カットアップテクニック② ギターフレーズを切り刻んで再構成する(前編)
BATTERYを用いてギターのカットアップを表現する
以前の記事でCubaseのGroove Agentを用いたカットアップテクニックをご紹介しましたが、
今回はその続編ということで、BATTERYを用いてギターのカットアップフレーズを作る方法をご紹介したいと思います。
R&Bをはじめとして、ポップミュージック全般で広く使われているテクニックですので、ぜひトライしてみてください。
カットアップの準備
オーディオ素材のカット
まずは元となるオーディオ素材をカットしていきましょう。
テンポやコードチェンジのタイミングなどを考慮して決めていきます。
今回は1拍の長さでカットしました。
カットした素材をBATTERYに読み込むため、それぞれオーディオとして書き出しておきます。
BATTERYへのインポート
BATTERYで書き出したオーディオのフォルダを開き、インポートしていきます。
その際、全てのファイルをすべて選択してドラッグ&ドロップすることで、複数のセルに一括で配置することができます。
エンヴェロープの設定
また、複数のセルを選択した状態でBATTERYのパラメーターを操作すると、同時に変更していくことができます。今回は、ノート(押鍵)の長さに合わせて再生する設定としたいので、Volume Envelopeを使用します。
設定は、Attack最速、Sustain最大、Releaseゼロ、です。
カットアップの打ち込み
ノートの配置と抜き差し
ここまで準備できたら、一旦打ち込んでみましょう。
まずは元の順番通りに打ち込んでみます。
これでギターのフレーズが再現されればOKです。ここからフレーズを再構成していきます。
一拍ごとの余韻の部分をカットし、最初のフレーズを繰り返してみました。
これだけでもカットアップらしくなってきましたね。
リバースの挿入
さらにフレーズを面白くするため、リバースを挿入していきたいと思います。
BATTERY内でリバースしたいセルをコピーし、「Reverse」ボタンをオンにします。
今回は5番目のセルのリバースを、オクターブ上に配置してみました。
あとは打ち込んでいくだけです。
繰り返しながらリバースする面白いフレーズができました。
スタッター効果を表現する
もう一つカットアップでよく用いるテクニックが、ノートを細かく打ち込んで表現するスタッター効果です。
打ち込む前にまず、リバース同様、コピーしてスタッター用のセルを作っておきましょう。
そして、16分3連などの細かさで打ち込んでいきますが、
これだけだと、フレーズのアタックのノイズ成分ばかりが目立ってしまいます。
そこで、BATTERY側で調整を行っていきます。
スタッター用に作ったセルで、サンプルのスタートポイントを少し後ろにずらせばOKです。
これで、連打してもノイズっぽくならずに再生されます。
このように、BATTERYを用いれば、リバースやスタッター効果も簡単に作れますね。
次回は更に一歩進んで、ピッチ変更やタイムストレッチ、エフェクト処理などなどを取り上げます。
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