AMPをエンベロープ(ADSR)でコントロールする シンセサイザー 初心者講座
シンセサイザーの音量をコントロールするAMP _ エンベロープ
「フィルター」部分で音色を磨いた後は、「AMP」 にて音量を調整します。
この「音量コントロール」は音の特性を決定する重要な要素です。
同じ音色を使用したとしても全く印象が異なる音作りを行うことができます。
「音量」を変化させる部分のことを「エンベロープ」と呼びます。
今後シンセサイザーをコントロールする上で必須項目となるため
ここでしっかりと確認、覚えてしまってください。
それでは参りましょう。
ADSR解説動画
※1:42秒より解説を行なっています
エンベロープのコントロール
この赤囲み部分が「エンベロープ」です。
「A」「D」「S」「R」と記載されており、それぞれ意味を持っています。
またどのシンセサイザー、サンプラーでも共通の項目です。
A_アタック
音量の立ち上がりが決まる部分。
「A」=「アタック」です。
どの位の時間をかけて最大の音量になるのか?
↑ アタックが最も早い設定となります。
鍵盤を押した瞬間に音がでます。
「打楽器」「ギター」「ピアノ」など、多く楽器がこの「アタック」設定になります。
「サウンド」
↑ 「アタック」を遅らせた設定になります。
PADなどのサウンド、「フゥァー」という柔らかい印象になります。
「サウンド」
R_リリース
「D」「S」の前に「R」を見てみましょう。
「R」=「リリース」です。
鍵盤を離した時の音量の残り具合(残響)です。
↑ リリースが最も短い設定となります。
鍵盤を離した瞬間に音が止まります。
歯切れが良いサウンドを使用する際は短めで使用します。
ほとんどの楽器は音を止めたとしても「残響」が生じます。
それを考慮し、少しだけ上げて使用すると自然な感じが得られます。
「サウンド」
↑ 「リリース」を長めにとった設定になります。
鍵盤を離した後もしばらく残響が残ります。
PADなど空間系の音はかなり長めに設定されることが多いです。
「サウンド」
「D」_ディケイ 「S」_サスティーン
「D」=「ディケイ」
「S」=「サスティーン」です。
この2つは共に関係が深いため、まとめての解説になります。
「S」=「サスティーン」は
鍵盤を押している間、どの音量で鳴り続けるのかを決定します。
「D」=「ディケイ」は
「アタック(最大音量)」から「サスティーン」へ繋げるまでの時間
言葉で伝えるとかなり難しいですね(笑)
まず重要なのが「サスティーン」の値です。
これは鍵盤を押しっぱなしにしている時の「最終的な音量」です。
ここで「超重要」なことです。
↑ 鍵盤を押しっぱなしている間、
「音量はサスティーン部分で維持されます」
そして鍵盤が離されると「リリース」部分へ移行する訳です。
ということは
「サスティーン」が少しでも上がっている場合、鍵盤を押し続けている間は音が鳴り続けます
その鳴り続ける「音量」を決めるのがこの「サスティーン」です。
もし値を「0」にすると、いつかは無音になります。
この時、無音になるまでの時間を決めるのが「ディケイ」です。↓
また鍵盤を押し続け、
音量が無音になった場合「リリース」は無視されます。
最後にもう少し詳しく関係性を見てみましょう。
「ディケイ_MAX」「サスティン_ゼロ」
↑ 「サスティーン」が「ゼロ」ということは、「いつか」は無音になります。
その「いつか」は「ディケイ」の値で決まります。
「ディケイ」が「MAX」ということは、
長い時間をかけて音量が無音に下がっていきます
「サウンド」
「ディケイ_ANY」「サスティン_MAX」
↑ 「サスティーン」が「MAX」ということは
「アタック」から音量は減衰しません。
よって「ディケイ」はどの値にしようと意味を成しません。
常に最大音量で鳴り続けます。
オルガンなどの楽器が代表的です。
「サウンド」
「ディケイ_少々」「サスティン_ゼロ」
↑ 最初の「エンベロープ」と似ていますが、
「ディケイ」の値が短いことが特徴です。
「サスティーン」は「0」なので、「いつか」は無音に。
「いつか」の「ディケイ」は短いため、とても早く無音になります。
よく耳にする、ピコピコした音を作ることができます。
「サウンド」
「ディケイ_少々」「サスティン_少々」
↑ 「ディケイ」の値が短いのですぐに「サスティーン」に繋がります。
その際に「サスティーン」は「低い」ので急激に音量が下がりアタック間が強調されます
ピアノ、ギターなどに近い感じになります。(実際の楽器は必ず音量が0になりますが)
こちらもよく耳にする感じかと思います。
「サウンド」
まとめ
まずこの記事。大変でした(笑)
重要な概要は伝えられたかと思います。
頭でなっている音が「どのような音量変化か?」 を把握し、
上記の「ADSR(エンベロープ)」を作成してみてください。
冒頭にも記載しましたが、この概念はシンセ、サンプラーなど幅広く使用できます。
時間がかかっても構いません。
しっかりと理解していただけると嬉しく思います。
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