【Synthesizer V】小春六花・夏色花梨・花隈千冬のVer.2が遂にリリース | 最高傑作と言える歌声ライブラリで楽曲コンペも有利に!?
AI歌声合成の人気ライブラリが大幅リニューアル
AI歌声合成ソフトSynthesizer Vの歌声ライブラリ「小春六花」「夏色花梨」「花隈千冬」がVer.2にアップデートされました。
3製品ともに人気声優のボイスから作られた製品として知られていますが、今回Synthesizer V Studio 2に最適化され、声優の歌声が追加収録されています。
主な特徴は下記のとおりです。
- 追加収録とボーカルスタイルの大幅見直しで別物レベルの進化
- スタイルをピッチ/声色/発音の3要素で個別調整可能に
- ジェンダーパラメータで元の声から想像できないほど幅広い声を実現
- プロの作曲家からもコンペの仮歌で使われることが多い実力派ライブラリ
製品のレビュー動画
ジャンル別サンプル比較
4つの異なる楽曲で、3キャラクターのスタイルをそれぞれ調整したサンプルを作成しました。
なお、各サンプルは筆者の好みで調整しています。
あくまで一例としてa/b/cを切り替えてお聴きください。
J-POP
- A:小春六花 / B:夏色花梨/ C:花隈千冬
ロック
- A:小春六花 / B:夏色花梨/ C:花隈千冬
チルポップ
- A:小春六花 / B:夏色花梨/ C:花隈千冬
アイドルポップ
- A:小春六花 / B:夏色花梨/ C:花隈千冬
Ver.2からは、サンプル音源で加えたようなダブリングやハモリにも対応しており、簡単に作成することが可能です。
動作環境
今回のライブラリはSynthesizer V Studio 2で動作します。
Synthesizer V Studio 2は、高品質なAI歌声合成を実現するエディターソフトで、直感的なインターフェースと高速な処理が特徴です。
Pro(製品版)とBasic(機能制限版 / 無料)があり、まず試してみたい方はBasicから始められます。
使い方の詳細は下記をご覧ください。
Ver.2共通アップデート
それでは、今回紹介するVer.2ライブラリの共通アップデート内容を見ていきましょう。
3製品すべてで声優の歌声が新たに追加収録され、ピッチの揺れ方や息継ぎのリアルさは人間さながら。
単なるアップデートではなく本気の作り直しと感じられる仕上がりです。
注意点として、小春六花についてはVer.2はAI版のみのラインナップで、Standard版のVer.2は提供されていません。
ボーカルスタイルの拡張
ボーカルスタイルは歌い方のプリセットのようなもので、ボイスパネルのノブで声色やニュアンスを変更できます。
Ver.2ではスタイル数が5個から7個に増加し、各キャラクターの個性に合わせて追加されたスタイルが異なりますが、それぞれに今までカバーしきれなかったジャンルにも対応できるようになっています。
さらにVer.2では、スタイルの効き方をピッチ、声色、発音の3つに分けて個別に調整できます。
ピッチはしゃくりやビブラートなどのピッチ表現、声色は声の質感、発音は発音のクリアさを調整するパラメータ。
各スタイルごとに同様のパラメータが搭載されているので、より細かいイメージにも近づけやすくなっています。
ジェンダーパラメータの進化
以前からあったジェンダーパラメータですが、今回の3つのライブラリではジェンダーによる調整もアップデートされています。
以前はジェンダーで調整した際に作り物っぽさが出てしまいがちでしたが、今回は大人っぽい方向にも幼い方向にも、ちゃんと実在しそうな声に。
特に花隈千冬ではジェンダーの調整によって、より本格派シンガーのような声に仕上げることも可能です。
処理速度の向上
Synthesizer V Studio 2ではマルチコア対応が最適化され、処理速度が大幅に向上。
パラメータを変更してから反映されるまでが早く、高性能なグラフィックボードがなくても動作するため、ノートPCでも快適に作業できます。
小春六花(こはる りっか)
TOKYO6 ENTERTAINMENTの第一弾ソフトで、多くのジャンルに対応できるオールマイティな音源を目指して制作されています。
声優は青山吉能さん(「ぼっち・ざ・ろっく!」後藤ひとり役 / ソロシンガー)、キャラクターデザインは手島nariさん(「ガールズバンドクライ」キャラデザ)が担当。
新スタイル MellowとAdult
Ver.2ではボーカルスタイルにMellowとAdultが新しく追加され、より大人っぽい声が出せるようになりました。
- A:適用前 / B:Mellow+Adult適用後
聴いていただいたとおり、MellowとAdultを調整することで、デフォルトとは違った表情の声が作り出せます。
さらにAdultとジェンダーを組み合わせることでも、より好みに近づけた調整が可能です。
Emotionalスタイルの活用
小春六花で個人的な好みとしておすすめなのは、以前からもあったEmotionalスタイル。
- A:適用前 / B:Emotional適用後
適用前に比べて、声の張り方や息づかいのニュアンスまでもが変わり、歌声に疾走感が生まれます。
今回のバージョンアップで落ち着いたチル系からエモーショナルなロックまで、小春六花1つで対応できるジャンルの幅が広がっています。
夏色花梨(なつき かりん)
TOKYO6 ENTERTAINMENTの第二弾ソフトで、夏色花梨(なつき かりん)は元気で明るくパワフルな声質が特徴。
