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【DTM】ギター音源 2021年ランキング ベスト5 DTMer 2469名が回答!


ギター音源をエレキ/アコギに分けて確認

DTMer7526人に聞いたアンケートシリーズ
ここではサードパーティ製の「ギター音源ランキングベスト 5」を発表していきます。

今回は特性が異なるエレキギターとアコギを分けて解説を行いますので、ぜひ最後までお楽しみください!

ギターランキング対象

サードパーティのギター音源を使用されている方は7526名中2469名となりました。
少なく感じるかもしれませんが、ギターをご自身で演奏されたり、知り合いのミュージシャンに依頼するというケースも多いのではないかと予想しています。

これを踏まえてギターランキングベスト5を確認していきましょう。

人気のギター音源ランキングとエレキ音源比較

アコギ音源比較

人気ギターランキング

※複数のギター音源をお使いの場合、最も気に入っている製品を1つご回答いただいています。
※アンケートは「メーカー名」や「音源シリーズ名」でのご回答が多かったため、当ランキングは人気音源シリーズとして集計を行いました。

5位 Prominyギターシリーズ : 142名 32,890円〜42,790円

Prominy

  • プロ : 40名 (28%)
  • アマ : 102名 (72%)

札幌に本社を構えるプロミニー社によるギター音源。
価格は少し高めとなっていますが、大容量サンプルを活かした「きめ細やかなサウンド」「豊富な演奏ニュアンス」は最強クラスのサウンドクオリティを誇ります。
MIDI打ち込みによる演奏コントロールのバリエーションも豊富です。

4位 Vir2 Electri6ity : 161名 €399.95

Electri6ity

  • プロ : 137名 (85%)
  • アマ : 24名 (15%)

ハードロックやメタルなどヘビーなギターにも対応するエレキ音源。
製品のリリースから時間が経過しているため、打ち込みに時間がかかってしまう場面もありますが、サウンドは最新の音源にも引けを取らず、非常に細かく打ち込みやエディットを行うことができる点が特徴です。

3位 Native Instruments Session Guitaristシリーズ : 190名 13,440円

Native_Instruments_Session_Guitarist

  • プロ : 34名 (18%)
  • アマ : 156名 (82%)

製品URL : https://shrsl.com/3nx1m

他音源とはタイプが異なり、用意された演奏パターンを主軸として使用していく製品です。
楽曲中の演奏は内蔵パターンに依存する部分が多くなりますが、その分、非常に安定したサウンドと演奏クオリティを得ることができます。
パターンを選んで演奏させるという特徴上ギターの知識を必要としないため、初心者の方にもお勧めできる製品です。

2位 MusicLab RealGuitarシリーズ : 191名 $139〜$199

RealGuitar5

  • プロ : 44名 (23%)
  • アマ : 147名 (77%)

ギター音源の走りとも言えるRealGuitarシリーズが2位にランクイン。
豊富なコードやアルペジオなどの演奏パターンはもちろん、単音系のフレーズにも対応し、奏法のバリエーションも広いという点が特徴です。
サウンドライブラリ容量が他音源と比較して少ないため、サウンドのリアリティは今ひとつというところが少し残念でしたが、製品価格も抑えられていて手が出しやすい製品です。

製品URL : https://bit.ly/3FbH1LC

1位 Ample Sound Ampleギターシリーズ : 439名 $119〜$169

Ample_Sound

  • プロ : 65名 (15%)
  • アマ : 374名 (85%)

堂々の1位となったAmpleギターシリーズ。
快適なパターンやフレーズエディットに加え、しっかりとギター奏法も再現することができるというバランスの良さが素晴らしいです。
価格も手が出しやすく、動作も非常に安定していました。
インターフェイスにも細かな気配りが感じられるため、ギターを経験されたことがない方や、DTM初心者も安心して使用することができると感じました。

製品URL : https://bit.ly/3Fcv9Jh

6位〜10位のランキング

今回は製品シリーズごとのランキングとなりましたので、6位〜10位も集計しました。
下記のような結果となっています。

アンプシミュレーター ランキング

音源名ではなく、アンプシミュレーターをご記載くださった方も多くいらっしゃいました。
音源名をご記入くださった方が対象から外れますので、正確なランキングではありませんが記載いたします。

