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Returnトラックの有効活用 Ableton Live Tips

Returnトラックを使って明瞭なサウンドを得る

リードシンセ等に空間系エフェクトをかける際、
普通に適用すると輪郭がボヤける場合があります。

今回はAbleton LiveのReturnトラックを活用し、
より明瞭なサウンドを得る方法を解説していきます。

「Ableton Live Tips」Returnトラックの有効活用


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インサートとReturnトラックの違い

Delay_to_Reverb

トラックに空間系エフェクトを適用する際、直接ディレイやリバーブをインサートすると
Dry(元音)/Wet(エフェクト音)の設定比率でブレンドされるため、
結果として元の音が小さくなってしまいます。
音の流れ(ルーティング)で示すと、下の図のような形です。

Insert_Rooting

これを避けたい場合は、Returnトラックを活用すれば、
元音の音量を変えることなく、リバーブやディレイ効果を足していくことができます

Return_Rooting

Returnトラックの使用方法

今回のサンプルでエフェクトを適用するのは、「Melo 2」というトラックです。

Melo_Send

ボリュームの下に「-inf」と書かれたフェーダーが2つあります。
左がAのReturn(リバーブ)、右がBのReturn(ディレイ)
に送るセンドとして設定しています。
まずディレイをかけたいので、右のBをドラッグして-13db程度とします。

次にディレイのReturnトラックに移ります。
ディレイからReturn Aのリバーブに送りたいので、左のセンドAを動かします。
こちらは-17dbくらいにしてみましょう。

Delay_Send1

ただ、今回はオレンジ色のインジケーターが出てきません。
これはまだセンドが有効になっていないことを示しています。

有効にするには右クリックし、表示されたメニューから、
「全てのセンドを有効にする」を選択します。

Delay_Send2

これでオレンジ色に表示が変わり、センドが有効となります。

Delay_Send3

以上の設定を行って、直接インサートした場合と、Returnトラックを使った場合とを
比べてみてください。

やはり、リード等の目立たせたいトラックでは、Returnトラックを使ったほうが明瞭ですよね。
逆に輪郭をぼやかしたい、音を奥に配置したい場合は、直挿しにすると良い、とも言えます。

ぜひ使い分けながらミックスのクオリティアップを図ってみて下さい。

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