声優は高木美佑さん(「D4DJ」犬寄しのぶ役)、キャラクターデザインは手島nariさんが担当。
キャラクター自体がNIKKE(勝利の女神: NIKKE)のイメージソングでメインボーカルに起用されているという特徴もあります。
Pops系3種の使い分け
夏色花梨は今回のアップデートでパラメータ構成自体が大きく刷新されました。
以前のバージョンでは可愛い声が特徴で、明るいアニソンやアイドルソング向きという印象が強かったのですが、追加収録では、クールな声、低音、ロック表現をテーマに収録が行われています。
Ver.1にあったHappyやFalsettoが廃止され、代わりにPops系3種とRockが新しく追加。
まずは、スタイルを何も適用していないデフォルトの歌声を聴いてください。
次にPops系3種をそれぞれ適用した歌声です。
- A:Pops適用後 / B:Bright Pops適用後/ C:Power Pops適用後
Popsは可愛さが落ち着いたJ-Pop向きの声、Bright Popsは王道のアイドルポップスらしい歌い方、Power Popsはパワフルさが加わった声といった感じで、同じポップス系の楽曲でも直感的に好みのニュアンスに調整可能な、使いどころが多い構成になっています。
力強い声の作り方
新しく追加されたRockスタイルを使うと、さらに力強い声が作れます。
- A:Power Pops+Cool+Rock適用後 / B:Cool適用後/ C:Rock適用後
Power PopsにCoolとRockを組み合わせると、エモーショナル全開な歌い方も可能。
CoolはPowerなしでクールな声質、Rockはロック向けの抑揚がつくスタイルです。
Ver.1を使用していた方にとっては、想像できない声が出せるようになっています。
歯擦音が気になる場合の対処法
CoolとRockを同時に上げた際に、歯擦音(サ行の音)が強めに出ることがあります。
この場合は音素タイミングを表示し、「s」や「sh」などの歯擦音の原因となる音素のパラメータを下げることで回避できます。
花隈千冬(はなくま ちふゆ)
TOKYO6 ENTERTAINMENTの第三弾ソフトで、近年Synthesizer V AIのライブラリの中でユーザー数を伸ばしている製品。
声優は奥野香耶さん(「ウマ娘プリティダービー」ヴィルシーナ役)、キャラクターデザインは手島nariさんが担当。
他の2製品とは毛色が違う柔らかい声が特徴です。
しっとりした表現
Ver.2ではPops、Mellow、Power、Emotionalと新規追加が4つとなっており、こちらもバリエーションが広がっています。
花隈千冬の最大の特徴はブレス感のある柔らかい声。
しっとりしたテイストの曲では声質が特に活きるライブラリです。
- A:適用前 / B:Mellow適用後/ C:Mellow+Adult適用後
デフォルトにMellowを加えると少し芯のあるクールな印象になり、さらにAdultを加えることでクールさの中に気怠さを纏った大人びた歌声が作れます。
ポップス対応
花隈千冬はしっとり系が得意なイメージですが、Ver.2からはPops、Power、Emotionalが追加されたことでポップス系の楽曲にも十分に対応でき、よりパワフルな歌い方も可能に。
- A:適用前 / B:Pops適用後/ C:Pops+Power+Emotional適用後
Popsを適用するだけでも、適用前とは異なるしっかりとした歌い上げ系の歌声に変化します。
パンチが足りないといった場合にはPowerやEmotionalも適用すると、より力強い歌声に。
また、Kawaiiスタイルを活用することで、ポップス楽曲の中でも可愛い系や大人びた系といったニュアンスに合わせた調整も行えるためこのライブラリもかなり万能。
しっとりした曲からポップスまで対応でき、Ver.2で本当に生まれ変わったライブラリです。
歯擦音が気になる場合の対処法
EmotionalとPowerを強く上げた際に、歯擦音(サ行の音)が強めに出ることがあります。
この場合は音素タイミングを表示し、「s」や「sh」などの歯擦音の原因となる音素のパラメータを下げることで回避できます。
機能比較
エディター機能比較
| 機能 | Synthesizer V Studio 2Pro(製品版) | Synthesizer V Studio 2Basic(機能制限版) | Synthesizer V StudioPro |
|---|---|---|---|
| 対応OS | Windows/macOS | Windows/macOS | Windows/macOS/Linux |
| プロジェクト制限 | 無制限 | 1トラック | 無制限 |
| 同時レンダリングスレッド | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| 処理速度 | 高速 | 高速 | 中 |
| AIリテイク | ◎※1 | × | ◯ |
| ボーカルスタイル | ◎※2 | × | ◯ |
| パラメータ調整 | ラウドネス/テンション/ブレス ジェンダー/トーンシフト |
× | ラウドネス/テンション/ブレス ジェンダー/トーンシフト |
| パラメータパネル | ◯ | × | ◯ |
| ピッチ編集 (スマートピッチコントロール) |
