ギタリスト 鈴木健治のギターアンプの音作り① アンプシミュレーターとは?
こんにちは。ギタリスト、ギターサウンドデザイナーの鈴木健治です。
ギターアンプの音作りの方法について、今回から3回に分けて解説を行っていきます。
本物のギターアンプを触ったことがない方から、アンプシミュレーターでの音作りがうまくいかない、という方のお役に立てるような内容を目指していきます。
今回はジャンルを問わずに使用頻度の高い、クリーントーンとクランチサウンドについて解説していきます。
アンプシミュレーターとは?
まずはアンプシミュレーターについて把握しておきましょう。
実際のギターアンプを解析〜モデリングを行い、あたかも本物のギターアンプを使ったような音が出せるプラグインになります。
ギターを弾かれる方はもちろん、ギターは弾かないけどソフトシンセを使っているという皆様も、サウンドにリアリティーを与えることができますので、是非ご活用いただきたく思います。
アンプシミュレーターはレコーディングした後からでもアンプのセッティングを自由に変更可能です。
そのため、他トラックとの兼ね合いでサウンドを微調整したり、大きなアレンジの変更に合わせて、音色をフレキシブルに調整できるということも大きなポイントです。
当解説で使用していく製品はIK Multimedia社よりリリースされている「Amplitube4」となります。
また、DAWに付属のアンプシミュレーターでも同様な考え方で進められますので、参考になさってください。
Amplitude 4を使用したギターサウンドメイキング
- 1ギタリスト 鈴木健治のギターアンプの音作り① アンプシミュレーターとは?
- 2ギタリスト 鈴木健治のギターアンプの音作り② ディストーションサウンドの作成
- 3ギタリスト 鈴木健治のギターアンプの音作り③ ギターソロサウンドの作り方
クリーントーンの作り方
クリーントーンとは文字通り、歪みがなく、濁りのない音です。
まずはクリーントーンに適したアンプを選択することが重要なポイントとなります。
一般的にフェンダー社のツインリバーブやローランド社のJC120などがその代表になります。
今回はAmplitube4に内蔵されているモデルをチョイスしました。
このタイプは「Gain」と「Volume」というように、ボリュームが変わるツマミが2つあります。
このようなアンプタイプを2ボリューム(ツーボリューム)タイプと呼びます。
この場合、Gainを低めに設定し、トータルの音量をコントロールするVolumeを高めにセッティングにするということがクリーントーンの基本になります。
*VolumeがMasterと呼ばれる事もあります。
逆にGainを上げると歪みが増していきますが、値が高すぎると音が潰れてしまいます。
特にクリーントーンでは上げ過ぎないように注意してください。
そして、多くのギターアンプで共通となっているパラメーターが下記です。
- BASS=低域
- MIDDLE=中域
- TREBLE=高域
- PRESENCE=超高域
実際に音を出しながら調整していくのが一般的ですが、概ね中央値の5付近を軸として設定し、あまり極端なセッティングにはしない方が良い場合が多いです。
クランチトーンの作り方
クランチとは歪んでいるけど、ディストーションのギターソロやメタル系のパワーコードに適した強い歪みではなく、コードバッキングや少しブルージーなリード等に合うような「軽めの歪み」です。
クランチ系で代表的なアンプにはMarshall、VOXが挙げれられます。
今回は比較的ロック寄りなクランチを得意とするMarshallを選択しました。
このアンプは歪みに向いているため、Gainを少し上げるだけで自然に歪みが増していきます。
動画で解説しているように、適正な歪み感が見つかるまでギターを弾きながらツマミを回します。
コードの響きが濁りすぎないところが一つの目安となります。
MASTERノブで歪み感を維持したまま、全体のボリュームを変更可能です。
また、BASS(低域)を上げるとサウンドの迫力が増しますが、高すぎると音抜けが悪くなる場合があるため、上げ過ぎには注意して下さい。
今回はギターアンプシミュレーターを使って、クリーントーンとクランチトーンを作成、そのコツをお伝えしてきました。
次回はディストーションサウンドの音作りについて解説していきます。