Logic Pro X 10.4 新機能解説② Studio Hornsとアーティキュレーション機能
優れたサウンドを持った音源と奏法のコントロール
Logic Pro X 10.4 のアップデートにより、新たな音源も追加されました。
それが「Studio Horns」と「Studio Strings」です。
この名前から連想できるように、壮大で広がりがあるオーケストラサウンドではなく、小編成で構成された音像が近いサウンドが特徴となっています。
サウンドも非常にリアルで、ポップス・エレクトロなどのジャンルでも大活躍するでしょう。
また、各音源には生演奏で頻繁に使用される奏法が多数収録されており、これらをMIDIノートごとに切り替えることができます。
このアーティキュレーション指定・切り替えも革命的に進化していますので、ここで併せて解説していきます。
ブラス・ストリングス音源とアーティキュレーション機能
Studio Hornsの使い方
Studio Hornsは通常の音源と同様、「ソフトウェア音源トラック」から立ち上げます。
このようにトランペット、トロンボーン、サックス、これらを総合した音源から楽器を選択します。
「Monophonic」を「ON」にすることでノートが複数重なった場合でも単音で演奏が行われます。
レガートのような滑らかなフレーズを作成する場合に便利です。
拡張パネルの中に備わっている「Legato Transitions」をオンにすることで、更にレガートの演奏を滑らかにすることができます。
楽器から「Section」を選択した場合、
「Auto Voice Split」という項目が表示されます。
これは和音を演奏した際に、自動的に異なる楽器を割り当てる機能となります。
これにより、楽器の人数感を保ったままの演奏が可能になります。
「Split Voicing」は和音に対してのボイシングを指定することができます。
これにより単純なコードから本格的なホーンサウンドを得ることができます。
- 8va : トップノートを1オクターブ上げて演奏します。
- Drop2 : 上から2番目のノートを1オクターブ下げて演奏します。
- Drop2 + 4 : 上から2番目と4番目のノートを1オクターブ下げて演奏します。
「Extended Keyrange」を有効にすることで本来その楽器では演奏不可能な音程も発音されます。
アレンジ上どうしても半音下が必要。などという場合に便利です。
「Allow Unison」を使用することで1つのMIDIノートを複数の楽器で同じノートを演奏します。
サウンドに厚みを与えたい場合に重宝する機能です。
画期的なアーティキュレーション(奏法)割り当て
楽器の演奏法を切り替えるアーティキュレーション機能も大きく進化を遂げています。
インスペクタ部分に「アーティキュレーション」という項目が追加されていますので、そこから現在指定している音源のアーティキュレーションを選択します。
これだけで設定は完了です。
アーティキュレーションを割り当てたいノートを選択し、目的のアーティキュレーションを選択することで、ノート別にアーティキュレーションを割り当てることができます。
同時間上に配置されたノートに対して異なるアーティキュレーションを割り当てることも可能なため、演奏の表現が大きく広がります。
このアーティキュレーション機能はサードパーティー製の音源に合わせてカスタマイズすることができます。
次回はこの部分について解説を進めていきます。