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【新感覚の音楽制作ツール】Joué Playの使い方「MPE対応MIDIコントローラー」

MIDIキーボードでは行えない究極の演奏表現を実現するMPEコントローラー

MPEに対応したDAWが充実し、これらを音楽制作に取り入れてみたいと考えている方も多いかと思います。
今回はMPEコントローラーのなかでも、ルックス・機能面を持つJoué Music Instruments社 【Joué Play】の紹介と使い方について解説していきます。

ドラム、ギター、キーボードなど、多彩な入力インターフェイスを”着せ替える”ことができ、DTMや作曲の知識がなくとも”簡単に音楽制作ができる”ことをコンセプトにiOSアプリも用意されています。

製品の特徴とラインナップ

まずJoué Playは本体となる【Play Board】とその上に載せて演奏を行う【Play Pad】の2つから成り立っています。

joue-bundle

Play Padにはインターフェイスが異なる4種類の製品があり、これらPlay Padを載せ替えながら、演奏・録音を行うことが出来ます。
Padを載せ替えた際は、特に設定を行わなくとも自動で識別されます。この点もユニークですね。

Joué Playの解説動画

「Joué Play」販売ページ

付属アプリ【Joué Play】の使い方

Joué Playをコントロールするアプリは、各OSのストアページからダウンロードが可能です。

iOS/Mac – App Store

Windows – Microsoft Store

ここではiPadを使用して進めていきます。


まずJoue Playを起動し、”Create a new track”で新規ソングを立ち上げます。

まずはPlay Drumのパッドを使用してみます。

瞬時にPlay Drumが認識され、パッドからドラムサウンドを演奏することが可能になります。

アプリ上のPlay Padアイコンをタップすると、パッド毎に異なる10種類の音色リストが表示され、音色変更が行えます。
同じ要領でPlay Pianoにパッドを変更してみます。

ドラムのトラックは残ったままシンセサイザートラックが自動追加されました。

ドラム同様10種類の音色切り替えが行なえます。

MPEデバイス特有の、スライド奏法やキーボード上下の動きで音色を変化させるなど、様々なサウンド変化を楽しむことができます。

各パッドに付属するPushコントローラー・XYパッド・リボンコントローラーも音色ごとに異なるパラメーターがアサインされています。
 次はもう一度Play Drumのパッドを載せ替えてみます。今度はFireカラーで試してみましょう。

カラーを変えることで、同じPlay Drumでも異なるトラックとして使用できます。
WaterとFireの各4枚(全8枚)所有している場合、Joué Playアプリ上に最大8トラックを追加できることになります。

楽曲の設定と録音

ここからは演奏した内容を録音していきます。
録音を始めるにあたり、まずは楽曲のテンポや長さなどを設定する必要があります。

画面左下の3つのボタンは上から

  • メトロノームのオン・オフ
  • BPM(テンポ)
  • ボリューム

の設定が可能です。

画面左上の歯車ボタンを押して表示されるダイアログから下記を変更できます。

  • 楽曲の小節数
  • BPM(テンポ)
  • 録音のオン・オフ

演奏の録音・再生は画面中央の2つのボタンで行い、録音内容は画面上部に表示されます。

再生・録音ボタン、各Play Padにも備わっているためここからも操作が行なえます。

録音後にプレイ内容の削除や、一つ前の状態に戻るUndoも行うことができるため、納得がいくまで何度も録音を繰り返せる点も嬉しいですね。
このようにデバイスにケーブルを繋げばすぐに演奏を楽しめるアプリに仕上がっています。

エディタソフトを使いDAWで使用する

もちろんJoué PlayをDAW上で使用することも可能です。

Joué Editor使用時の注意

DAWで使用する場合、演奏するインストゥルメントに応じMPEやMIDI CCの設定が必要になります。
これらの設定は【Joué Editor】というソフトで行うことができます。

Joué EditorはWindows・Macで使用できますが、Joué Play本体は【Joué Play Pro Option】という上位モデルのみが対応となります。

このPro Optionは、製品購入時に【CHOOSE YOUR OPTION】の選択を【Standard】から【Pro Option】に変更する形となります。
Standardとの価格差は€50です。

MPEやCCの割り当てなどを行わなくとも、Joué EditorをDAWで使用することは可能ですが、性能を十分に発揮させるためにもアップグレードすることをお勧めいたします。

