。

コードの役割は変わりますが、現時点では特別に新しいコードを学ぶ必要はありません。
この点については安心して進んでください。

まとめ

今回の学習ポイントをまとめると下記の通りです。

  • マイナー・ダイアトニックコードの構成はメジャーと同じ手順で作成可能
  • Aマイナーの場合、Im(Am)、IIdim(Bdim)、III(C)、IVm(Dm)、Vm(Em)、VI(F)、VII(G)の順で並ぶ
  • マイナー・キーが変わっても、ダイアトニックコードの種類と順序は同じ
  • レラティブ関係にあるメジャーとマイナーは、同じ音を使用するため、ダイアトニックコードも同じ

次回は、4和音のマイナー・ダイアトニックコードについて学びましょう。


記事の担当 伊藤 和馬/Kazuma Itoh

伊藤 和馬

18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。
バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
日本に帰国後は、Pops・アニメソング・アイドルソング・CM・ゲーム・イベントのBGMまで、幅広い作曲・編曲の技術を身につけ作編曲家として活動している。

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