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【DTM】ドラム音源 2021年ランキング ベスト5 DTMer 4536名が回答!

Author: sleepfreaks

ソフト音源の人気ドラムシンセを比較

DTMer7526人に聞いたアンケートシリーズ
ここではサードパーティ製のドラム音源ランキングを発表していきます。

またランキングの発表だけではなく、各製品のサウンド・特徴・機能比較も行ない、これからドラム音源を選択する方の指針となる内容を目指します。

サードパーティ製のドラム音源を使用している方は、7526人中4536名となっていました。
今回のアンケートはこの4536名が対象となります。

複数のドラム音源をお使いの場合でも、最も気に入っているもの1つを選んでいただきました。
それではランキングの発表へ入っていきます。

5位 Steven Slate Drums : 231名 価格 149ドル

Steven Slate Drums

  • プロ : 46名 (19.91%)
  • アマ : 185名 (80.09%)

今回のアンケート結果を受けて初めてしっかりと触りましたが、サウンド/操作性のバランスがとても優れていると感じました。
リズムパターンやプリセットも豊富なため、初心者の方にもお勧めできます。販売価格もリーズナブルです。
ロック系を中心に、力強いドラムサウンドが欲しい場合に活躍します。

製品URL : https://www.stevenslatedrums.com

4位 BATTERY : 332名 ¥26,800

Battery4

  • プロ : 59名 (17.77%)
  • アマ : 273名 (82.23%)

リズムキットだけではなく、あらゆるオーディオ素材を扱うことができる優秀なサンプラーです。
予め様々なジャンルのサウンドキットが付属しますが、ご自身で用意したサンプルを読み込み加工することができます。
その自由度の高さから、エレクトロ系楽曲を制作されている方のシェアはNo1となっていました。
今回は生ドラム音源の比較となるため検証から外しましたが、オーディオ素材の活用を広げるという意味でも持っておいて損はありません。

製品URL : https://www.native-instruments.com/jp/products/komplete/drums/battery-4/

3位 SUPERIOR DRUMMER : 401名 453ドル

SUPERIOR DRUMMER 3

  • プロ : 93名 (23.19%)
  • アマ : 308名 (76.81%)

サウンドサンプルの容量が200GB超える大容量ドラム音源です。
細かなベロシティレレイヤーはもちろん、様々なドラムの奏法(サウンド)も多岐に渡って収録されています。
マイキングやエフェクトを含めたサウンドメイクも豊富で、多くのジャンルをこの製品1つでカバー可能です。

製品URL : https://bit.ly/2SALZ0w

2位 BFD : 595名 349ドル

BFD

  • プロ : 142名 (23.87%)
  • アマ : 453名 (76.13%)

生ドラム音源というジャンルを築いたBFDが2位にランクイン。
SUPERIOR DRUMMERと同様に大容量サンプルが収録され、様々なドラムサウンドを表現可能です。
他製品と比較して、少し古い音源となるため、パターン機能やエディット面などは少し使いにくさを感じる部分もありますが、各キットサウンドを細かく詰めていくことでオリジナリティ溢れるリズムトラックを得ることができます。

製品URL : https://bit.ly/3frP3oI

1位 Addictive Drums : 1015名 169ドル

Addictive Drums

  • プロ : 144名 (14.19%)
  • アマ : 871名 (85.81%)

堂々の1位に輝いたAddictive Drumsの特徴は、サウンドの個性です。
鋭いアタック、シャープな輪郭、サウンドの余韻で一世を風靡し、そのサウンドを聴いた瞬間に誰もがAddictive Drumsと分かります(笑)
既にサウンドが完成せされているプリセットが多いことと、価格もリーズナブルなため、初心者の方にもお勧めできる製品です。

製品URL : https://bit.ly/3fndDav

各製品のサウンド比較

次に各音源のサウンドを確認していきましょう。
比較対象として、スタジオにマイクを立てて生ドラムの録音も行い、演奏はスタジオミュージシャン/ドラムの講師として活躍している「鈴木邦明さん」にご協力いただきました。

kuni

2009年、Dreams Come Trueのサポートメンバーにオーディションで採用され、ツアー「WINTER FANTASIA2009」に参加。
2010年〜現在、松田聖子のサポートメンバーとして毎年のツアーやTV出演、レコーディングなどに参加。
他にも神田沙也加、中島美嘉、東京女子流、バブルガムブラザーズ、amiinA、など多数のアーティストのサポートを務め、劇団「Artist Company響人」での演奏や、TV番組内でのドラムインストラクターなど、様々な分野にも活動の幅を広げる。
アーティストのサポートやセッションライブなどの他、YouTubeチャンネルにてドラムのレッスン動画やパフォーマンスを配信中。