◯ | × | ◯ |
| ボーカルMIDI変換 | ◯ | × | ◯ |
| スクリプト | ◯ | × | ◯ |
| 音素タイミング編集 | ◎※3 | × | ◯ |
| マウスオープニング | ◯ | × | × |
| 発音 (破裂音・摩擦音の強さ) |
◯ | × | × |
| 多言語歌唱 | ※日本語、英語、中国語、 広東語、スペイン語、韓国語に対応 (歌声DBにより非対応の場合あり) |
× | ※日本語、英語、中国語、 広東語、スペイン語に対応 (歌声DBにより非対応の場合あり) |
| ラップ歌唱 | ◯ | ◯ | ◯ |
| ユニゾン歌唱 | ◯ | ◯ | × |
| エフェクト – ルームサウンド | ◯ | × | × |
| エフェクト – イコライザー | ◯ | × | × |
| エフェクト – コンプレッサー | ◯ | × | × |
| リバーブ | ◯ | × | × |
| プラグイン – VST | ◯ | ◯ | ◯ |
| プラグイン – Audio Units | ◯ | ◯ | ◯ |
| プラグイン – AAX | ◯ | ◯ | ◯ |
| ARA2 – VST | ◯ | ◯ | ◯ |
| ARA2 – Audio Units | ◯※4 | ◯ | ◯※4 |
| ARA2 – AAX | ◯ | ◯ | × |
※1 より詳細なAIリテイクが可能です。
※2 更にピッチ表現、声色、発音のパラメータを個別に設定することが可能です。
※3 ピアノロール下部で、より直感的に長さと強さの調整が可能です。
※4 ARAブリッジモードのみ対応。
歌声データベース機能比較
| 機能 | Synthesizer V Studio 2 Pro使用時 | Synthesizer V Studio Pro使用時 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| Synthesizer V 2 専用歌声DB AI |
AI (アンサンブル) |
Synthesizer V 歌声DB AI |
Standard | Synthesizer V 歌声DB AI |
Standard | |
| スマートピッチコントロール | ◯ | ◯ | × | × | × | × |
| AIリテイク | ◎※1 | ◎※1 | ◯※2 | ◯※2 | ◯ | × |
| ボーカルスタイル | ◎※3 | ◎※3 | ◯ | × | ◯ | × |
| ソロ歌唱 | ◎※5 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 多言語歌唱 (日本語/英語/中国語/ 広東語/スペイン語) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × |
| 多言語歌唱(韓国語) | ◯ | ◯ | × | × | × | × |
| ラップ歌唱 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × |
| ユニゾン機能 | ◯ | ◯※6 | × | × | × | × |
| コーラス機能 | × | ◯ | × | × | × | × |
| マウスオープニング | ◯ | ◯ | × | × | × | × |
※1 より詳細なAIリテイクが可能です。(Synthesizer V 2専用歌声DBのみ対応)
※2 詳細なAIリテイクが可能ですが、タイミング調整機能に非対応です。
※3 ピッチ表現、声色、発音のパラメータを個別に設定することが可能です。(Synthesizer V 2専用歌声DBのみ対応)
※4 バージョン1のSynthesizer V専用歌声DBを「Synthesizer V Studio 2 Pro」で使用することはできません。
※5 より豊かな歌唱表現が可能です。
※6 アンサンブルシリーズはコーラスのパート切り替え、歌声バリエーションのランダム切り替えも可能です。
価格
3製品とも同一価格で販売されており、購入はAHS公式サイトから可能です。
・パッケージ版: 10,780円(税込)
・ダウンロード版: 9,680円(税込)
・Ver.1からのアップグレード: 4,950円(税込)
動作に必要なSynthesizer V Studio 2は、製品版がパッケージ16,500円(税込)、ダウンロード版が13,200円(税込)。
Basic(機能制限版)は無料で使用可能です。
また、本格的に使いたい方には、製品版エディターと歌声ライブラリ1本のクーポンがセットになったスターターパックが22,000円(税込)で用意されており、別々に購入するよりお得です。
※価格は2026年2月時点の情報です。最新の価格は販売サイトでご確認ください。
個人的に小春六花はVer.1からのユーザーですが、Ver.2を触ってすぐ別物だと感じました。
夏色花梨・花隈千冬においても追加収録とスタイルの刷新により、歌声の幅が格段に広がっていることを感じていただけるかと思います。
1つのライブラリで対応できる楽曲がかなり増えていて、キャラクターソフトというより実力派ボーカリストを採用する感覚です。
気になった方は、ぜひチェックしてみてください!
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