三和音(トライアド)のディミニッシュコード/音楽理論講座
特徴的な響きを持つディミニッシュコードを把握する
これまで、メジャーコード、マイナーコードの作り方を確認してきました。
今回は、ディミニッシュコードを確認していきましょう。
✴︎4和音の時も「ディミニッシュ」と呼ぶこともあります。
ここではディミニッシュコードをトライアド(三和音のコード)とし、
4和音の方を、ディミニッシュセブンスコードとします。
まずはサウンドを確認してみましょう。
コードの構成音を鳴らした後に、コードが鳴ります。
なんだか、怪しい響きのするコードですね。
ディミニッシュコードは不安定な響きを持ち、緊張感を生み出したり曲の転調を予感させたりする効果などがあります。
ディミニッシュコードの表記
ディミニッシュコードは下記のように表記されることが多いです。
一般的なものとしては、以下のような表記です。
- Cディミニッシュコード = Cdim
- Dディミニッシュコード = Ddim
ディミニッシュコードの構成音
譜面とピアノロールでCディミニッシュコードを確認してみましょう。
ルートの音CにE♭(短3度)とG♭(減5度)が重なっています。
次に、Bディミニッシュコードも確認してみましょう。
コードの構成音を鳴らした後にコードが鳴ります。
構成音は下記となります。
Bディミニッシュコードは白鍵のみで構成されています。
とてもシンプルですね。
CディミニッシュコードとBディミニッシュコードの構成音がわかったところで、双方を比較してみましょう。
Bディミニッシュコードを全て選択しルート音がBからCになるように移動してみると、
両方ともCディミニッシュコードになりました。
ディミニッシュコードにも重ねる音に法則がありそうです。
インターバルでの理解
インターバルとは、音と音の距離のことでしたね。
Cディミニッシュコードの音がルート音にどのように重なっているのかを、インターバルの観点から確認していきましょう。
Cをルートとして、その上に重ねたE♭とG♭を右に伸ばすと、以下のようになります。
ディミニッシュコードとメジャーコード、マイナーコードを比較するとどのようになっているでしょうか。
それぞれ比較画像を用意しましたので見ていきましょう。
まず、メジャーコードは、R,M3rd,P5th(1,3,5)でしたね。
ディミニッシュコードはメジャーコードと比べると、M3rdが半音下がりm3rdに、P5thも半音下がりdim5thになっています。
インターバルの学習の際に、パーフェクトと名の付くインターバルが半音下がるとディミニッシュになるとお伝えしましたね。
今度は、マイナーコードと比べてみましょう。
マイナーコードは、R,m3rd,P5th(1,b3,5)でしたね。
ディミニッシュコードはマイナーコードと比べると、m3rdは共通で、P5thが半音下がりdim5thになっています。
スケールディグリーでの理解
次にスケールディグリーでも確認しましょう。
- メジャーコード:1, 3, 5
- マイナーコード:1, ♭3, 5
- ディミニッシュコード:1, ♭3, ♭5
となります。
三和音(トライアド)のまとめ
最後に、今まで出てきたトライアドのコードをまとめてみましょう。
他にもコードはたくさんありますが、今はこれらで十分です。
各メジャースケールを練習し、1,3,5で全てのメジャーコードを作成できるようにしましょう。
その上で各コードの違いを理解していれば、他のコードへ容易に辿り着けます。
次回は、四和音のコードを確認していきます。
実践的な作曲までもう一歩です。
頑張りましょう!
記事の担当 伊藤 和馬/Kazuma Itoh
18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。
バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
日本に帰国後は、Pops・アニメソング・アイドルソング・CM・ゲーム・イベントのBGMまで、幅広い作曲・編曲の技術を身につけ作編曲家として活動している。