Joué Editorの設定方法

ここからはJoué Editorの使い方を解説していきます。

Joué Playアプリ同様、本体に載せたPlay Padを識別し、画面上部に表示されます。

画面下部で細かく各ボタン個別に選択が行えます。

各項目の詳細は、右側部分から確認します。
現在取り付けられているPlay Padの詳細は全てグレーアウトしており、内容の変更を行えません。

設定内容の変更は画面左側に表示されている、各セットから行います。

この一つ一つのセットにはMPEやMIDI CCの設定が保存されており、グレーアウトされていた各種設定はここから変更することが可能です。

内容の変更後はPlay Padにドラッグ&ドロップして設定の書き換えを行います。

設定を変更する度に、セット内容を変更/新しく作成する必要がありますが、各機能は画面左下部にまとめられています。
新規セットの作成、選択しているセットの削除、選択しているセットの複製があります。
また、フォルダ追加を行なってセットを管理することも可能です。

主なPlay Pad設定

画面右のPAD PROPERTIESです。
設定できる項目の多くはPlay Padで共通しています。

【Vibrato】は鍵盤(ギターの弦などを含む)を押したまま左右に動かした際に、ピッチを揺らす機能です。
これを活用することで、自然なビブラートを直感的に加えることができます。

【Fletless】【Glissando】は同一の機能となり、鍵盤を押したまま、他の鍵盤に指をずらすとピッチが滑らかに推移するスライド奏法が実現します。
MPEでは一般的にGlideと表現され、これらを活用するとこのようなピッチ表現を行うことが可能です。

Glide表現を行なったシンセリード

Joue

上記VibratoとFletless/Glissandoの2つが記載されている場合は、どちらか一方を選択する必要がありますので、演奏内容によって切り替えます。

【Aftertouch】は鍵盤を押した後、さらに強く押し込むという操作です。
MPEでは一般的にPressureと表現されます。
使用するインストゥルメントの設定でPressureに対し音色変化を割り当てて使用します。

Pressureによる音色変化のあるサウンド

【Bending】はPlay Guitarにのみ用意されている項目となり、弦を持ち上げる”チョーキング”効果を付加させる機能となります。
これらを活用することで、ギターだけに留まらない弦楽器特有のピッチ表現が可能です。

ベンド表現を行なったサウンド

音のアタック部分で少し力を入れると、箏のような表現も可能です。

【MPE】はMPEモードで動かすかどうかを選択する項目です。
MPEをアクティブにしている場合、多彩な音楽表現が可能となりますが、使用するインストゥルメント側がMPEに対応していなければいけません。
そのため、MPE非対応のインストゥルメントを鳴らす場合は、このMPEが非アクティブでなければ音が出力されないため注意が必要です。

【Advanced settings】は、これまで解説してきた各パラメーターの詳細が設定可能となります。
ビブラートやチョーキング時のピッチ変化の度合いなど細かなニュアンスを設定します。

【MIDI MAPPING】はベロシティレンジやノートの高さ、スケールなど、各Play Padに応じたMIDIノートに関係する設定が行えます。

【Play Piano、Play Key】はY Controlというパラメーターが用意されており、縦軸に指をスライドした際に出力されるCCナンバーを設定可能です。
一般的にMPEではSlideと呼ばれるパラメーターとなり、Aftertouchと同様の音色変化を加えることが可能です。

Y Controlを活用してベーストラックのフィルター制御を行いました。

Y Controlを用いたベーストラック

オートメーションを書かなくともサイドチェイン効果を直感的に表現することができます。

【Custom mapping】はPlay Piano以外で用意されているパラメーターです。
変更したいキーを選択してMIDI MAPPINGから値を変更します。

Play Guitarなら弦のチューニング、Play DrumとPlay Keysでは1キーごとのMIDIノートを指定可能です。

Joué Playの演奏のみで作成したデモトラック

ここまでご紹介した多彩なPlay Padを使用し、生演奏によりレコーディングを行なったサウンドです。

オートメーションなどの編集を行わなくとも生楽器にも似た有機的な表現が可能となります。


いかがでしたでしょうか?
最近は様々なDAW/インストゥルメントがMPEの対応を果たしており、より音楽制作と密接になってくるのではないかと感じています。
Joué Playは、音楽表現をオートメーションやMIDI CCの録音後編集ではなく、 楽器を演奏しながらリアルタイムで行なっていくという音楽の本質的な面白さを感じました。

これから音楽制作を始めるビギナーの方から、音楽表現の幅を広げたい中上級者の方にもおすすめできるデバイスとなっていますので、ぜひチェックしてみてください。