IK Multimedia T-RackS 5 の使い方① 新モジュール「ONE」を活用してマスタリングを行う
IK Multimediaの「T-RackS 5」に搭載された新モジュール「ONE」は、マスタリングに必要なエフェクト機能を一つに統合した革新的なツールです。EQ、コンプレッサー、マキシマイザーなど複数の処理を搭載しており、直感的なノブ操作で高品質なマスタリングを実現できます。低域の引き締めから音像の広がり調整、ゲインリダクションの可視化まで、プロフェッショナルな音響処理がこれ一つで完結するため、初心者からプロまで効率的にマスタリング作業を進められます。
マスタリング作業をこの1ソフトで完結

先日アップデートが行われたIK Multimedia社の「T-RackS 5」
ここでは新たに追加されたミックス、マスタリングモジュールを中心に解説を行っていきます。
T-RackSにはスタンドアローンで起動する「アプリケーション版」と、DAW上で各モジュールを単体で起動させることが出来る「プラグイン版」があります。
このプラグイン版の中には各モジュール複数立ち上げ自由にルーティングを組むことが出来る「T-RackS Suite(TS5 Suite)」というプラグインがありますので、解説はこのTS5 Suiteを用いて進めていきます。
IK Multimedia T-RackS 5 の使い方 動画解説
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モジュールの立ち上げ方法

T-RackS Suite内でモジュールをセットに組み込むためには、ウィンドウ右下のリストから任意のものを選択し、中央下側のエリアにドラッグをしていきます。

リスト上部にはモジュールの各タイプ名が表示されていますので、こちらを選択することで選択タイプのみをリストに表示をさせることが可能です。

立ち上げた各モジュールはそれぞれアクティブ、非アクティブの選択や削除、リストを開き別のモジュールへと差し替えることが可能です。

新モジュールONEを活用しマスタリングを行う

ONEはその名の通り、一つのモジュールの中にマスタリングに必要な様々エフェクトがまとめられており、これ一つでマスタリングを完結することが出来るという特徴を持っています。
EQセクション

ウィンドウ左側の3つのノブは各帯域のコントロールが可能で、カットとブーストが可能です。
- 「AIR」は高周波のコントロール
- 「FOCUS」は中域のコントロール
- 「BODY」は低周波のコントロール
となります。
マスタリングに適したEQカーブを持っているため、細かな調整を必要とせず直感的に調整が可能となっている点もポイントです。

「BASS PUNCH」は低域のサウンドを引き締めながらもブーストすることが出来るノブです。
「0」が元の状態で、ノブを上げていくことで低域がブーストされます。
引き締め効果がある為、強めに持ち上げてもブーミーにならず、よりキックやベースを持ち上げたい場合に有効です。

「ANALOG」はハーモニクスを加えてトラックに厚みと広がりを付加させる機能となります。
ハーモニクスが加わることで音の密度が増し、豊かな響きを得ることができます。

「TRANSIENTS」はアタック感の調整が行えるノブで、リズム等の立ち上がりを明瞭にしたい際に有効です。
逆にマイナス方向へとノブを動かすことで、より滑らかな仕上がりにすることも可能です。

「WIDTH」はトラックの広がりをコントロールすることが出来るノブとなります。
プラス方向の調整でサイド寄りに定位するトラックが持ち上がり、サウンドに広がりを加えることができます。
ミックスの段階で音が広がりすぎていてまとまりがなくなってしまった際には、マイナス方向へと調整することでミドルにある音が強調されまとまりのあるサウンドにすることが可能です。

「PUSH」のノブを右にまわしていくことで、コンプレッサーの効果が適用されていきます。
不要なピークを抑えたり、トラック同士の吸着感を得たりさせる際の使用が有効です。
ノブの周囲に表示されている緑色のメーターでゲインリダクションの値が確認できるため、ナチュラルに聴かせる際には、リダクション値が3dB辺りにとどまるセッティングをお勧めさせていただきます。

「VOLUME」はマキシマイザーと同等の働きで、0dBを超えることなく音量を持ち上げることが可能です。
ノブ周囲のメーターはゲインリダクションの値となります。
メーターセクションでRMSやLUFSを確認し、目的とする音量感とになるよう視覚情報も頼りにして適正な設定を行っていきましょう。
RMSやLUFSの適正値が分からない場合は、お好きなアーティストの楽曲などをリファレンスとして一度計測を行ってみてください。最適な値をすぐに見つけることができるはずです。
またメーター類は「Full Metering」を使用することで、スペクトラムアナライザーやフェイズスコープ、VUメーターやスペクトログラムなどの様々なメータ類を確認することが可能です。
いかがでしたでしょうか?
T-RackS5より追加されたOneは一つのモジュールのみで手軽かつ効果的なマスタリングが期待できるモジュールとなります。
単独のプラグインとしても立ち上げられることが出来るため、いつものマスタリングセットに加えて使用してみるのも良いかと思います。
次回はT-RackS5に収録されているその他のモジュールの解説を行っていきます。
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よくある質問
Q1. T-RackS 5のアプリケーション版とプラグイン版の違いは何ですか?
アプリケーション版はスタンドアローンで起動する独立したソフトウェアです。一方、プラグイン版はDAW上で動作し、複数モジュールを自由にルーティングできるT-RackS Suiteなどの柔軟な組み込みが可能で、より高度なマスタリング構築ができます。
Q2. ONEモジュールのBASS PUNCHは何に使う機能ですか?
BASS PUNCHは低域を引き締めながらブーストできるノブです。ブーミーにならずキックやベースを強調したい場合に有効で、マスタリングで低域のパンチ感を強調する際に重宝します。
Q3. マスタリング時のRMSやLUFS適正値はどうやって決めるのですか?
リファレンス曲として好きなアーティストの楽曲をT-RackS 5で計測し、その値を基準にすることで最適なレベル設定が見つかります。メーターセクションで視覚的に確認しながら調整するとより効果的です。
Q4. ONEモジュールだけでプラグインとして単独使用できますか?
はい、ONEは単独のプラグインとしてDAW上で立ち上げることができるため、既存のマスタリングセットに追加して使用することも可能です。
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記事の担当 宮川 智希/Tomoki Miyakawa










