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MIDI2.0の実力を現役ピアニストと検証|1000段階を超えるベロシティでピアノ音源のサウンドクオリティにどのくらいの差が生まれる?

Author: sleepfreaks

MIDI2.0はDTMのサウンドにどのくらい影響を与えるのか?

2019に発表されてから5年が経過し、対応製品が少しずつリリースされ始めている「MIDI2.0」
ここでは「MIDI2.0」 の目玉とも言える、高解像度ベロシティに焦点を当て、「MIDI1.0」と「MIDI2.0」 でサウンドにどのくらい違いが出るのか?を確認してきます。

この結果次第では、今後の機材選択にも影響が出てくると思いました。
そのため、ゲストに現役のピアニストを迎えて検証を進めます。

MIDI2.0の実力をピアニストと共に検証 動画



MIDI2.0について

今、DAW内の打ち込みをなどで一般的に使用されている規格が「MIDI 1.0」ですが、「MIDI2.0」に対応することで、MIDIの扱いがより便利に、そして高い精度と演奏表現が可能になります。

これら機能の中で、個人的にも特に気になっているのがMIDI情報が高解像度になるということです。
特に今回検証を行う演奏の強弱(ベロシティ)はこれまで「0〜127」の中で設定を行なっており、皆様も馴染み深いはずです。

このベロシティがMIDI2.0になることで、16ビット「0〜65,535」まで拡張されます。
これにより生演奏に近い表現/ニュアンスを出すことが可能になるはずです。

※ここではLogic Proを使用して小数点第1までのベロシティ記録(1000段階以上)を行っています。

MIDI2.0の打ち込みを実現するための機材

上記の値を見ると、すぐにMIDI2.0を試したいと思われる方も多いと思います。
しかし、現段階でMIDI2.0の導入ハードルはかなり高いです。

2024年6月段階でMIDI2.0をDTMで使用するための条件を確認しておきましょう。

DAWが対応している必要がある

まずは作曲ソフトDAWがMIDI2.0に対応している必要があります。
主要DAWの中でCubase 13以降とLogic
Proが対応済みです。

Windows OSはまだ対応していない

WindowsはOS自体がMIDI2.0に非対応となっており、今後の対応待ちとなっています。
そのため、MIDI2.0に対応しているCubase 13を使用しても残念ながら動作しません。

音源が対応している必要がある

MIDI2.0に対応している音源も多くはなく、DAWで動作するという条件となると更に少なくなってしまいます。
現段階で、ピアノ音源のIvory 3がMIDI2.0に対応しているため、検証はこのIvory 3を使用して進めます。

MIDIキーボードが対応している必要がある

もちろん演奏したベロシティをDAWに送信するキーボードもMIDI2.0に対応している必要があります。
現行でMIDI2.0と謳われている製品はいくつかありますが、
ベロシティに対応している製品はRoland社のA-88MKIIです。

最新のファームウェアアップデートを行った後、MIDI1.0と2.0を切り替えることができるようになります。

MIDI2.0のサウンド比較

実際に上記の機材を使用してMIDI2.0をレコーディングしてみました。
同時に全く同じ演奏をMIDI1.0でもレコーディングしています。

同時にレコーディングされたMIDI1.0/2.0の演奏を同じ音源(Ivory 3)へ割り当ててサウンドを比較します。
ここではクラシック/バラードポップス/ジャズの3種を収録しました。

クラシック

クラシック
【A.MIDI1.0】【B.MIDI2.0】

ポップス/バラード

bal
【A.MIDI1.0】 【B.MIDI2.0】

ジャズ

JAZZ
【A.MIDI1.0】 【B.MIDI2.0】


いかがでしょうか?

このようにサウンドを比較してみると、サウンドに歴然とした差がついていますね。
MIDI2.0を視聴した後にMIDI1.0を確認すると平坦でノッペリとした印象を受けます。

演奏ニュアンスがとても細かく表現されるため、ピアノを中心とした楽曲を制作されている方は導入を検討して損はなさそうです。
今後もMIDI2.0に対応した生系音源が増えてくるのがとても楽しみですね!

MIDI2.0の詳細は下記の記事で解説しています。
ご興味がございましたら覗いてみてください。

演奏 : 想いを音にするピアニスト 三浦コウ

1989年11月23日 東京都出身。
東京音楽大学ピアノ演奏家コースを経て同大学院音楽研究科修士課程を修了。
ヨーロッパ国際ピアノコンクールin Japan 第1位グランプリを受賞しガラコンサートに出演。
自然や感情を題材としたオリジナルピアノ作品を軸にクラシック楽曲のレパートリーを広げ、独自の音楽観を表現している。
ハクジュホールやオペラシティをはじめ、全国各地でもソロリサイタルを開催する。

これまでに1stコンサートツアー2022 “Prologue” 2ndコンサートツアー2023 “SONGS”を経て、3rdコンサートツアー2024 “natural” を開催予定。
そのツアーファイナルを銀座王子ホールで迎える。

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三浦コウ リサイタル情報

三浦コウ 王子ホールリサイタル “naturalツアーファイナル”