オーディオを切り刻んで別フレーズを作る「カットアップ」
カットアップのコツと効率的な方法
「カットアップ」とは、既存のオーディオファイルを切り刻んで、
 並べ替えたりリズムを変えることによって、新たなフレーズを再構築するテクニックのことです。
- サンプル音源
今回はこのカットアップについて、サンプラーを使用して効率的に行うテクニックと、
 トリッキーかつ賑やかな雰囲気を出すためのコツについて解説していきます。
通常のカットアップでは、オーディオトラック上で切り刻んで、
 そのまま並べ替えるのが一般的ですが、これは中々手間のかかる作業です。
そこで、切り刻んだ素材をソフトサンプラーに読み込み、MIDIで打ち込む、
 という方法をご紹介したいと思います。
今回はCubaseに標準で付いてくる「Groove Agent SE」を例として解説しますが、
 他のソフトサンプラーにもほぼ同等の機能が付いています。
 まずは、オーディオ素材を切り刻みます。
 その際、楽曲のテンポに合わせて、ある程度ピッチを感じられる適切な長さとして下さい。
 今回はBPM180と比較的速めなので、8分を基本的な単位としています。
 次に、サンプラーに切り刻んだ素材を読み込ませます。
 Groove Agentの場合、すべての素材を基準のC1にドラッグ&ドロップすれば、
 順番に各パッドへと読み込まれます。
 続いては、MIDIノートの長さと再生の長さを一致させる設定です。
 Groove Agentでは、すべてのパッドを選択して「No Loop」とします。
 ノート終了後の切れも良くしたいので、すべてのパッドで「Release」を0にします。
ここまで出来たら、一度打ち込んでみましょう。
 打ち込み時のコツは、リズムが単調にならないよう、適度に空白を入れたり、
 16分や3連符等の高速なリズムを時折降り前ぜていくことです。
 こうすることで、ランダム感のあるスタッターのような効果を作ることができます。
ここまででもそれっぽい雰囲気は出るのですが、更にサンプラーの機能を活用して、
 賑やかさや意外性をプラスしていきましょう。
①各パッドのパンをランダムに振り分け
 
 各パッドを選択しながら、パンをランダムに振り分けていきます。
 サンプラーならではの便利な使い方ですね。
 もちろんフレーズに合わせて緻密にパンを設定してもOKです。
②ピッチを変えたサウンドを織り交ぜる
 
 任意のパッドのサウンドを空きのパッドへコピーし、ピッチを変えてみるのも面白いテクニックです。
 特にオクターブが効果がわかりやすく、使いやすいでしょう。
 新たなパッドにアサインした場合は、使いどころを決めてノートを打ち込みます。
③各パッドのフィルターをランダムに設定
 
 フィルターを使うのも非常に効果的です。
 全てではなく一部のパッドにかけて、落差を演出してみてもいいでしょう。
 レゾナンスやフィルターのタイプなども色々と変化させてみて下さい。
③リバース機能を使う
 
 リバースを使用する際は、もともとのサンプルを少し長めに切っておくことをお勧めします。
 専用のパッドを一つ用意し、サンプラーのリバース機能を使いましょう。
 ここぞというところで使っていくと効果が引き立ちます。
以上のように、ソフトサンプラーを使うことでカットアップ作業の効率化が図れると同時に、
 様々な特殊効果を手軽に試していくことができます。
 ぜひお試しください。
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記事の担当 宮川 智希/Tomoki Miyakawa






 
  
 












 
  
  
 
 
  
  
  
  
 