メジャー・シックス/マイナー・シックス コード ①/音楽理論講座
シックスコードの学習に当たって
前回までのアボイド・ノートを中心に学んできましたが、今回は新たなコード、
“6”を”付け足す”シックス・コードについて学んでいきましょう。
こちらもアボイド・ノートと共に学んでおきたい内容です。
関連性については次回取り上げますので、今回はまずコードを覚えて下さい。
学習にあたり、特に以下の回の知識が前提となります。
未読の方や忘れてしまった方は、ぜひ参照しながら進めてください。
- 3. メジャーのインターバル
- 4. マイナー/ディミニッシュのインターバル
- 7.マイナースケールとスケールディグリー
- 9. 三和音(トライアド)のメジャーコード
- 10. 三和音(トライアド)のマイナーコード
シックスコードは4和音のコードの中でも、少し特殊なコードです。
まずは、メジャー・シックスのサウンドを確認してみましょう。
コードの構成音が順に鳴った後、和音が鳴ります。
人によって、古めかしいサウンドに感じたり、オシャレに感じたり、
穏やかさ柔らかさを感じたりと、様々な印象を受けると思います。
メジャー・セブンスコードを聴いた後に、メジャー・シックスコードを聴いてみましょう。
1音だけの違いですが、随分と印象が変わってきますね。
メジャー・シックスコードは以下のように表記されます。
一般的には左上の「6」のみを表記するものが多く、
- Cメジャー・シックス = C6
- Dメジャー・シックス = D6
といった感じになります(当講座でも「6」のみの表記とします)。
C6を、譜面とピアノロールでそれぞれ確認してみましょう。
途中まではメジャー・トライアドですね。
お馴染みのインターバルを用意して、どのように出来ているか確認してみましょう。
メジャートライアド「R/M3rd/P5th(1/3/5)」に「M6th」を足した形だということがわかりました。
スケールディグリーでも確認しておきましょう。
ここまでをまとめると、メジャー・シックスコードの基本形
- インターバルで覚えるなら 「R M3rd P5th M6th」
- スケールディグリーで覚えるなら 「1 3 5 6」
ということになります。
続いて、マイナー・シックスコードを見ていきましょう。
メジャーを理解していればさほど難しくはありません。
マイナー・シックスコードはこのように表記されます。
一般的には、やはり「m6」と書かれることが多いです。
次いで「min6」も見かけますね。
構成音については、今までのコードの考え方だと、
「M6th(6)をm6th(b6)にするんでしょ?」となりそうですが、実はここに落とし穴があります。
先に答を言ってしまうと
- インターバルで覚えるなら 「R m3rd P5th M6th」
- スケールディグリーで覚えるなら「1 b3 5 6」
ということで、メジャーとの違いは、3rdがフラットになる点、
つまり、トライアド部分がメジャーかマイナーかの違い(M6thは変わらない)
ということになります。
サウンドも確認してみましょう。
M6thがm3rdとトライトーンの関係になっていますので、緊張感を感じる人もいるかもしれません。
実際にトライトーンを意識した使い方もあります。
仮にもし、M6th(6)をm6th(b6)にしてしまうと・・・
非常に不協和な感じがしますよね。
これは、P5th(5)と半音の関係となってしまうためです。
また、これは別のコードと捉えられることもあるため、m6とは分けて考えておきましょう。
最後に、メジャー/マイナーをまとめておきましょう。
メジャー/マイナートライアドに、M6th(6)を”付け足す”イメージと考えれば覚えやすいですね。
次回は今回の内容を踏まえ、アボイド・ノートと関連する内容について踏み込んでいきます。
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18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。 バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
その技術を活かし、POPSから映像音楽まで、幅広い作曲活動を行っている。