ドラゴンクエスト「おおぞらをとぶ」2. キー(調性)について
キー(調性)を知る
キーがわかると、その曲を構成しているメロディーとハーモニーの種類が絞られてきます。
これを逆にとらえると、曲に一瞬混じり込む、キーから外れた(外した)メロディーやハーモニーを特定することができます。
これが、曲の大事なスパイスであることを発見できます。
そのキーの中で構成しているメロディーやハーモニーには、安定感があり
外れたときの緊張感、そのバランスを感じ取ることは大切です。
カレーのルーも、カレーの味がしっかりと大半をしめますが
各家庭によって、隠し味として、ソースやインスタントコーヒーなどを使うと思います。
秘伝のレシピを探るのが、アナライズの醍醐味です
解説対象楽曲
解説動画
1. 楽曲の構成について
2. キー(調性)について(当記事となります)
3. コード進行について
4. ベースラインに着目する
5. 裏コードについて
6. ベースライン・クリシェ
7. ペダルポイント
8. ピカルディ終止
キー(調性)の判定
キーの判定方法は、これまでの記事にもあるように、いろんなケースが考えられます。
メロディーに着目して、メロディーを構成している音名を拾っていくというのが、シンプルです。
16小節のメロディーの音をすべて抜き出してみると、すべて白い鍵盤のみということがわかります。
つまり「Cメジャー」か「Aマイナー」のキーである可能性が高いことがわかります。
およそ特定のキーが想定できたら、あらゆる角度から正しいか検証してみます。
曲のポイントとなる場所のコード(和音)をみます。
フレーズのつなぎ目になるコードあたりがポイントです。
基本的に分散和音(アルペジオ)で構成されていますので、ひとつずつ拾ってみると
ここでは【A】フレーズの最後のコードが「E7」であることがわかります。
(ちなみに小節全体ではE7(9)となるでしょうか)
E7のコードが使われるキーは、Aマイナーです。
(ハーモニックマイナー(和声短音階)上に構成されるドミナントであることに着目しましょう)
念のために、曲冒頭のコードも調べてみると「Am」であることから、
キーは「Aマイナー」であることが、ほぼ濃厚です。
次回は、コード進行について解説いたします。
このような記事も読まれています
記事の担当 侘美 秀俊/Hidetoshi Takumi
武蔵野音楽大学卒業、映画/ドラマのサウンドトラック制作を中心に、数多くの音楽書を執筆。
オーケストレーションや、管弦楽器のアンサンブル作品も多い。初心者にやさしい「リズム早見表」がSNSで話題に。
北海道作曲家協会 理事/日本作曲家協議会 会員/大阪音楽大学ミュージッククリエーション専攻 特任准教授。
近年では、テレビ東京系列ドラマ「捨ててよ、安達さん。」「シジュウカラ」の音楽を担当するなど多方面で活躍中。
☟☟著書/作品は下記リンクから☟☟