クラビネット バッキングの打ち込み②
よりクラビネットらしい演奏のニュアンスを出す
前回に引き続き、今回は第2回ということで、よりクラビネットらしいニュアンスを出すための
テクニックを解説していきます。
このような完成形のフレーズを目指し、一つ一つ手順を確認していきましょう。
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1_クラビネット バッキングの打ち込み①
2_クラビネット バッキングの打ち込み②(当記事となります)
トップノートでフレーズを作る
クラビネット演奏を打ち込みで再現する際のコツとして、
まず耳に残りやすいトップノートでフレーズを作っていくと良いでしょう。
そうすることで、単純なコードではなく動きのあるバッキングの原型を考えることができます。
その際に併せて意識していただきたいのが、ノートごとのデュレーション(音価)です。
前回解説したように、全体的に短い音の方が歯切れの良いバッキングとなりますが、
全てを同じにするのではなく、アクセントをつけたいノートを長めにするなど、
デュレーションでリズムを構築してみてください。
もちろん、逆に特に短いノートを入れていくのもアリです。
キーやコードを意識して左手フレーズを作る
もしまだコードが決まっていない場合は、
まず先ほど作ったトップノートからキーを判別してみましょう。
見たところ、Fにのみ#がつくキーのようなので、Gメジャーであると考えられます。
その上で、左手のフレーズを入れていきます。
今回はGメジャーキーのダイアトニックコードの2番目、Am7を主体として進めます。
前回学んでいただいたように、パラディドル奏法の原則に従い、
右手フレーズの隙間を縫うように配置していきます。
また、ルート音だけでなく、5度の音も織り交ぜてみましょう。
デュレーションでリズムを構築する点も同様です。
トップノートに肉付けしながらコードを構成する
ベースを入れた後は、右手に和音を加えて、コード感を確定していきます。
また、細かなニュアンスも調整していきましょう。
右手に足していく音としては、必ずしもAm7の構成音だけにすることはなく、
Gメジャースケールの中である程度自由に組み合わせてみましょう。
前後の流れはある程度意識すること、場合によっては音を減らして軽くする、
といった所もポイントです。
バッキングの形ができてきたら、ベロシティも調整していきます。
アクセントを付けたい部分を強くします。
その際、デュレーションで構築したリズムと整合性が取れるようにしてください。
最後に、キーが正しいかどうかを判別したい場合は、
バッキング後にGM7のコードを入れて終始感があるかどうか試してみるのも良いでしょう。
以上、2回に渡ってクラビネットのバッキング打ち込みについて解説しました。
クラビネットはファンクだけでなく、ロックやジャズとも相性がいいですので、
ぜひ取り入れてみてください。
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