IK Multimedia MODO BASS 使い方① 基本概要編
究極のフィジカル・モデリング・ベース音源
発売前から話題となっていた、IK Multimediaの「MODO BASS」が、ついにその全容を現しました。
ベース音源としては初のフィジカル・モデリング音源ということで、従来のサンプル・ベース音源では表現できなかった領域を、非常に幅広く、かつ高いクオリティで実現しています。
今回は解説第一弾ということで、そのポテンシャルと、操作の基本概要をお伝えしていきます。
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豊富なベースモデルとプリセット
まず何と言っても最初に挙げられるのは、惜しみなく投入されている豊富なベースモデルです。
ここにも、フィジカル・モデリングの利点が最大限に活かされていると言えるでしょう。
最初に立ち上げた時点の画面が、「Model」タブです。
画面上部にズラリと並んだ12種類のベースモデルから選んでいくことができます。
それぞれのモデルにマッチしたプリセットや、奏法別のプリセットも用意されています。
Play Styleによる基本奏法の設定
「Play Style」タブでは、基本的な奏法をこと細かに設定することができます。
また、次回触れますが、ここにあるパラメーターは全て、キースイッチやMIDI CCにて、曲中で変更することができます。
FINGER / PICK / SLAP
その名の通り、指弾き、ピック弾き、スラップ奏法を選択する項目です。
この選択によって、次の項目の内容も若干変わってきます。
MUTING / STROKE / TOUCH(SCRATCH)
MUTINGツマミでは、パーセンテージでミュートの具合を調整することができます。
ここも、フィジカル・モデリングならではと言えるでしょう。
STROKE及びTOUCH(SCRATCH)は、前述の”弾き方”によって内容が変わります。
FINGER – STROKE
- Alternative: 人差し指と中指交互に弾きます
- Middle: 中指だけで弾きます
- Index: 人差し指だけで弾きます
FINGER – TOUCH
- Normal: 通常の強さで弾きます
- Hard: 強く弾いて弦をしっかりと振動させます
- Soft: 優しく弾いて柔らかい響きを出します
PICK – STROKE
- Alternative: ダウン/アップ交互に弾きます
- Down: ダウンピッキングのみで弾きます
- UP: 敢えてアップピッキングを行いたい箇所で使用します
PICK – SCRATCH
- Normal: 通常のピックの当て方で弾きます
- Hard: ピックを深く当てて擦るように弾きます
SLAP – TOUCH
- Auto: ポジションや弦、フレーズ等によって、最適な弾き方が選択されます
- Slap: 親指で弦を叩いて弾きます(サムピング)
- Pull: 人差し指を弦に掛けて引っ張るように弾きます
LET RING / FINGERING / OPEN STRING
- LET RING: 同じ弦上のノートを引く際、前の音が途切れずに継続されます。
- FINGERING: 運指の基本的な動きを決めます。First Positionは5フレット範囲内、Easyはベーシストの平均的な動き、Nearestは最も近いフレット/弦への移動となります。
- OPEN STRING: OFFではフレーズの途中に開放弦が入らず、滑らかな奏法となります。
NOISE
- DETATCH NOISE: 弦を押さえていた指を離した際に出るノイズの大きさを決めます。
- SLIDE NOISE: スライドする際の擦れるノイズの大きさを決めます。
弦の数や種類等を指定するStrings
Stringsタブでは、弦のチューニングや本数を瞬時に切り替えたり、弦の種類・新しさを変えられるなど、これまでのベース音源にない画期的な機能が盛り込まれています。
STRINGS / ACTION
- STRINGS: 弦の本数(4 or 5)、または「4 Drop D」チューンングを選択します。
- ACTION: 弦の高さを指定します。低いほど広域の倍音が強く出ます。
TYPE / GAGE / AGE
- TYPE: Round Wound, Flat Woundの2種類から弦の種類を選びます。
- GAUGE: Heavy, Medium, Lightの3種類から弦の太さを選びます。
- AGE: 弦の新しさを選びます。「Broken in」は馴染む程度に弾き込んだ状態です。
A4 REFERENCE
チューニングの基準となる、A4の周波数を決定します。
ダブルクリックして打ち込むことで、変更可能です。
電気系統をコントロールするElectronics
Electronicsタブでは、ピックアップのボリュームコントロールするだけでなく、ピックアップ自体や回路を自分好みにカスタマイズすることができます。
ピックアップの選択とボリューム調整
VOLUMEツマミで各ピックアップのボリュームを調整し、自分好みに調整します。
また、各ピックアップの絵をクリックすると、他のベースモデルのピックアップへ変更することもでき、さらに、ボディの絵のピックアップ部分をドラッグすると、ピックアップの位置まで変更することができます。
CIRCUIT
電気回路を、ACTIVE、PASSIVEから選ぶことができます。
PassiveではTONEコントロール、ActiveではEQのコントロールが可能です。
それぞれ音質にも特性があるため、お好みや楽曲に合わせてカスタマイズできます。
次回は、キースイッチを駆使した打ち込みの方法や、アンプ/エフェクターによる音作りを取り上げますので、どうぞご期待下さい。
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