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AMS Neve から遂にリリースされたオーディオインターフェイス「88M」の特徴とサウンドレビュー

極上のNeveサウンドをどこにでも実現可能に!?

DTMを行う中で誰もが一度は憧れる機材の代表格とも言えるAMS Neve
AMS Neveが築いてきたブランドや歴史はもちろん、徹底的にこだわり抜かれたサウンドは全世界のエンジニア・サウンドクリエイターを魅了し、現代の音楽シーンを牽引していると言っても過言ではありません。

Neve_88M

そんなAMS Neveから先日、オーディオインターフェイス「88M」のリリースが発表され話題となっていました。
2022年9月22日に発売開始となり、価格は195,800円となっています。

製品URL : https://www.minet.jp/brand/ams-neve/ams-neve-88m/

極上のNeveサウンドを得ることができるプリアンプは、同社製品の中でも非常に有名な「88RSコンソール」と同じトランスバランス回路が使用されています。(下記にサウンドも用意しました)

今回、この新作のオーディオインターフェイス「88M」をお借りすることができましたので、各特徴やサウンドをレビューしていきます。

88Mの仕様

まずは外観です。
デザインもしっかりとNeve感が引き継がれており、とても洗練されています。

  • 高さ:76mm / 幅:182mm / 奥行き:203mm
  • 重量:1.675Kg

手にとってみるとアウトボードの高級感もしっかりと感じられました。
サイズ的にも十分に持ち運びが可能ですね。

88Mの特徴

それでは製品の特徴をセクションごとに確認していきます。

USB3.0接続対応 電源を必要としないバスパワー

Neve_USB

まず「88M」を使用するためにドライバなどのインストールは必要ありません。
付属のUSBケーブルで製品をパソコンを接続するだけで認識・使用することができました。

そして電源の接続は必要とせずバスパワーで動作します。
パソコンと接続するだけで電源供給が行われます。
場所を選ばずどこでもNeveサウンドを得ることができるのは革命的とも言えるのではないでしょうか。

88RSコンソールと同じトランスバランス回路を採用

上記でも少し触れましたが、88Mの2系統のデュアルプリアンプは88RSコンソールち同じトランスバランス回路が採用されています。

マイク(+48V)/ライン/DI(ギターやベースなど)に合わせモードを切り替えを行うことができます。
この切り替えも「GAIN」ボタンを押すだけというシンプルで無駄のない設計です。

また、ADATを使用することで、インプットとアウトプットを拡張することができます。
上記のプリアンプ2チャンネルを合わせて10入力/10出力に対応するため、個人宅を含めた小規模な音楽スタジオでの使用も視野に入れられます。

バランスインサートを使用してアウトボードの接続が行える

お使いのアウトボードエフェクトなどを使用したいというケースにも対応可能となっています。
2CHのセンドリターンバランス端子にアウトボードを接続するだけです。

高音質で便利なヘッドフォンセクション

ヘッドフォンセクションのクオリティにも抜かりがありません。
非常に聴きやすいナチュラルなサウンドで演奏/制作/ミキシングを気持ち良く進めることができました。

また、モニタリングのモードも用意されており

  • DIR : 接続された段階のダイレクトサウンド
  • MIX : ダイレクトサウンドとDAWサウンドの両方
  • DAW : DAWサウンドのみ

を用途に合わせて簡単に切り替えることができるのは非常に嬉しいです。
欲を言えばヘッドフォン出力が2系統あればより使用範囲が広がったかなと感じましたが、使用感と音質は申し分ありませんでした。

入力サウンド比較

次にプリアンプによるサウンドを試すべく、ボーカルとギターをレコーディングしました。
サウンドを比較するために1万円クラス/10万円クラスのオーディオインターフェイスでも録音を行なっています。

まずはボーカルから聴いてみましょう。
ボーカリスト : 声優 黒木沙織さん

※各素材のレベルは極力同一になるように調整しています。

ボーカル単体

1万円クラス

10万円クラス

Neve 88M

Neveプラグインを使用した際に発生する独特の抜け感がとても自然に発揮されています。
サウンドの売りとなるサチュレーションも付加されているためサウンドもまとまっていますね。
以前から欲しかったザラつき感を含め、最初から使える音としてこのクオリティでレコーディングできるのは頼もしい限りです。

ボーカル+オケ

オケと合わせたサウンドも確認してみます。

1万円クラス

10万円クラス

Neve 88M

サウンドがしっかりと抜けてきます。
高域がただ出ているサウンドだと耳に痛く、薄い印象のサウンドになってしまいがちですが、88Mは抜けつつも重心がしっかりしているため後のミキシングでも扱いやすそうです。(エフェクトのりも良さそうです)
そこが低価格のオーディオインターフェイスと大きく違う点だと感じました。

クリーンギター(ライン録音段階のサウンド)

次にギターサウンドです。

1万円クラス

10万円クラス

Neve 88M

ボーカルと似た印象で、抜けが良く、サウンドの密度が高いため、元音でしっかりとした土台が作れるという印象です。
良い意味で1弦1弦のニュアンスがバラつくので気持ち良く演奏できますし、細かな演奏表現/ニュアンスもしっかりと収録してくれます。

クランチギター(アンプシミュレーター)

上の素材にアンプシミュレーターを通したサウンドです。

1万円クラス

10万円クラス

Neve 88M

クリーンサウンドの差が顕著に出るという感じでした。
低域〜高域のバランスが良いため、耳に痛くない存在感のあるサウンドが得られました。
特に後半のカッティングでバランスの良さと、適度な距離感を感じていただけると思います。

今回はボーカルとギターでサウンドを試しましたが、打ち込みトラック(ドラム、ベース、シンセなど)をこのプリアンプへライン入力し、再度DAWに録音するというリアンプ的な手法を使うと、楽曲全体のサウンドクオリティも高めることができそうです。

出力サウンド比較

記録用として出力サウンドもレコーディングすることにしました。

各モデルの出力サウンドをマスターレコーダー「TASCAM DA-3000」で録音したサウンドです。

1万クラス

10万クラス

Neve 88M

全体的に明るく前に出るサウンドです。バランス良しです。
大きな癖は感じられずナチュラルなサウンドモニタリングが期待できると感じました。




いかがでしたでしょうか?

Neveより満を持してリリースされたオーディオインターフェイス「88M」
価格は決して安いとは言えませんが、今までアウトボードを使用しなくては得られなかったNeveサウンドを手軽に使用できるという点に対して価格以上の魅力を感じました。
非常に素晴らしい完成度を誇るオーディオインターフェイスとなっていましたので、ぜひ気になる方はチェックしてみてください!

製品リンク
https://www.minet.jp/brand/ams-neve/ams-neve-88m/

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