要注目の無料DAW「LUNA 2.0」| 歌ってみた / セカンドDAWとしても最強!?
AIアシストとアナログ・ワークフローが融合:LUNA 2.0が示す未来
無料のDAWを探しているけど機能制限が多くて結局使えない、そんな経験はありませんか?
Universal Audio社から登場した「LUNA 2.0」は、Mac・Windows両対応で完全無料ながら、プロフェッショナルな録音・ミキシングが可能なDAWです。
さらにバージョン2.0では最先端のAI機能を搭載し、制作時間の大幅な短縮を実現しました。
また、2025年10月28日からメディア・インテグレーション社が新たに国内販売を担当することになり、今後はブラックフライデーなどのセールで、日本限定の特典として世界で活躍するエンジニアによるセミナービデオのプレゼントも予定されています。
そんな今注目のLUNA 2.0のおすすめポイントは、主に3つあります。
- 無料版でもDAW機能に制限なし:録音・編集・ミキシング・書き出しまで全て可能
- AI機能による作業時間の短縮:テンポ検出やトラック自動設定に対応
- プロ版ならアナログサウンドの極みへ:45万円相当のUADプラグイン28種が付属
これらを中心に、LUNA 2.0の魅力を詳しく見ていきましょう。
動画
無料版でここまでできる:トラック数もフォーマットも無制限
Studio One Primeが有料化された今、初心者が気軽に始められる本格的なDAWは貴重です。
LUNA 2.0の無料版は、DAW本体の機能に制限が一切ありません。
録音トラック数は無制限、オーディオ・MIDIともに扱えるため、打ち込み、レコーディング、ミキシング、マスタリング、そして最終的な書き出しまで全ての工程を完結できます。
さらに、「shape」という音源が付属しており、5〜6GBの充実したライブラリを収録。
シンセサイザーから生楽器まで基本的なサウンドが揃っているため、プラグインを持っていない初心者でもすぐに制作を開始できます。
無料版と有料版(LUNA Pro 2.0)の違いは、これらの標準機能に加えて、有料版専用の高品位なプラグインや音源が付属するかどうかだけです。
つまり、すでにサードパーティー製のプラグインを持っている方なら、無料版だけでプロフェッショナルな制作環境が整います。
AI機能が制作をアシスト:面倒な設定作業からの解放
LUNA 2.0では、AIを活用した複数の機能により、従来は手動で行っていた煩雑な作業が自動化されています。
楽曲のテンポを一瞬で検出
「歌ってみた」動画の制作や、カラオケ音源を使った録音で重宝するのが、AIによる自動テンポ検出機能。
従来は、配布されたカラオケ音源のテンポが分からない場合、手動で調整する必要がありました。
LUNA 2.0では、オーディオファイルを選択して上部メニューの「Assistant」から「Extract Tempo from Selection」を選ぶだけで、瞬時に正確なテンポを解析してくれます。
さらに優れている点は、オーディオ素材の先頭に無音部分があり、音の開始位置がズレている場合(=頭出しができていない状態)は、AIが自動的に音の始まりを検出してくれます。
この「頭出し」の作業を手動で行うと時間がかかりますが、LUNA 2.0なら楽曲の開始位置を小節の頭(グリッド)に自動で合わせるため、すぐに録音を始められます。
トラックを自動で色分け・リネーム(Instrument Detection)
複数のオーディオファイルを読み込んだ際、どのトラックが何の楽器なのかを設定するのは面倒な作業。
そんなトラック整理もLUNA 2.0では、AIが音源を解析して自動で行ってくれます。
方法は簡単で、オーディオファイルをタイムラインにドラッグ&ドロップするだけです。
元のファイル名が「1」や「2」といった無関係なものであってもAIが音から解析を行うため、自動的に「Vocal」「Bass」「Drums」といった適切なクリップ名と楽器ごとのアイコンや色に変更されます。
この機能があれば、他のクリエイターから受け取った音源ファイルのトラック名が不明瞭な場合でも、整理作業の手間が軽減され大幅な時短に。
ちなみに、クリップの表示内容は、上部メニュー「View」→「Timeline Settings…」を選択し、「CLIPS SHOW」セクションで、有効/無効をカスタマイズできます。
また、トラック名が変更されない場合は、上部メニュー「Assistant」→「Instrument Detection Settings…」を選択します。
「SETTINGS」が表示されるので、「Automatically Name Tracks」を有効にした状態で、再び上部メニューの「Assistant」から「Run Instrument Detection」をクリックするとトラック名が変更されます。
SETTINGSの上に配置されている「INSTRUMENT DETECTION」では、楽器カテゴリごとの色や名前をカスタマイズすることも可能です。
なお、オーディオファイルを取り込む際の注意点として、LUNA 2.0は英語のソフトウェアであるため、日本語のファイル名を使用すると文字化けが発生する可能性があります。
トラブルを避けるためにも、ファイル名は基本的に英語(半角英数)で管理するのがおすすめです。
音声コマンドで操作が可能に(Voice Control)
LUNA 2.0には、「Hey Siri」や「アレクサ」のように、DAWを音声で操作できる「ボイスコントロール」というユニークな機能も搭載されています。
使用するには、上部メニューで「Assistant」を開き、「Voice Control」にチェックが入った状態で「Voice Control Settings…」を選択します。
左側に設定画面が表示されるので、「SETTINGS」でウェイクワード(DAWを起動するための合言葉)を入力し、「LISTEN TO」で音声コマンドを受け付ける入力マイクを指定。
これにより、指定したウェイクワードの後に「Play」と発音することで再生が開始され、「Stop」と言うことで再生が停止するなどの操作が可能になります。
ただし、この機能はApple Siliconを搭載したMac専用で、現時点では英語の発音にのみ対応のため、正確な発音が必要です。
AI技術の進化に伴い、日本語の認識精度が向上すれば、実用的になる可能性もあるため、今後の進展に期待したい機能です。
