マルチオシレーターでバキバキのベースサウンド HALion6の使い方
楽曲をリードする派手なベースサウンドをコントロールする
EDMのみならず、エレクトロ系POPSなどでも必要不可欠なバキバキのベースサウンド。
HALion6のマルチオシレーターモードを使うことで、簡単に作成することができます。
ここではサウンドメイキングで大活躍するマルチオシレーターを習得していきましょう。
バキバキのベースサウンド 動画
今回はE2のノートを使用しています。
ベースとしては少し音程が高めですが、この理由は後ほど解説していきます。
OSC1/2/3 全てを有効にして、波形はSawを選択します。
Sawは倍音が豊かなため、今回のような派手なサウンドに向いています。
各OSCのOctを 「0」「-1」「-2」 に設定し、ユニゾンさせましょう。
これによりサウンドへ簡単に厚みを追加できます。
次にマルチオシレーターの設定へ進みます。
波形アイコン下にあるMOがマルチモードです。
これらをオンにして、隣のエディット(e)をクリックします。
下に No./Det/Pan が表示されます。
- No.: サウンドを重ねる数(ユニゾン数)を決定します
- De : 各ユニゾンのピッチをズラすことでサウンドに厚み(コーラス効果)を与えます
- Pan : 左右の広がりをコントロールします
ここでは全てのNo.を「8」にし、多めにサウンドを重ねています。
デチューンを適用するとゴージャスになる反面、サウンドが少しぼやけてしまうため、バキバキなベースには不向きです。
Deは「0」にしておきましょう。
Panは「50」のままにしておきます。
今回のサウンドメイキングで重要な点が、各OSCの音量バランスです。
フレーズやサウンドを再生しながら、好みの感じに調整してください。
ここでは各Levelを「29%」「41%」「37%」に設定しました。
次にサウンドの発音タイミングを合わせて、サウンドにアタック感と締まりを与えます。
MOの隣から位相を指定可能です。
デフォルトではFree Phaseになっていますので、ノートの発音タイミングが毎回わずかに変化します。
この部分をFixed Phaseに設定することで、発音タイミングが固定されアタック感のある、引き締まったサウンドになります。
Fixed PhaseにするとPanを広げてもステレオ感が出なくなります。
バッキングで使用する場合は、あえてFree Phaseを選択し、サウンドに広がりを与えるという選択肢も考えられます。
このついでに低音を強化します。
SUBをオンにすることで、サブベースを追加して低音を補強することができます。
EDMのベースでは頻繁に使用されるテクニックです。
このSUBは実ノートに対して1オクターブ下の音程を出力します。
予めノートをE2で打ち込んでいた理由はこのためです。
E1を打ち込むと、SUBはE0で演奏されてしまい、ほとんど聴こえないということになります。
SUBのLevelは86%にしました。
これでバキバキかつ、低音がどっしりしたサウンドになります。
次にサウンドへエフェクトを適用し、個性を出していきましょう。
MIXERタブでNoneをクリックします。
今回使用するのはDistortionの中のAmplifierです。
ベースアンプを通したような質感や歪みを得ることができるため、ベースサウンドに重宝します。
左上部でアンプの種類を選択します。今回はBass Womanを選択しました。
その下からスピーカーの種類も指定できるため、Bass 4×10を選択しています。
- Drive : 歪みを与えて、太さや音圧を高めます
- Bass : 低域を強調して、太さを与えます
- Middle : 中域を強調して、キャラクターを調整します
- Treble : 高域を強調して、音抜けを良くします
- Presence : 超高域を強調して、空気感や明るさ追加します
ここではTrebleで高音域を持ち上げた後、Presenceで明るさを加え、下のHigh Dampで少しハイ成分を削り微調整を行いました。
これでサウンドの完成です。
今回使用したマルチオシレーターモードは、その他のサウンドでも頻繁に使用できる非常に強力な機能です。
是非ここでご習得してしまいましょう。