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48. ナチュラル・マイナーダイアトニックコードのディグリーネーム(4和音)

Author: sleepfreaks

4和音のディグリーネーム(ナチュラル・マイナーダイアトニックコード)

今回は、前回の3和音に引き続き、4和音のディグリーネームを確認していきましょう。
楽曲を分析すると、三和音と四和音の両方がよく使われていることが分かります。
これらをしっかりとマスターしましょう。

今回も、講座の21~26回あたりの内容と、前回の知識が必須になりますので、忘れた方は復習しておいてください。

解説に使用する表は、下記よりダウンロード可能です。
学習にお役立ていただければ幸いです。

https://sleepfreaks-dtm.com/wordpress/music/Natural_Minor_Diatonic_Tetrad.zip

ダイアトニックコードの法則性は3和音と同じ

4和音のナチュラル・マイナーダイアトニックコードの一覧を見てみましょう。

natural_minor_diatonic_tetrad


3和音と同様に、これらを全て暗記するのは大変です。
ですが、4和音にも3和音と同様の法則性があります。

スケールに沿って左から出来上がるコードの性質は同じという点がポイントですね。

  • A(ナチュラル)マイナーのダイアトニック・コード(4和音)
  • am_diatonic_tetrad

  • C(ナチュラル)マイナーのダイアトニック・コード(4和音)
  • cm_diatonic_tetrad

このように、いずれも
マイナー・セブンス/マイナーセブンス・フラットファイブ/メジャー・セブンス/マイナー・セブンス/マイナー・セブンス/メジャーセブンス/ドミナント・セブンス
の並びになっています。

3和音と同様に、ピアノロール上であれば平行移動して簡単に作ることができます。


この法則性に注目し、各スケールの度数をローマ数字に置き換えて覚えましょう。

スケールに沿ってローマ数字を振る

スケールの始まりの音から順番にローマ数字に置き換えていきます。
Cナチュラル・マイナーで進めてみましょう。

cm_scale_score

ディグリーネームは、以下の通りとなります。

cm_scale_degree

bが付かない表記がされているものもありますが、当講座では前回同様、他のスケールやダイアトニックコードとの違いの意識、また後々学ぶテクニックのために「b」をつけて進めていきます。

ここからダイアトニックコードを作りましょう。
手順は46回目に掲載した通りです。

合わせて、ローマ数字の隣に各コードの性質を付記していきます。

出来上がりです。

このローマ数字の箇所に各ナチュラル・マイナースケールの音を入れるだけで、ナチュラル・マイナーのダイアトニックコード(4和音)を網羅できるということになります。

ディグリーネームの記述法は、メジャーの横に「△」をつけたり、マイナーは小文字(「ⅲ」等)で示すなど、様々な表記法があります。本講座では上記の記述で統一します。

また、それぞれの名称は以下のとおりです。

  • Im7 = ワン・マイナー・セブンス
  • IIm7b5 = トゥー・マイナーセブンス・フラットファイブ
  • bIIImaj7= フラット・スリー・メジャーセブンス
  • IVm7 = フォー・マイナー・セブンス
  • Vm7 = ファイブ・マイナー・セブンス
  • bVImaj7 = フラット・シックス・メジャーセブンス
  • bVII7 = フラット・セブン・セブンス(ドミナント・セブンス)
ディグリーネームの活用

メジャーの際と同様に、制作している曲や分析したコード進行を違うマイナー・キーで試したい場合は、ディグリーネームが役立ちます。

Fmで試してみましょう。
Fナチュラル・マイナースケールがすぐに思い浮かばない場合、Fメジャースケールから3、6、7の音を半音下げて考えると良いです。

その後、スケールの音をディグリーネームのローマ数字の位置に当てはめるだけで、キーの変更にも簡単に対応できます。


key_change_minor_matrix



最後に、ローマ数字表記ありのナチュラル・マイナーダイアトニックコード(4和音)一覧表を載せておきます。
ぜひ、ご利用ください(リンク先を保存で大きいファイルを取得できます)。

natural_minor_diatonic_tetrad

まとめ

今回の学習ポイントをまとめると下記の通りです。

  • 4和音のナチュラル・マイナーダイアトニックコードは Im7、IIm7b5、♭IIImaj7、IVm7、Vm7、♭VImaj7、♭VII7 の順で構成され、この並びはすべてのキーで共通
  • ナチュラル・マイナースケールはメジャースケールの3、6、7音を半音下げて作成でき、これを基にダイアトニックコードを構築可能

次回は、マイナーダイアトニックコードを使った曲作りに向けた準備に入っていきます。
また、他にもマイナースケールがある理由にも迫っていきますので、ご期待ください。


記事の担当 伊藤 和馬/Kazuma Itoh

伊藤 和馬

18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。
バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
日本に帰国後は、Pops・アニメソング・アイドルソング・CM・ゲーム・イベントのBGMまで、幅広い作曲・編曲の技術を身につけ作編曲家として活動している。

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