FL Studio 2025 必ず押さえておくべき新機能3選
音楽制作の常識を変える3つの革新機能が登場!
FL Studio 2025がついにリリースされました!
今回のメジャーアップデートでは、AIアシスタント「Gopher」をはじめとする革新的な機能により、音楽制作のワークフローが根本的に変化しています。
- ループ素材探しに時間がかかりすぎる…
- コード進行のアイデアが浮かばない…
- 操作方法がわからず制作が止まってしまう…
そんなDTMerの悩みを一気に解決する3つの新機能が搭載されました。
しかも、嬉しいことに誰でも無料で体験できます。
初心者から上級者まで、あらゆるレベルのクリエイターが恩恵を受けられる画期的なアップデートについて、さっそく見ていきましょう。
Loop Starter:選ぶだけで高品質な楽曲の土台を自動生成
FL Studio 2025の注目機能「Loop Starter」は、楽曲制作の「土台作り」を自動化するツールです。
ジャンルを選ぶだけで高品質なサンプルがバランス良く自動配置され、すぐに制作に取り掛かることができます。
▼Genre : Drillで生成されたサンプル例
従来なら個別に探す必要があった各パートのサンプルが、このようにわずか数クリックでジャンルに最適化されて生成されるのは画期的です。
使用方法はとてもシンプルで、「Channel rack」の左上部に表示されるLoop Starterアイコンをクリックし、9つのジャンルから制作したい楽曲のジャンルを選ぶだけ。
ジャンルを選択すると、ジャンルに最適化されたサンプルのループセットが瞬時に読み込まれます。
それぞれのオーディオループはFL Cloudから参照しているので、どれも非常に高クオリティなサウンドとなっています。
サイコロ機能で無限のバリエーションを実現
Loop Starterで特に優秀なのが、各チャンネルの右側に配置された「サイコロアイコン」機能。
右上のサイコロアイコンをクリックするたびに、指定したジャンルにそって全てのチャンネルのサンプルがランダムに変化します。
選択したチャンネルのみ個別変更も可能なため、数百通りの組み合わせを瞬時に試すことができます。
気に入った組み合わせが見つかるまで、何度でも試行錯誤できる優れたシステムです。
類似サンプル検索とドラムパターン自動生成
「Find similar samples」機能では、現在選択中のサンプルをFL Cloud上で解析し、音色や雰囲気が類似したサンプルを提案してくれます。
類似したサンプルを探したいチャンネルのサイコロアイコンを右クリックし、「Find similar samples…」を選択します。
すると、「Browser」の「SOUNDS」に類似したサンプルが多数表示されます。
気に入ったサンプルを見つけた際に、そのバリエーションを効率的に探索できる便利な機能です。
さらに嬉しい機能が「Generate steps」です。
上部のサイコロアイコンを右クリックし、「Generate steps for all channels」を選択すると、ジャンル設定に基づいたリズムパターンが自動生成されます。
この操作は何度でも繰り返し実行でき、選択するたびに異なるリズムパターンがランダムに生成されます。
生成されたパターンは従来どおり手動編集が可能で、気に入ったパターンが完成したら、Channel rackのパターン自動配置アイコンをクリックすることで、すべてのパターンを一括でプレイリストに配置できます。
Text to Code Progression : テキスト入力でコード進行を瞬時に作成
次に紹介する「Text to Code Progression」機能は、従来のピアノロール上でのマウス操作によるコード入力を、テキストベースの直感的な方法に置き換える新しい機能です。
この機能は、「PRESETS」タブの「Piano roll scripts」内にある「Text to Code Progressions」をダウンロード・インストールすることで利用できます。
インストール後は、ピアノロールの「ツール」メニューから「Text to Code Progression」を選択すると起動します。
実際の使用では、「Chords」にコード名を入力し「Accept」をクリックすると、対応する和音がピアノロール上にまとめて配置されます。
なお、複数のコード名を入力する場合は区切る必要があり、以下が区切り文字として使用できます。
- カンマ(,)
- スペース(半角空白)
- ダッシュ(-)
- 縦棒(|)
7th、11th、sus4、add9などの複雑なコードにも対応しており、コード理論に詳しくない方でも本格的な和音を簡単に打ち込めます。
この機能は、次に紹介するAIチャットボット機能との連携により、さらに効率的な制作環境が構築されます。
Gopher : FL Studio専用AIアシスタントが制作をサポート
FL Studio 2025で最も話題となっている機能が、AIチャットボット「Gopher」(ゴーファー)。
Gopherは、FL Studioの公式マニュアル、ナレッジベース、コミュニティで蓄積された膨大な情報をもとにトレーニングされた、音楽制作専門のAIアシスタントです。
