ダイアトニックコードのディグリーネーム置き換え(4和音・メジャー編)/音楽理論講座
4和音のディグリーネーム
3和音に引き続き、今回は4和音のダイアトニックコードについて、ローマ数字(ディグリーネーム)に置き換える方法を学んでいきます。
4和音は音楽制作や解析の際に頻繁に出てくるため、ぜひマスターしましょう。
前回の21回目の内容が理解できていると、今回の内容は非常に簡単に感じられるはずです。
未読の方は、まずそちらから学んでください。
ダイアトニックコードの法則性は3和音と同じ
まず、4和音のメジャー・ダイアトニックコードを一覧してみましょう。
3和音と同様、これらを丸暗記するのは非常に大変です。
しかし、もうお気づきかと思いますが、4和音にも3和音と同様の法則性があります。
- Key=Cメジャー
- Key=Dメジャー
このように、いずれのキーでも
メジャー・セブンス、マイナー・セブンス、マイナー・セブンス、メジャー・セブンス、ドミナント・セブンス、マイナー・セブンス、マイナーセブンス・フラットファイブ
の並びになっていることがお分かりいただけると思います。
DAW上であれば、この法則性を利用して構成音を全て選択し平行移動することで、4和音のダイアトニックコードを簡単に作成することができます。
この法則性に注目し、各スケールの度数をローマ数字に置き換えて覚えましょう。
スケールに沿ってローマ数字を振る
3和音の時と同じように、スケールの始まりの音から順番にローマ数字を振っていきます。
ここからダイアトニックコードを作っていきましょう。
手順は18回目に掲載した通りです。
次に、ローマ数字の隣に各コードの性質を記載していきます。
これで完成です。
このローマ数字の箇所に各メジャースケールの音を当てはめるだけで、メジャーのダイアトニックコード(4和音)を網羅できるということになります。
※ディグリーネームの記述法には、メジャーの横に「△」をつけたり、マイナーは小文字(「ⅲ」等)で示すなど、様々な表記法があります。
本講座では上記の記述で統一します。
ディグリーネームの呼び名
ディグリーネームの呼び名は下記の通りです。
- Imaj7 =ワン・メジャーセブンス
- IIm7 = トゥー・マイナーセブンス
- IIIm7 = スリー・マイナーセブンス
- IVmaj7 = フォー・メジャーセブンス
- V7 = ファイブ・セブンス(ドミナント・セブンス)
- VIm7 = シックス・マイナーセブンス
- VIIm7b5 = セブン・マイナーセブンス・フラットファイブ
ディグリーネームの活用
スケールの置き換えを、Key=Aメジャーで試してみましょう。
ここまでの学習内容を活かせば、非常に簡単ですね。
最後に、ローマ数字ありのメジャーダイアトニックコード(4和音)一覧表を載せておきます。
ぜひ、ご利用ください。
上記の表は下記URLよりダウンロードが可能です。
学習にお役立ていただければ幸いです。
https://sleepfreaks-dtm.com/wordpress/music/Major_Diatonic_Tetrad.zip
まとめ
今回の記事のポイントは下記の通りです。
- 4和音のダイアトニックコードには3和音と同様の法則性があり、各スケールの度数をローマ数字で覚えると便利
- 4和音のダイアトニックコードはどのキーでもスケールに基づいて同じ順序で並び、メジャー・セブンス、マイナー・セブンス、ドミナント・セブンス、マイナー・セブンス・フラットファイブの並びが共通している
- 各スケールの度数をローマ数字に置き換えて覚えることで、キーの違いによらずコードの性質を理解しやすくなる
次回は4和音も交え、ディグリーネームを使った簡単な解析や転調、ノンダイアトニックコードについて取り上げます。
3和音のみの学習よりもさらに理解が深まる実践的な内容ですので、ご期待ください。
記事の担当 伊藤 和馬/Kazuma Itoh
18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。
バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
日本に帰国後は、Pops・アニメソング・アイドルソング・CM・ゲーム・イベントのBGMまで、幅広い作曲・編曲の技術を身につけ作編曲家として活動している。