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目次

XLN Audio XO の使い方 ① キットサウンドを選出するスペースの概要

Author: sleepfreaks

宇宙に散りばめられたサンプルを旅する



XLN Audio XO

ここではXLN Audio社よりリリースされたエレクトロビート構築音源「XO」を解説していきます。

当製品のコンセプトは「宇宙」です。
「広大な宇宙に散りばめられたサウンドからリズムキットを作成」していくという非常にユニークなサンプル検索が採用されており、目的のキットに素早く辿り着けるように設計されています。

また、ご自身のワンショットサンプルをこの宇宙に追加して、サウンドライブラリとして使用することも可能です。

EDIT

この宇宙に目が奪われてしまいますが、各キットのブラッシュアップや、パターンの作成機能もかなり作り込まれています。
どうしても細かなエディットに時間がかかってしまう、エレクトロビート作成の時短に大きく貢献してくれるでしょう。

第1回目はキットサウンドの選出や宇宙(SPACE)について確認していきましょう。

XLN Audio XO の使い方

  1. 1キットサウンドを選出するスペースの概要
  2. 2シーケンスを使用した画期的なビート構築
  3. 3効率的にイメージに近づける各キットのサウンドエディット
  4. 4エフェクトやDAWへのエクスポート・パラアウト設定
  5. XLN Audio製品のインストール・アクティベート

サウンドプリセットの活用

SoundPreset

「XO」にはキットの組み合わせと、パターンが収録された優秀なプリセットが備わっています。
上のプリセット名をクリックし、ウィンドウから目的のプリセットを視聴することが可能です。

Playing Mode-1

プリセットの視聴をDAWのテンポに合わせるには、上部の「メトロノーム」アイコンを点灯させます。
その右の「DAWプレイ」ボタンを点灯させると、DAWの再生停止にXOの演奏も追従します。(この際は必ずDAWのテンポに同期します)

Sound Select

選択したプリセットのサウンド傾向に近い、キットが右下に表示されます。
クリックして様々な組み合わせを確認してみましょう。

SPACEウィンドウのコントロール

SPACE XO

ここからSPACEウィンドウを使用して、サンプルの選出を行っていきますが、その前にXOの基本概要を確認しておきます。

Kit

XOは最大で8つのキットを登録・演奏できます。
各キットへMIDIノートも割り当てられているため、通常のドラム音源のようにMIDI打ち込みにも対応しています。

MIDI OFF

この時の注意点として、上記で解説したDAWプレイは解除しておく必要があります。
XO内のパターンとMIDIで打ち込まれたパターンが同時に鳴ってしまうためです。

各サンプルの視聴と取り込み

Sample XO

キットごとにカラー分けされている星をクリックして、サンプルを視聴できます。
無造作に散りばめられているように感じますが、配列には法則があります。

  • 左に向かうほどピッチが低く、右に向かうほど高くなる
  • 上に向かうほどサウンドが短く、下に向かうほど長くなる

この点を把握しておくと、目的のサンプルが見つけやすくなります。

Similarity

選択したサンプルに合わせ「Similarity」の内容が変化します。
これは、選択されているサンプルの傾向に近いサウンドを持つ、サンプルを選出してくれる機能です。

Similarityに表示されているサンプルをクリックしてサウンドを視聴できるほか、

Similarity XO

選出されたサンプルを基準として、新たにSimilarityを組んでいくことができるため便利です。

Import

各キットのラベルをクリックすることで、現在選択しているサンプルをキットへ読み込むことができます。

Audio Import

またサンプルを

  • Mac : Option + ドラッグ
  • Windows : Alt + ドラッグ

することで、DAWのオーディオトラックへ一発でインポートすることも可能です。
サウンドSEなど、曲中で一発だけ使用したいというサウンドに便利です。

SPACEのズームイン/アウト

Zoom

サンプルを選択する中で、ズームの拡大や縮小を行いたいということも多いと思います。
マウスホイールで拡大/縮小を行うことが可能なほか、右下の「+/-」からも同様の操作を行えます。

また、右クリックをしながらSPACE上をドラッグすることで、現在のズームを保ったままSPACEを移動できます。

サンプルのお気に入り登録

お気に入り XO

膨大なサンプルを視聴していく中で、「別の曲で使用したい」「とりあえずキープしておきたい」という場面もあります。
そのような場合、「Favorites」もしくは「Shortlist」機能を使用すると便利です。

  • Favorites : ハートアイコンをクリックしてサンプルをお気に入りに登録します。
    後に解説するサーチ機能で検索が可能になり、他楽曲でも登録結果が残ります。
  • Shortlist : 右のリストにサンプルを登録します。クリックで素早くサンプルを選択できます。
    登録したXOのみで使用可能なため、楽曲、ソフト間の引き継ぎは行えません。

これらを上手く使い分けてサンプルを管理していくということがXOの使いこなしポイントとなるでしょう。

オリジナルサンプルの登録

SPACE上にオリジナルサンプルを登録し、拡張を行うことができます。

Folder

上部のフォルダアイコンをクリックします。
「+フォルダ」をクリックして追加サンプルのフォルダを指定するか、目的のフォルダをこの部分にドラッグ&ドロップします。

このフォルダは複数追加することができます。
そのため、様々な場所のサンプルを一括してXOで管理できます。

Scan & Refresh

サンプルの場所を確認し、「Scan & Refresh」をクリックします。
これでサンプルの読み込みと解析が始まります。

Status

「Status」のチェックを確認して「DONE」を押します。
これでSPACEにオリジナル音源が登録されました。

自動的にサンプルを解析し「Kick」「Snare」「Hihat」などに分類してくれます。

サンプルの絞り込み/検索機能

サーチ機能

膨大なサンプルから目的のサウンドを探すための検索機能も搭載しています。

上のサーチ/フィルターアイコンをクリックします。

検索種類-1

このように様々な条件から複合検索を行えます。
検索の対象から外れたサンプルはSPACE上で消灯します。


いかがでしたでしょうか?
宇宙というユニークなコンセプトで他ソフトにはない実用的な機能が満載です。
サンプルの出音も優れており、幅広いジャンルで活躍するのではないかと感じました。

次回は選択したキットを使用して、ビート構築機能を解説していきます!



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