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マキシマイザー Maximizer DTM用語集・辞典

L3

DAWなどの作曲ソフトでは、楽曲全体の音量が「0db」を超えることで、デジタルクリップが発生し、音が割れるなど、音質が著しく低下してしまう。

これを回避するために使用されるプラグインがリミッターとなっており、音量を圧縮・低減して必ず指定した音量に抑えるという特性がある。

音圧の仕組みと上げ方

3分04秒からの解説となります

limiter

この際、指定音量を「0db」に設定することで、本来ならクリップしてしまうサウンドを回避することができる。
通常は全トラックが集約されるマスタートラックに適用する。

上記画像のように赤矢印で示された部分が圧縮対象となる。
この原理を使用することで、楽曲全体の音圧を上げることも可能で、この音圧上げに特化したプラグインが「マキシマイザー」となる。

指定した値(0db)まで音量を抑え込むという点はどちらも共通しているが、リミッターはクリップ(音割れ)を防ぐために使用するという用途に対し、マキシマイザーは音圧を上げることを目的として設計されていることが多い。

音圧上げの考え方は下記となっている。

マキシマイザー解説動画



limter-2

まず上記のように「0db」を超える音量は低減される。

limter-3

これを利用し、あえて全体ボリュームを持ち上げる。
同じく「0db」を超える音量は低減され「0db」を超えることはないが、全体の音量が底上げされてサウンドの小さい部分が「0db」に近づくことが確認できる。

結果、全体のボリュームが大きくなり音圧が上がった状態となる。

l3

全体を持ち上げるパラメーターは「スレッショルド_Threshold」と記載されているモデルが多く、この値を下げていくことで、全体ボリュームを持ち上げることができる。

この際の注意点は、全体ボリュームを上げすぎることで、無理矢理「0db」に低減されるサウンドが多くなり、不自然な仕上がりになってしまうということ。

l3-1

どのくらいサウンドが低減されているのか?を確認できるメーター「ゲインリダクション_Gain Reduction」を見ながら「-3db〜-5db」を目安に調整してみると良い結果となりやすい。
また、音圧を計測するメーターとして「RMS」や「ラウドネス」という規格も存在する。

RMS解説動画

楽曲を使用して、実践的な音圧調整を行なっています。
使用DAWはCubaseですが、RMSの考え方はDAWを問わず共通となります。

L3解説動画

音圧の上がり方は、マキシマイザーの性能により大きく異なる。
このモデルとして有名なものに「Waves」の「L3」がある。