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Steinberg 最新鋭のオーケストラ音源 Iconica Sections & Players 使い方 レビュー

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Author: sleepfreaks

Steinberg Iconicaの特徴を最速レビュー

Iconica Sections & Players

Steinberg社からハイクオリティの大容量オーケストラ音源「Iconica Sections & Players」がリリースされました。
ベルリンの名門スタジオ、ファンクハウスにて総勢76名による演奏を1ヶ月以上もかけて丁寧に収録されたサンプル容量は、なんと150GBを超えています。

各楽器の奏法も非常に充実しているため、打ち込みテクニックを必要とせず、すぐにハイクオリティなサウンドを実現できます。
クラシックや映像音楽はもとより、ジャンルを超えて幅広く活躍する、総合オーケストラ音源といえるでしょう。

まずはIconicaを使用して作成されたサウンドをご視聴ください。

製品サイト: https://japan.steinberg.net/jp/products/vst/iconica/sections_and_players.html

当記事では製品の特徴や機能をご紹介していきます。

豊富なアーティキュレーション

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サンプリング音源による弦楽器などでは従来、音と音の間を滑らかに演奏するレガート奏法のニュアンスが特に再現しにくいものでしたが、Iconica Sections & Playersでは、よりリアルに聴かせるための「Adaptive True Legato technology」を搭載。

テンポの速さによって、レガートのニュアンスを自動で調整してくれるので、自然なフレージングが可能になっています。

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アーティキュレーションや奏法など、各楽器に対して表現が豊富に用意されています。
これらはCellというマスで管理されており、横に最大8種類・縦に2列で計16種類のアーティキュレーションや奏法を、フレーズ内で切り替え・変化・ブレンドすることができます。

そして、Cellに登録されたアーティキュレーションは、MIDIコントローラーを使用して選択可能です。

これにより、1つのトラックの内で複数の奏法を柔軟に切り替えることができるため、トラックが煩雑にならず、CPUパワーを抑えた効率的に打ち込みが実現します。
また、コントロールパラメーターに慣れてしまえば、リアルタイムの演奏もいけてしまうのではないでしょうか?

上の画面の設定では、横のCellはKey Switch、縦のCellはDamper Pedal(Sustain Pedal)を使って切り替えることができます。

例えば「Tremolo」に切り替えたい場合、MIDIノートのD#0で「Fortepiano」と「Tremolo」の列へ切り替え、Damper Pedal(Sustain Pedal)を踏み込むことで「Tremoro」が選択されます。

ちなみに、縦の同列Cellの動作の振る舞いには「Fade」「Switch」「Layer」があり、例えばLayerに設定すると、同じ列に設定した2種類のアーティキュレーションを重ねて鳴らすことも可能です。

これら自由度の高さが上記でお聴きいただいた豊かなサウンドに繋がっているという訳です。
各楽器のアーティキュレーションリストはこちらよりご確認いただけます。

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さらに、Cubase上の打ち込みで欠かすことができない便利機能VSTエクスプレッションにも対応しているため、アーティキュレーションとキースイッチの割り当てをキーエディターのコントローラーレーンで変更できます。

アーティキュレーションの把握といった視覚性や、作業の効率も圧倒的に高まりますね。

自然なサウンドを実現するラウンドロビン機能を搭載

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アーティキュレーションによっては、ラウンドロビン機能が働くように設計されています。

このラウンドロビンは、複数のサンプルを交互に入れ替えて再生する形式です。同一音色を何度も繰り返し演奏した時に感じる、打ち込みならではの機械っぽさを回避することができるため、特別な打ち込みテクニックを必要とせず、簡単に自然な演奏感を得ることができます。

連続したノートに変化を付けるというフォロー作業が必要なくなり、実サウンドも優れているため非常にありがたい機能ですね。

楽器サンプルの特徴とサウンド

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用意されているサウンドライブラリですが、木管楽器の場合三管編成のオーケストラを想定した音色が用意されており、それぞれの楽器で、1st(1番奏者)と2nd(2番奏者)の2つの個別パート、3rd(3番奏者)にあたる持ち替え管(派生楽器)が選択できます。

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金管楽器には、通常オーケストラでは定席でないユーフォニアムのサンプルも収録されており、マーチや吹奏楽にも対応できるという素晴らしい配慮がされています。

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ハープのグリッサンドのライブラリは曲のキー(調性)ごとに用意されており、サウンドを読み込むことで、ダイアトニックコードに対応したグリッサンドが7パターンとペンタトニックスケールのグリッサンドがCellに割り当てられます。

作曲・編曲家視点の、とても実用的なセッティングで好感がもてます。

チューニングとマイキング

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ややマニアックですが音律も変更できます。純正律にこだわったり、バロック以前や古典音律など、ある時代背景の曲を再現したりすることも可能です。
お仕事でチューニングの指定があった場合にも、簡単に対応できるという点も素晴らしいです。

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ミキサーウィンドウからは、サンプル収録のマイキングの選択が可能です。

マイキングとは、楽器を録音する際に使用するマイクをどのようにセッティングするか?ということで、同じ演奏をしていたとしても、サウンドの質感が大きく変わってきます。

当製品では収録マイクの位置選択、アンビエントなどの部屋鳴りも含めて、個々の楽器のサウンドを好みやバランスに合わせて簡単に調整することができます。
求めているサウンド、ジャンル、世界観に合わせてサウンドメイキングを行ってみてください。

最後に

以上が、Iconica Sections & Playersを使用してみてのファーストインプレッションレビューとなります。
手っ取り早く高品質のシンフォニックサウンドにすることもできますし、じっくり腰を据えて各パラメータをエディットすることで、どこまででも好みや納得がいくようにサウンド調整ができる可能性も秘めていると感じました。

現状のオーケストラサウンドに納得がいかない、もっと上を目指したいという方に是非お試しいただきたい製品ですので、チェックしてみてはいかがでしょうか?

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Iconica Sections & Players

製品のご購入 : https://japan.steinberg.net/jp/products/vst/iconica/sections_and_players.html

記事の担当 侘美 秀俊/Hidetoshi Takumi

武蔵野音楽大学卒業、映画/ドラマのサウンドトラック制作を中心に、数多くの音楽書を執筆。
オーケストレーションや、管弦楽器のアンサンブル作品も多い。初心者にやさしい「リズム早見表」がSNSで話題に。

北海道作曲家協会 理事/日本作曲家協議会 会員/大阪音楽大学ミュージッククリエーション専攻 特任准教授。

近年では、テレビ東京系列ドラマ「捨ててよ、安達さん。」「シジュウカラ」の音楽を担当するなど多方面で活躍中。

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