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YAMAHA VOCALOID5の使い方【実践編】メロディの作成 #1

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VOCALOID5の新機能を活用した制作フローを解説

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当シリーズではVOCALOID5の新機能を活用し、より人間味のある調声方法を3回に渡って解説していきます。実践編 第一回目は、

  • フレーズを活用したメロディの制作
  • Styleで人間味のあるニュアンスをつける

という点を中心に解説を進めていきます。
まずは当シリーズで取り上げていく楽曲の完成版をご確認ください。


今風のダンス系J-POPバラードとなっており、男性シンガーを想定した楽曲です。
ボーカルトラックに使用した表現・エディットをマスターしていただけますと幸いです。

VOCALOID5【実践編】メロディの作成 動画

製品リンク : https://www.vocaloid.com

  1. 1ボーカロイド(ボカロ)の新機能と基本概要
  2. 2フレーズ機能とパートのエディット
  3. 3歌詞の入力/アタック&リリースエフェクト/エモーションツール
  4. 4ハモりトラックの作成・エフェクト処理・DAWへのパラアウト
  5. 5【実践編】メロディの作成
  6. 6【実践編】アタックエフェクトの活用術
  7. 7【実践編】リリースエフェクトの活用術

VOCALOID5を使用してメロディを作成する

それでは実際にオケに対してメロディを入力していきます。

シンガーの設定

VOCALOID5 Ken

男性シンガーが歌うダンス系JPop楽曲をテーマとしているため、このような楽曲に最適なKenをボイスバンクから選択しました。

フレーズ機能を使用する

メロディ制作の序盤では、楽曲の軸となるメロディラインを模索しますが、この様な場合は「フレーズ機能」を活用することがお勧めです。
VOCALOID5では幅広いジャンルに対応した2,000を超えるフレーズが備わっています。
気に入ったフレーズを探して、楽曲へ取り入れることでメロディ制作の足がかりとして有効活用できます。

VOCALOID5 Phrase

VOICEは【Ken】、TYPEは【Soulful Phrase】を選択して絞り込まれたフレーズから楽曲にマッチするものを探していきます。

VOCALOID5_Editor

トラックへフレーズを取り込む際には、楽曲キーとフレーズキーを合わせる必要があります。
【TRANSPOSE】から楽曲のキー【E♭】を選択しました。

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フレーズが決まりましたら、任意のトラックへドラッグして追加します。

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同様の手順でもう1フレーズ追加しました。
フレーズを組み合わせることで、更に楽曲イメージが膨らみます。

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取り込んだフレーズをカスタマイズし、より好みの状態へ最適化することも可能です。
目的のパートをダブルクリックして、好みのラインになるようにノートを編集するだけです。

このように表情豊かなフレーズを使用することで、メロディのイメージが膨らみ、制作を円滑に進められます。
全フレーズの所有権はYAMAHA社にありますが、自由に使用することが認められているため、メロディ作りが不得意な方は積極的に活用してみてください。

また、フレーズ機能の詳細は下記の記事・動画でも解説していますので是非、併せてお読みください!

フレーズの歌唱ニュアンスをリセットする

フレーズ機能で取り込まれたフレーズは、歌詞が含まれていたり、次回解説を進めていく「アタック &リリースエフェクト」が設定されています。
最終的に、これらを統一してボーカルトラックを仕上げていきますが、現段階でメロディラインの判断が難しくなる場合は、設定をフラットにしておくと良いでしょう。

VOCALOID5_Editor5

ボーカロイドパートを複数選択して右クリックします。
表示されたメニューより【ボーカロイドパートを結合】を選択します。
これで各パートが1つのパートにまとまり、一斉に同じ設定・エディットが行いやすくなります。

VOCALOID5_Editor6

まずは歌詞を全て「あ」に置き換えます。
パートを右クリックして、メニューから【歌詞の流し込み】を選択して一括で歌詞を変更可能です。
ここでは全ノートが「あ」になるように設定しました。

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「アタック &リリースエフェクト」も修正箇所を選択後に各値を0にすることで効果をオフにできます。
これで全ノートがフラットな状態となり、切り貼りされた感じがなくなりますので、メロディラインのみに集中して作曲が行えます。

Styleで人間味のあるニュアンスをつける

上記のフラットな状態でメロディラインを作成した後は、人間味を与えるためのニュアンス付けを行なっていきましょう。
「STYLE」を活用することで、簡単にボーカルトラックへニュアンスを与えることができます。

STYLEには幅広い声色や、ニュアンスが含まれたプリセットが用意されています。
どのプリセットも個性があり、即戦力として使用できますので、様々な項目を試して好みの設定を選択してみてください。

VOCALOID5_Editor8

今回のメロディはメインボーカルを想定していますので【Lead Vocal】を選択しました。
癖が少ないシンプルなものが欲しかったためCOLOR(ニュアンス)は【Clean】を選択し、該当する項目から【Deep Shimmer】を適用しています。

これだけでも、かなり良い感じになりますが、ここからニュアンスを微調整したい場合、

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【CUSTOMIZE】メニューを選択し、

VOCALOID5_Editor10

【SINGING SKILL】へアクセスします。
今回はピッチの動きをもう少し抑えたいため【Soulful】の値を下げて微調整しています。

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このSTYLEにはエフェクトの効果も含まれます。
もし、これらの効果が不要な場合(フラットな状態から整えたい場合)が各エフェクトの電源を消灯させることで効果がオフになります。


いかがでしたでしょうか?

フレーズ機能はメロディライン・作曲の足がかりとして非常に優秀な機能です。
また、スタイルによるニュアンス付けを併せることで、よりスピーディーにボーカルトラック制作を進めることが可能です。

次回はこれらメロディノート1つ1つを細かく調整し、より人間味が溢れるボーカルトラックを制作していきます。

製品リンク : https://www.vocaloid.com

記事の担当 宮川 智希/Tomoki Miyakawa

Sleepfreaks DTM講師 宮川 智希-1
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