Gopherは、画面上部の「ツールバー」からGopherアイコンをクリックすると、コミュニケーションパネル内で起動し、チャット形式のインターフェースが表示され、自然な日本語で質問を入力できます。
画面上部のヘルプからも同様にGopherの起動が可能です。
多言語対応で幅広い質問に瞬時回答
Gopherの対応範囲は非常に幅広く、基本的な操作説明から高度な技術的質問まで対応します。
- 「サンプルをリバースする方法は?」といった操作的な質問
- 「Lo-Fiヒップホップに合うコード進行を教えて」のような創作アドバイス
- 「ミキシングでボーカルを前に出すにはどうすれば良い?」といった技術的な相談
これらの質問に数秒で的確な回答を得られます。
多言語対応により、日本語での質問にも完璧に対応してくれるのも大きな魅力です。
Text to Code機能との連携で理想的なワークフローを実現
特に強力なのが、前述したText to Code Progression機能との連携です。
例えば、Gopherに「エモーショナルなバラードに適したコード進行を提案して。コード名はカンマ区切りで表示して」と入力します。
具体的なコード進行をいくつか提案してくれるので、その中から気に入ったものを1つコピーします。
※「コード名は●区切りで表示して」や「Text to Code機能で使用できる形式で表示して」といった表示指定を加えると、Text to Code Progression機能で直接使用できる形式で回答してくれるのでおすすめです。
その後、コピーしたコード進行をText to Code Progression機能にペーストし「Accept」すれば、即座にピアノロール上にコードが配置される、効率的なワークフローが完成します。
なお、Gopherが「Cmaj7 → Am7 → Fmaj7 → G7」のように矢印(→)で回答した場合も現在のところText to Code Progression機能は動作しますが、公式マニュアルで矢印は区切り文字に含まれないため、注意してください。
その他のアップデート: 使いやすさが大幅向上
FL Studio 2025では、3つの主要機能以外にも以下の改善が行われています。
ミキサー機能が大幅進化
ミキサートラックを自由に追加・削除できる「Dynamic Mixer Tracks」機能が導入されました。
- 追加 : インサートトラックの末尾「+」アイコンをクリック
- 削除 : 削除したいトラックを選択→右クリック→「Delete」
※削除操作はUndo(元に戻す)で復元が可能です。
また、プラスアイコンを右クリックして、メニューから「Increase number of tracks to…」を選択すると、希望するトラック数を入力して追加することもできます。
ミキサートラック数の制限も大幅に緩和され、最大500トラックまで拡張が可能です。
オーディオクリップ編集の強化
オーディオクリップを直接ピッチシフト、リバース、タイムストレッチできるようになり、作業効率が大幅に向上しました。
Playlist上のオーディオクリップの左上にあるメニューから「Properties…」を選択すると、そのクリップ専用の「Clip properties」ウィンドウが開き、設定が行えます。
Mobile Rackと新プラグインで創造性が拡大
「FL Studio Mobile Rack」により、モバイル版FL Studioの7つのインストゥルメントと29のエフェクトがデスクトップ版で利用可能になりました。
Minisynthなどの人気プラグインを単体または組み合わせて使用でき、CPU負荷も軽量です。
新プラグインとして、マルチステージ・マスタリングリミッター「Emphasis」が追加されました。
高いゲインレベルを維持しながら透明性を保つ設計で、最小限の操作でプロフェッショナルなマスタリング処理が可能です。
※All Plugins Edition限定の製品です。
導入方法と無料体験版について
FL Studio 2025の革新的な機能は、誰でも無料で体験できます。
既存ユーザーの場合
公式ダウンロードページから最新版をインストールできます。
ライフタイムフリーアップデート特典により追加費用なしで最新版を利用できます。
新規ユーザーの場合
公式ダウンロードページから体験版を入手できます。
インストール後、FL Studioを起動すると自動的にトライアルモードで利用できます。
トライアル版の特徴
・アカウント登録やライセンス購入は不要です。
・ほぼすべての機能を制限なく試すことができます。
・プロジェクトの保存は可能ですが、保存したプロジェクトファイル(.flp)は製品版でのみ再度開くことができます。
・エクスポート(WAV/MP3など)は可能です。
FL Studio 2025は、単なるアップデートではなく、AIとの協働により、音楽制作の新たな転換点を感じさせるものでした。
皆さんもぜひ実際に体験して、新しい音楽制作環境の素晴らしさを実感してください!
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- FL Studioの使い方 上級者編