  • SOZOM

エレキ音源のサウンド比較

まずはエレキ音源のサウンドを確認していきます。

ギターの打ち込みは、楽器構造・奏法が多岐に渡るという点から他楽器よりも打ち込みが難しく、多くの時間が必要になるという傾向にあります。

簡単なシンプルな打ち込みから、どのくらいギターサウンドを再現してくれるか?ということもギター音源の性能と言えますので、この点も要注目です。

ここでは生ギターの演奏をギタリストの「鈴木 健治」さんに演奏を依頼しました。

鈴木 健治 / Kenji Suzuki

ギタリスト、ギターサウンドデザイナー

Erykah Badu,宇多田ヒカル,SMAP,V6,MISIA,BoA,EXILE,倖田來未,安室奈美恵,坂本 真綾,ケツメイシ,島谷ひとみ 他沢山のアーティストの作品やライブ等に参加。
エフェクターのサウンドプロデュースや FinalGuitar(iOS app)のサウンドプロデュース。

使用DAWはLogic Pro X, Cubase Pro, Studio One。
Line6 Japanの公式サイトにて、「鈴木健治のギターレコーディングマスタークラス」連載。
ZOOM社マルチエフェクターのファクトリープリセット作成。
Media Integrationサイトにて「鈴木健治のBIASシリーズを使いこなそう」連載。
DVD鈴木健治直伝! ギター宅録メソッド ~ギターレコーディング匠の技とEDIT法~発売。
Ovaltoneのディストーションペダル、OD-Five 2 Extreme, KS-1のサウンドプロデュース。
近年はBGM向けインスト楽曲も多数制作。


※5位のProminyギターシリーズは諸事情により、下記のアコギにて比較と解説を行います。

※各音源はストラトキャスターのライブラリを使用し、フロントピックアップのサウンドです。
(NI Session Guitaristについてはテレキャスターのライブラリ”Electric Vintage”を使用しています。)

生エレキギター バッキング
4位 Vir2 Electri6ity
3位 Native Instruments Session Guitaristシリーズ
2位 MusicLab RealGuitarシリーズ
1位 Ample Sound Ampleギターシリーズ

コード演奏時の機能比較

まずはギターパートで必要不可欠なコード入力機能の比較から。

03.エレキコード・和音奏法&機能

Ample Guitar

○用意されたストラムノートを入力するだけでコードが再現可能。

○ストローク速度やランダマイズを適用できるため、簡単に人間味を与えることができる。

△コード演奏時のスライドはキースイッチで行えるが、フレット範囲の指定は行えない。
手間はかかるがソロモードで個別に入力する必要がある。

△生楽器演奏と比べるとリアリティに欠ける印象。
タイミング、ピッチ、ダイナミクスなど細かな追い込みが必要。

Real Strat

○モジュレーションホイールでコードスライドが可能。

△ヒューマナイズが豊富だっため、設定を行ったがサウンドは上記のAmple Soundよりも単調に思えました。
これは音源のサンプル容量が低いことに起因すると推測されます。

Electri6ity

○コード入力機能はないが、和音を入力すると自動でギターボイシングに最適化されたコードが演奏される。

○サウンドクオリティは非常に自然で高い。

△意図した和音構成を演奏させるには、ギター固有のボイシングを打ったり、CCからフレットポジションの指定が必要になるた操作自体の難易度が高く感じられた。

×オリジナルのコードを登録する機能がない。

Session Guitarist Electric Vintage

○希望の演奏パターンを選択してコードを入力するだけで演奏が可能。コントロール自体は容易のため初心者にも向いている。

○フレーズに含まれる内容は人間味あふれる演奏でリアリティが高かった。

○演奏タイミングのヒューマナイズ、ピッチ揺れなども微調整できる。

×演奏はパターンに依存するため、シンコペーションや細かなリズムの指定が行えない。

単音演奏時の比較

次に単音演奏の比較に移ります。
各サウンドはこのような形です。

生エレキギター 単音演奏
4位 Vir2 Electri6ity
3位 Native Instruments Session Guitaristシリーズ
2位 MusicLab RealGuitarシリーズ
1位 Ample Sound Ampleギターシリーズ

02.エレキシングルノートの奏法

楽曲内ではミュート、ハンマリング、スライドなど基本的なアーティキュレーションを使用しましたが、全音源で大きな差は感じませんでした。

ただし、Session Guitaristはフレットボードに沿ってギターの特性を再現する機能がなく、フレーズによって生のギターでは演奏できない不自然な和音が鳴ってしまうことがありました。

04.エレキサウンドバリエーション

サウンドバリエーションはこのような形です。

アコギ音源の比較

エレキギター音源と比較し、ポップスなどの伴奏ではアーティキュレーション表現は少なくなる傾向にあるため、打ち込みも行いやすいでしょう。

まずはコード演奏時のサウンドを確認していきます。

生アコースティックギター
5位 Prominy Humming Bird
3位 Native Instruments Session Guitaristシリーズ
2位 MusicLab RealGuitarシリーズ
1位 Ample Sound Ampleギターシリーズ

