三和音(トライアド)のマイナーコード/音楽理論講座
メジャーコードの法則を少し変えるだけでマイナーに
前回は、メジャーコードの作り方を確認しました。
今回は、これまで何回か出てきた暗い雰囲気を持つマイナーコードを見ていきましょう。
メジャーコードについてしっかり理解出来ていれば、各マイナーコードの把握もスムーズになります。
Cマイナーコード
それでは、まず「Cマイナーコード」のサウンドを聴いてみてください。
コード構成音を鳴らした後に、コードが鳴ります。
譜面とピアノロールで確認してみましょう。
前項で学んだ、ルートの「C」に「E♭」と「G」が重なっていますね。
Dマイナーコード
Dマイナーコードも同様に確認してみましょう。
構成音は下記となります。
CマイナーコードとDマイナーコードの比較
「Cマイナーコード」と「Dマイナーコード」の作り方、構成音は分かりました。
前回のメジャーコードと同様に、双方を比較してみましょう。
Dマイナーコードを全選択後、ルート音のDをCへ移動してみましょう。
両方とも同じ、Cマイナーコードになりましたね。
マイナーコードの表記
マイナーコードの表記もいくつかありますが、特に有名なものは以下のような表記となります。
※今回は、Cマイナー表記のみ例としてあげます。
マイナーコードの法則を探る前に
マイナーコードの基本形も構成音に法則がありそうです。
しっかりと理解を深めるため、前回の「三和音(トライアド)のメジャーコード」について理解しているかおさらいをしましょう。
Cメジャーコードのメジャーインターバルは下記の通りでしたね!
学習に自信がない方は、もう一度下記の項目を復習しましょう。
インターバルでの三和音マイナーコードの法則
前回のメジャーコードに続いて、次はCマイナーコードの隣にメジャーインターバルを表示した画像を用意しました。
ここからCをルートとして、その上に重ねたE♭とGを右に伸ばしてみましょう。
メジャーコードはルート(R)、長3度(M3rd)、完全5度(P5th)でしたが、マイナーコードは長3度(M3rd)が半音下がり、短3度(m3rd)になっています。
メジャーコードの構成音「C、E、G」のうち、Eを半音下げてE♭にすると、明るい雰囲気のメジャーコードから暗い雰囲気のマイナーコード(C、E♭、G)に変化しました。
サウンドも確認します。
「Cメジャー→Cマイナー」
同じようにDメジャーコードについても確認しましょう。
構成音は「D、F#、A」でしたが、上記法則を使えば簡単にDマイナーコードを作ることができ流のです。
「F#」を半音下げて「F」にすれば、Dマイナーコード(D、F、A)ができます。
サウンドは以下です。
メジャーコードとマイナーコードの違いが分かってしまえば、メジャーコードの知識を生かして、すべてのマイナーコードの構成音にもたどり着けます。
スケールディグリーでの三和音マイナーコードの法則
併せて、スケールディグリーでも確認しておきましょう。
メジャーコードが「1 + 3 + 5」の音で構成されていたのに対し、マイナーコードは「1 + ♭3(フラット3度、つまり短3度) + 5」の音で構成されています。
白鍵だけでわかりやすかった「Aマイナースケール」で試してみましょう。
まとめ
まとめると、マイナーコードの基本形は以下の通りです。
- インターバルで覚えるなら
「ルート(R)、短3度(m3rd)、完全5度(P5th)」 - スケールディグリーで覚えるなら
「 1 + ♭3 + 5 」
マイナーコードについて理解できたでしょうか。
次回は、ディミニッシュコードについて見ていきます。
記事の担当 伊藤 和馬/Kazuma Itoh
18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。
バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
日本に帰国後は、Pops・アニメソング・アイドルソング・CM・ゲーム・イベントのBGMまで、幅広い作曲・編曲の技術を身につけ作編曲家として活動している。