広告

Sleepfreaks
音程処理 音楽理論 音楽機材・ソフト紹介 音圧・音量 音像処理 空間処理 波形処理 歪み・サチュレーター 機材設定 機材 書き出し・読み込み・変換 打ち込みテクニック 打ち込み 基本編集 周波数 便利操作・作業効率化 作詞のメソッド 作業環境 低音処理 レコーディング リミッター・マキシマイザー リバーブ リハーモナイズ リズム楽器 リズム処理 リズム モニタリング ミックスが上手くなるTIPS ミキサー・ミキシング マルチ音源 マスタリング ポップス ボーカロイド ボーカル ボリューム処理(コンプレッサー) ベース ベル ヘッドホン ブレイクビーツ ブラス ファイル管理 ピアノ・Key ビンテージ ヒット曲の分析 パッド バージョン新機能解説 バンドサウンドを創るには バッキング ハード機器 ハードウェア操作 ドラム・打楽器 ドラム ドラゴンクエスト トリガー トランジェント ディレイ ディエッサー テンポ処理 テストタグネーム ソフトシンセ ストリングス ステレオイメージャー シンセレシピ シンセサイザー サンプリング サンプラー サウンド入出力 サウンド入出 コンプレッサー ゲーム音楽 ゲート グリッチ ギター ギタリストのためのAbleton Live キック カットアップ オートメーション オーディオ操作 オーディオ処理 オーディオインターフェイス エフェクト処理 エフェクト インストール/製品登録 イコライザー アナライザー いきものがかり Zynaptiq YouTube生配信 XLN Audio
トップページ > ヒット曲の分析 > いきものがかり「ありがとう」コードアナライズ_3 ノン・ダイアトニックコード
目次を見る
Sleepfreaks監修のDTM向けPC

いきものがかり「ありがとう」コードアナライズ_3 ノン・ダイアトニックコード

ノン・ダイアトニックコードと強進行に注目する

いきものがかりの「ありがとう」のコードアナライズ第3弾です。
今回は、「ノン・ダイアトニックコード」と「ベースの強進行」にスポットを当ててみたいと思います。

解説対象楽曲

jasrac 2

解説動画

1_キーの判別方法
2_コード進行
3_ノン・ダイアトニックコードについて(当記事となります)
4_ツー・ファイブについて
5_ピボット・コード
6_ダブルドミナントとサブドミナントマイナー
7_分数コード(オン・コード)について

セカンダリー・ドミナント(副次ドミナント)とは何か?

セカンダリードミナント

ノン・ダイアトニックコード(借り物コード)が現れたら、
次に繋がるコードとの関係性を調べてみましょう。

Aマイナースケールのダイアトニックコード

ここでは、E7(E/Bも同一と考えます)→ Am7ですので、
Am7がトニック(主和音)となるスケール、Aマイナースケールのダイアトニックコードを考えてみます。

「A ナチュラル・マイナースケール」
A ナチュラルマイナースケール

「A ハーモニック・マイナースケール」
A ハーモニックマイナースケール

マイナースケールは、用途により変身していきます。
コードを考える時には、スケールの7番目の音を半音高く変化させた、
ハーモニック・マイナー(和声短音階)スケールを用いることがあります。
Aマイナー・ハーモニックマイナースケールですと、GがG#となります。

Aマイナー・ハーモニックマイナースケール 4和音のコード

ここで、一番重要なのは、5番目つまり「ドミナント」コードが変化することが、ポイントです。
(ちなみにドミナント以外のGを含むコードも、G#を用いることもありますが、必ずしもとは限りません)

つまり、E/B→E7→Am7だけを考えると、
Aマイナーのキーの「V(ドミナント)」から「I(トニック)」のコードの進行になっています。
ここで、Aマイナーのキーに転調したとも言えるのですが、
ただ一瞬だけですので、転調というには大げさなので、
一時的にAマイナーのキーから和音を借りてきたと言った方がふさわしいでしょう。

このような、関係性の深いキーから一時的に借りてきたドミナントの和音を「セカンダリー・ドミナント」と呼ばれます。

「セカンダリー・ドミナント」についての、より詳しい解説は、リハーモナイズ講座の方にありますので、そちらも参照ください。

「セカンダリー・ドミナント」について

ベースの強進行に着目しよう

強進行

E/B→E7は、コードとしてはどちらも「E」ですが、E/Bは、ベース音を「B」にするという意味です。
同じコードが続くところも、転回させてベース音を変えているのがポイントです。

強進行_2

ドミナントの和音から、トニックの和音に進行する場合、
ベース音は「4度上行(あるいは5度下行)」します。
コード進行の中でも、特にパワフルなベース音の進行で「強進行」とされています。

強進行_3

ここでは、「E/B」という転回型を使ってベースにBをもってくることで、B→E→Aとなり、
4度の強進行が2回続くので、よりAm7に辿り着いたときに、強烈な達成感を感じます。
冒頭のCからBが、半音下降で緩やかな進行で、
その後の2段階の強進行なので、そのコントラストが際立っています。

記事の担当 侘美 秀俊/Hidetoshi Takumi

武蔵野音楽大学卒業、映画/ドラマのサウンドトラック制作を中心に、数多くの音楽書を執筆。
オーケストレーションや、管弦楽器のアンサンブル作品も多い。初心者にやさしい「リズム早見表」がSNSで話題に。

北海道作曲家協会 理事/日本作曲家協議会 会員/大阪音楽大学ミュージッククリエーション専攻 特任准教授。

近年では、テレビ東京系列ドラマ「捨ててよ、安達さん。」「シジュウカラ」の音楽を担当するなど多方面で活躍中。

☟☟著書/作品は下記リンクから☟☟

講師のプロフィールを読む