03.アコギコード・和音奏法&機能

Ample Guitar

○エレキと同様に、キーノートを入力するだけでギターボイシングを再現可能です。

○アップ・ダウンストロークや、アルペジオで使用する単音演奏、パターン機能も備わっており万能という印象です。

△サウンドは弦のビビり・フレットノイズといった要素がなく、物足りなさを感じました。

Real Guitar

○指定した和音をギターボイシングに置き換えて演奏してくれます。

○4段階のフレットポジション指定に加え、これらを入力ノートの高さに追従させることも可能です。

○オリジナルのコードを登録することも可能です。

○右手はアップ・ダウンストローク、単音演奏も行え奏法カバー範囲も広いです。

△サウンドは立ち上がりが鋭く、クッキリとした印象ですが、サンプル容量が少ないため同音連打の際に機械っぽさを感じるとことが惜しいです。

Humming Bird

上記2製品と異なり、コードルートを指定した後、コードタイプをキースイッチから選択する仕様です。

○ユーザーコードとしてオリジナルコードの登録も行えます。

○当製品もアップ・ダウンストローク、単音演奏も可能です。

○ストロークタイプが複数用意されています。

○サウンドは様々なコードサンプルが収録されているため、弦同士の共鳴や、和音で演奏された際の響きがリアルです。

△サンプルはピック弾きのみです。

Session Guitarist

○あらかじめ収録されている演奏パターンを使用するタイプです。

○コードボイシングがプリセットごとに異なり、任意のコード演奏が行えます。(As Played)

△フレットボード指定の概念がないためコードボイシングを細かく指定できません。

△リズムパターンのエディットが行えません。(収録されているパターンを使用する)

○選択するパターンは生演奏のループが元になっており、サウンドは今回の音源の中で最もリアルに感じました。

アルペジオ演奏時の比較

次にアルペジオフレーズとハンマリング奏法が含まれたパターンを確認していきます。

生アコースティックギター アルペジオ
5位 Humming Bird
3位 Native Instruments Session Guitaristシリーズ
2位 MusicLab RealGuitarシリーズ
1位 Ample Sound Ampleギターシリーズ

上記で確認しましたコード演奏よりも自然に聴こえます。

02.アコギシングルノートの奏法

04.アコギサウンドバリエーション

Ample Guitar

○何も考えずにMIDIノートを入力しても無理のないギター演奏(フレットポジション)に置き換えて演奏してくれます。

△ハンマリングを行う際には演奏される弦の指定を行う必要がありました。

Real Guitar

○Ample Guitarと同様に演奏させたMIDIノートを無理のないギター演奏(フレットポジション)に置き換えて演奏してくれます。

○ハンマリングなどの奏法がモジュレーションホイールにアサインして使用できます。

△強弱表現が弱く単調なサウンドに感じました。

Humming Bird

○こちらもMIDIノートを無理のないギター演奏(フレットポジション)に置き換えて演奏してくれます。

○とてもリアルで、サウンドクオリティも高いと感じました。
特にフレットノイズが印象的です。

△ピック弾きしか収録されていない点が惜しいです。

Session Guitarist

○アルペジオパターンを使用することで、とても簡単に打ち込みが行えました。

△その反面、アルペジオパターンをオリジナルのラインにエディットすることはできませんでした。

△Picked Acoustic以外のライブラリは、単音演奏に対応していないため、購入時に注意が必要です。

○サウンドはとてもリアルでしっかりと抑揚も感じました。

各製品の総評と感想

いかがでしたでしょうか。
これらの結果を考慮した感想を下記にまとめます。

Ample Sound

UIが優れており、使いやすさ、機能、価格のバランスが取れている。
これが売れている一番の理由なのではないかと感じました。
追加でその他ライブラリを購入した際にも、同様の操作感で使用できるという点も嬉しいです。

Real Guitar

操作性はAmple Soundと近い印象で、操作性や習熟に必要な時間も少なくて済むでしょう。
ギターの奏法やヒューマナイズ機能も最も充実しています。
ただ、収録されているサンプル容量の少なさから表現力を含めたサウンドクオリティに物足りなさを感じました。

Electri6ity

様々なエレキギターモデルの音源が含まれているため、お得感があります。
パラメーターが多く、GUIが古いため決して使いやすいとは言えませんが、細かな演奏表現が行えるため、多少時間をかけてでもサウンドクオリティのギターを打ち込みたいという方に向いています。

Session Guitarist

簡単操作で非常にリアルなサウンドを得ることができるため、細かな演奏パターンを追求しない場合はとてもお勧めです。
ギターやDTM初心者の方にも向いていると感じました。
ただし、パターンエディットが弱いため、シンコペーションやキメが多い楽曲には不向きです。

以上となります。

ぜひ、ギター音源導入時のご参考にしていただけますと幸いです。
次回はピアノ音源のランキングへ進んでいきます。お楽しみに!!