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60. セカンダリー・ドミナント③

音楽理論 初級編 公開 2018.08.12 更新 2026.07.17
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セカンダリードミナント③では、ドミナントコードの5番目に位置するセカンダリードミナント「ダブルドミナント」について深掘りします。この記事を読むことで、V7/VからV7への進行がなぜ違和感を生じるのか、そしてトライトーンの並行運動がどのように5度圏を形成し、複数のキーへの転調を実現するのかが理解できます。実際の音声例を通じて、元のキーから異なるキーへの自然な転調方法を学べ、DTM制作における和声的な表現の幅が大きく広がります。

ダブルドミナント ドッペルドミナント

前回は「V→I」という解決の動きを、他のメジャー・ダイアトニックコードにもつけることでセカンダリードミナントを確認していきました。
その中で、5番目のコード・7番目のコードに他にない違和感を感じたその原因について、今回は解説していきます。

前回のおさらいとして、「7番目のコードの動きはまれにセカンダリードミナントとして説明されることもありますが、m7♭5、dimは解決先のIとしては不安定すぎるため、基本的にVIIdimやVIIm7♭5にセカンダリードミナントはないと考えることが多い」という内容でした。

Key=Cメジャーで確認していきます。
実際に聴いてみましょう。

F#7→Bm7♭5

F#→Bdim

F#7→Bdim

V7/V

続いて5番目のコードも確認してみましょう。

D7→G7

D→G

D7→G

Gへ進行した際には解決感を得られましたが、ブルースなどに馴染みがない方はG7へ進行した際に違和感を感じるかもしれません。

もう一度聴いてみましょう。

D7→G7

このコードはⅡ7から強進行して、主音(トニック)のダイアトニックコードのドミナントコードⅤ7に進行します。
つまり、そのキーのドミナントコードに進行するセカンダリードミナントコードということになります。
これにより、機能と役割も若干異なってきます。
今回は、この5番目の箇所を掘り下げていきます。

ダブル・ドッペルドミナントについて

5番目の箇所は、特別に名前がついています。

その名前は、ダブル・ドミナント、ドッペルドミナント(ドッペルドミナンテ)などが一般的です。
「ダブル」は英語、「ドッペル」はドイツ語で、「二重の」などの意味になります。

セカンダリードミナントは、部分転調して次のコードに解決する役割をしていました。

一例として、部分転調で一瞬Key=Fメジャーなどがあります。

V7/IV

C7→Fmaj7

C→F

C7→F

先ほどのV7/Vのボイシングを整えて確認してみましょう。

このII7(V7/V)→Ⅴ7の進行はトライトーンが平行に半音下行して、Ⅴ7のトライトーンへつながるという特徴があります。
4和音同士の場合は、どちらもドミナント・セブンス・コードですので、トライトーンが連続で出てくるということですね。

上記はKey=Cのダブルドミナント部分だけですが、ルートを強進行にしドミナント・セブンスコードを滑らかにつなげてみます。

そうするとコードが、D7→G7→C7→F7→B♭7→E♭7→A♭7→C#7(D♭7)→F#7(G♭7)→B7→E7→A7→またD7→G7→…といったようになります。

この並び、何か思い出しませんか。

そう、5度圏の並びです。
各キーのドミナント・コードが並んでるイメージでもいいですね。
上記を利用すれば、さまざまなキーに転調し、最終的に落ち着くことができそうです。
実際にやってみましょう。

元のキーはCですが…

コード:C→Am→Dm7→G7→C7→F7→B♭7→E♭

E♭メジャーに落ち着きましたね。
もちろん、ハーモニック、メロディックマイナーの箇所を含む今までの知識があれば、

コード:C→Am→Dm7→G7→C7→F7→B♭7→E♭m

E♭マイナーにも落ち着くことができますね。

次回は、これまでの内容と今回の内容をあわせて実際に使用し、定番の進行に取り入れてみましょう。

よくある質問

Q1. セカンダリードミナントとダブルドミナントの違いは何ですか?

セカンダリードミナントは任意のダイアトニックコードへ解決しますが、ダブルドミナント(V7/V)はそのキーのドミナント7に解決する特殊なセカンダリードミナントです。ドミナントのドミナント、という二重構造になっています。

Q2. ダブルドミナント進行で出現するトライトーンはどのような役割を果たしていますか?

II7とV7のトライトーンが平行に半音下行することで、強い進行感を生み出します。この特性を利用すると5度圏に沿った複数キーへの転調が自然に実現でき、楽曲の調性変化に説得力が生まれます。

Q3. 5度圏を使った転調で、異なるキーに確実に落ち着かせるコツは何ですか?

ダイアトニックコードとセカンダリードミナントを組み合わせて5度圏に沿ったコード進行を構築することです。記事の例ではC→Am→Dm7→G7→C7→F7→B♭7→E♭と進むことでE♭メジャーへの転調を実現しています。