Voice Controlが表示されない場合
もし、Voice Controlが表示されていない場合は、音声認識モデル(機械学習データ)がインストールされていない可能性があります。
上部メニュー「Help」→「Feature Preview…」を開き、画面下の「TURN ON FEATURE PREVIEW」をクリックします。
その後、アンケートに回答しLUNA 2.0を再起動すると、Voice Controlが表示され、有効にするとデータのダウンロードが開始します。
英語表記でも迷わない:洗練されたインターフェース
LUNA 2.0は現在、日本語にローカライズされていませんが、比較的新しいDAWならではのシンプルなUI設計が特徴です。
簡単な英単語で表記されており複雑な階層メニューも少ないため、あまり迷うことなく直感的に操作できます。
基本的にはタイムライン表示とミキサー表示を切り替えるだけで、ほとんどの作業を完結できる設計です。
さらに、アクセス頻度が多い設定は使いやすい位置に配置。
例えば、画面下部の「Audio」セクションからはサンプリングレートやバッファサイズを即座に変更でき、メトロノームの音量調整も専用ウィンドウを開かずに行えます。
右側のマスターボリュメーターは、視認性を保ちつつ画面を圧迫しない程よい幅感。
インサートエフェクトの一斉バイパスボタンなどもワンクリックでアクセスできる仕様になっています。
また、LUNA 2.0はPro Toolsのショートカットや操作感に近い設計のため、Pro Toolsユーザーならすぐに馴染めます。
ARA対応で編集ワークフローが進化:プラグイン操作をシームレスに
LUNA 2.0は、ARA(Audio Random Access)プラグイン規格に対応。
無料版であってもサードパーティ製のARA対応プラグインさえあれば、DAWに統合された機能のようにシームレスな操作が行えます。
また、LUNA Pro版には、ピッチ補正ソフト「Melodyne essential」とダイナミクス調整ツール「DynAssist Lite」が付属します。
ARA対応プラグインは、トラックの「WARP」→「ARA」から起動できます。
別ウィンドウを開くことなく、タイムラインに統合されたパネル内で編集可能です。
ボーカルのピッチ補正から音量の均一化まで、作業の流れを止めずに処理できるため、特にボーカルミックスの効率が大幅に向上します。
LUNA Pro版:アナログの響きを手に入れる
無料版でも十分に使えるLUNA 2.0ですが、有料版の「LUNA Pro 2.0」にアップグレードすると、ミキシングに特化した最強のDAWへと変貌します。
45万円相当のプラグイン・音源が付属
LUNA Pro 2.0には、単品購入すると総額45万円を超えるUADプラグインライセンスが付属します。
ラインナップには、下記のようなレコーディングスタジオで定番の名機エミュレーションから、UAの最高峰バーチャルインストゥルメントまで揃っています。
- コンプレッサー:Fairchild Limiter Collection、Teletronix LA-2A、1176 FET Compressor、API 2500 Bus Compressor
- EQ:Pultec Passive EQ Collection、API Vision Channel Strip Collection
- テープマシン:Studer A800、Ampex ATR-102
- バーチャルインストゥルメント:Opal Morphing Synthesizer、Waterfall B3 Organ、Ravel Grand Piano、PolyMAX Synth
- MIDIエフェクト:ChordAXE Lite
これらのプラグインは、LUNA以外の他のDAWでも使用可能です。
つまり、LUNA Pro 2.0を購入すれば、普段使っているDAWでもこれらのプラグインを活用できます。
チャンネルストリップに統合されたアナログエミュレーション
LUNA Pro 2.0の最大の特徴は、チャンネルストリップにアナログエミュレーションが統合されている点です。
各チャンネルには、通常のインサートスロットとは別に、「Console」「Summing」「Tape」といった専用セクションが用意されています。
これにより、API、Studer、Ampexといった往年の名機のサウンド特性を、プラグインウィンドウを開くことなくミキサー画面から直接選択し適用できます。
LUNA 2.0の動作環境:システム要件
Mac
OS:macOS Big Sur 11、Monterey 12、Ventura 13、Sonoma 14、Sequoia 15
Windows
OS:Windows 10以降
共通
CPU:Intel quad-core i7以上、またはApple Silicon
メモリ:16GB以上を推奨
ストレージ:システムボリュームに600MB以上の空き容量
LUNA 2.0の入手方法:ダウンロードと認証
LUNA 2.0は、Universal Audio公式サイトからダウンロード可能です。
まずログイン画面からログイン(アカウントがなければ作成しログイン)します。
「Downloads」→「LUNA」と進み、管理ソフトウェア「UA Connect」をダウンロードしてインストールします。
「UA Connect」を起動し、作成したアカウントでログインすると、LUNA 2.0本体のダウンロードとライセンス認証が可能になります。
まとめ
LUNA 2.0は、以下のような方に特におすすめです。
- オーディオ録音・ミキシング中心の楽曲制作スタイルの方
- 生楽器やボーカルなど、生演奏の録音を中心とした制作スタイルの方
- 他のDAWで制作した素材をLUNAに持ち込み、ミキシング専用環境として使いたい方
MIDIを多用する複雑な打ち込み制作よりも、生演奏を中心とした楽曲制作や、レコーディング後のミキシングに特化した使い方が向いています。
まずは無料版で操作感を試し、アナログサウンドの魅力に惹かれたらLUNA Pro 2.0を検討する、そんな柔軟な選択ができるのも、LUNA 2.0の大きな魅力。
Studio One Primeの有料化で困っていた方、アナログサウンドに憧れていた方など、気になった方はぜひLUNA 2.0を試してみてください!
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