目次を見る

ディグリーネームを活用する(前編)/音楽理論講座

ディグリーネームを楽曲制作に活かす

前回はディグリーネームについて学びました。
次は、さっそくディグリーネームを実践的に活用していきましょう。

活用の前編となる今回は、

  • 有名なコード進行や気に入った進行を自分の引き出しに入れる方法

を解説していきます。

コード進行には著作権はありませんので、どんどん取り入れていきましょう。
前回の内容が必須になりますので、未読の方はそちらから学んで下さい。

major_diatonic_triad


ディグリーネームによる楽曲の分析

まずはこちらのサンプルをお聴き下さい。

皆さんもおそらく一度は聴いたことのある「パッヘルベルのカノン」ですね。
このコード進行は、現在も様々な曲で使用されています。
この楽曲について、前半4小節のコード進行を解き明かしてみましょう。

まずはキーの把握です。
譜面がある場合、#の位置を見れば容易に把握できますね。

#が2つ付くキーは…

Dメジャーでしたね。続いて、コードを確認します。

譜面がない場合は、メロディーやコードからキーを読み取ってみましょう。

  • メロディ

Dメジャースケールの音が中心です。

  • コード

キーを元にコード表と照らし合わせてみると、

全てDメジャーのダイアトニックコードに含まれています。
ここで、カノンで使用されていたコード進行をディグリーネームに置き換えてみましょう。

このようにディグリーネームに置き換えることを、楽曲のコード進行を「分析する」といった言い方をします。
分析を行うことで、様々なキーで曲を作る際に引き出しとして取り入れることが出来るようになります。

次回は後編ということで、今回の分析方法を踏まえて、「楽曲のキー変更」の解説とともに、有名な進行をディグリーネームで読み解いていきます。


記事の担当 伊藤 和馬/Kazuma Itoh

伊藤 和馬

18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。
バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
日本に帰国後は、Pops・アニメソング・アイドルソング・CM・ゲーム・イベントのBGMまで、幅広い作曲・編曲の技術を身につけ作編曲家として活動している。

講師のプロフィールを読む