僕がAbleton Live「Suite」を選ぶ理由 (後編)Max for Live オーディオ / MIDIエフェクト機能について
Suiteの真髄とも言える優秀なMax for Live/エフェクト群
Sleepfreaks 宮川です。僕がAbleton Live「Suite」を選ぶ理由。
後編は「Max for Live」「オーディオ/MIDIエフェクト」について解説を行なっていきます。
僕自身、StandardからSuiteへアップグレードした最大の理由が「Max for Live」となり、他DAWとの差別化ポイントと考えています。
VSTプラグインと比較し、高い拡張性がを誇る機能となりますので、是非ご確認ください。
僕がAbleton Live「Suite」を選ぶ理由(後編)
製品サイト : https://bit.ly/2Hp4Ar4
Live独自のMax for Liveについて
上記でも触れましたが、Suiteの真骨頂といえる機能が「Max for Live」です。
ビジュアルプログラミングソフトとして、主にエレクトロニカや、実験的な音楽ジャンルのアーティストに使用される「Max」がLiveに統合された製品で、簡単に言えば新たなエフェクト/インストゥルメントを自分で作ることができる機能です。
「デバイスを自作する」と聞くと少し難しく感じられるかもしれませんが、すでに完成されたデバイスが製品化(有償/無償)されています。
サイトURL : https://maxforlive.com/
VSTと大きく異なる点として下記が挙げられます。
- トラックを跨いだ処理が行えること
- MIDIエフェクトデバイスが存在すること
例えば「キックトラックの演奏に合わせて、別トラックのシンセパラメーター/エフェクトを連動させる」「エレクトロ系楽曲で定番となっているボリュームをリズミカルに動かす」など。
このような処理は、トラックに対してオートメーションを書く必要がありますが、Max for Liveを使用すると非常に簡単に設定可能です。
また、これらモジュレーションは、付属/サードパーティ問わずオートメーションに対応したパラメータは自由にアサインができます。
複数のデバイスをを組み合わせれば、複雑な仕組みを持つトラックが1トラックで完結します。
Max for Liveは、Standardエディションから別途21,800円で追加できますが、StandardからSuiteへのアップグレードは32,800円です。
差額の11,000円で他のインストゥルメント/エフェクト類が追加されることを考慮すると、Suiteへのアップグレードがお得と言えます。
個性的〜実用的なものまでが網羅されたオーディオエフェクト
次はエフェクトを確認していきます。
Standardと比較し、Suiteは「21」のオーディオエフェクトが追加されます。
ここでは3つの汎用性が高いエフェクトをご紹介します。
Amp&Cabinet
エレキギターやベースを演奏される方にとって、Amp系エフェクトは必須です。
これらシミュレーター系のエフェクトは有料無料問わず様々な製品が存在していますが、「Amp&Cabinet」は、Vintage Amp Roomなどのアンプシミュレータを制作したSoftubeが手掛けています。
そのためサードパーティー製品レベルの高いクオリティが保証されている心強いエフェクトです。
Echo
ディレイプラグインの中で最も高機能かつ、クリエィティブな機能を誇る「Echo」
アナログディレイ特有のディレイタイムによるピッチ変調や、LFO/エンベロープを用いたフィルターモジュレーションはディレイに動きを生み出します。
Reverb/キャラクターといった一風珍しい機能は、ディレイの範疇にとどまらないサイケデリックで斬新なサウンドを作成可能です。
Convolution Reverb
「IRリバーブ/サンプリングリバーブ」と呼ばれるリバーブタイプで、残響にどのようなインパルスレスポンスデータが含まれるのか?により、リバーブの守備範囲が変わります。
現代的なデジタルリバーブを代表する「Bricasti design M7」や、デジタルリバーブの名機「EMT250」などのインパルスレスポンスも収録されていますので、様々な楽曲で使用できる即戦力的なリバーブエフェクトです。
リバーブタイムの調整、EQによる周波数特性の変更、モジュレーション、ダンピング、Shapeなど、多彩なパラーメーターがあり、リバーブに必要な機能の多くが備わった設計となっています。
MIDIエフェクト
エフェクトと言えばオーディオエフェクトを連想されるかと思いますが、Liveには豊富な「MIDIエフェクト」収録されています。
MIDIエフェクトはVSTプラグインにも存在していますが、通常は同一トラックでMIDIエフェクト/インストゥルメントの複数使用が行えないため、ルーティングがどうしても複雑になってしまいます。
しかし、LiveのMIDIエフェクトは、同一トラックでも使用が可能で、扱いやすさの点から気軽に使用できる点もポイントです。
これらMIDIエフェクトを使用した作例として、動画では1つのノートからコードバッキングを生み出すデバイスを作成しています。
このようにMIDIエフェクトは、複数のデバイスを組み合わせることができ、使い方次第では手癖にはない斬新なフレーズ作成を行える可能性を秘めています。
最後に
いかがでしたでしょうか。
2回に渡ってLive Suiteの魅力をお伝えしてきました。
Suiteはご紹介した全機能がすぐに使用可能です。
これからインストゥルメント/エフェクトを買い揃えたいと考えている方や、人とは違うオリジナリティの高いサウンド/ワークフローを求める方に強くお勧めしたいエディションとなっています。
体験版も用意されていますので、その実力を感じてみてください。
製品サイト : https://bit.ly/2Hp4Ar4
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記事の担当 宮川 智希/Tomoki Miyakawa