洗足学園音楽大学Rock&Popsコースドラム講師。

詳細URL : https://bit.ly/34vaDm9


今回、各サウンドはボーカル入り/なしの2パターンを用意し、ボーカリストはYouTubeでも大人気の「めありー」さんにご協力いただきました。

YouTubeチャンネル : https://bit.ly/3c7PhiZ


それでは早速サウンドを確認していきましょう。
各サウンドはボーカル入り/なしの2パターンを用意しました。
サウンドの補足は下記となります。

  • 4位のBatteryはサンプラーという位置付けとなりますので、割愛しています
  • 打ち込み内容は極力揃えています
  • 使用しているマイク(アンビ)も可能な限り同条件としています
生ドラム

ボーカルあり

ボーカルなし

1位 : Addictive Drums

ボーカルあり

ボーカルなし

2位 : BFD

ボーカルあり

ボーカルなし

3位 : SUPERIOR DRUMMER

ボーカルあり

ボーカルなし

5位 : Steven Slate Drums

ボーカルあり

ボーカルなし


各音源ごとに個性があり非常に面白い結果となりました。

「Steven Slate Drums」のサウンドがとても良い点が印象的です。特にロック系のジャンルで活躍しそうです。
「BFD」のサウンドは少し硬めの傾向があり、逆に「SUPERIOR DRUMMER」は柔らかめです。使用していくジャンルで決めていく形が良いと感じました。
「Addictive Drums」はアタックを含め主張が強いサウンドのため、オケにどう馴染ませるか?という点がポイントとなりそうです。

各音源の機能比較

サウンドの次は各製品の機能面を確認していきます。

キット数

まずは収録されているキット数を確認します。

  • ドラムのキット数は「Steven Slate Drums」が圧倒的に多い
  • 「BFD」「SUPERIOR DRUMMER」は大容量サンプルが売りとなっており、ベロシティ値によってサウンドが細かく変化する(細かな演奏表現/ニュアンスを出しやすい)
  • 「BFD」「SUPERIOR DRUMMER」はブラシなどの奏法が充実している
  • 全製品で別途追加キットが販売されているたサウンドライブラリを拡張可能
インターフェイスと付属リズムパターン

付属するリズムパターンと、検索性能です。

  • キットを選択して使っていくという点では使いやすさに大きな差は感じない
  • 「Steven Slate Drums」に収録されているリズムパターンは非常に優秀で、楽曲の中でも使いやすい
  • 付属パターンの検索性は各製品で工夫されているが、BFDのみ使い勝手が悪く感じることがある
  • 販売されている追加キットを購入することでパターンも拡張可能(Addictive Drumsはパターンのみ購入可能)
アーティキュレーション

各キットに収録されている奏法です。
制作されたいジャンルに合う奏法が対応しているか?という点がポイントです。

特に「SUPERIOR DRUMMER」はサンプル容量が多いという点からもわかるように、多くの奏法に対応しています。
様々なジャンルを制作されたい方は「SUPERIOR DRUMMER」をお勧めしたく思います。

同じキットを連続して打ち込んだ際、機械的なサウンド(マシンガンのような)を避けるため再生するサンプルを自動的に入れ替える「ラウンドロビン」機能の性能も重要です。

これはバスドラムのツーバスにも用いられます。

  • Steven Slate Drums : 最大4つサンプルが入れ替わる
  • Addictive Drums : 1つのサンプルのみ(機能非搭載)
  • SUPERIOR DRUMMER : 最大3つサンプルが入れ替わり、演奏タイミングにランダマイズが入っている
  • BFD : 最大2つサンプルが入れ替わり、音量にランダマイズが入っている

このような違いがありました。
生ドラムのような表現を意識する際、「Addictive Drums」は連続した打ち込みを避けた方が良いです。(異なるキーに配置された同キットを使用する)

収録マイク

次にエディット(収録されている)できるマイク数を確認します。

  • 「BFD」「SUPERIOR DRUMMER」はマイク数が多く、空気感などを演出しやすい。
    ただドラムのレコーディング知識が必要になる場面もあるため、初心者にはハードルが高い
  • 「Addictive Drums」はOHマイクにシンバルサウンドが含まれているため、サウンドエディットの際に小回りが効かない場合がある
  • 「SUPERIOR DRUMMER」スネアのボトムマイクがステレオで収録されているため、楽曲の中で抜けのよいスネアを作りやすい
ボリューム/ピッチ/エフェクト

  • 全製品でボリュームエンベロープ(ミュート感を演出)に対応している
    「BFD」は最新アップデートで対応しました。
  • ピッチエンベロープは時間の経過よってピッチを意図的に変化させる機能だが、生ドラムの再現としては不要。
    エレクトロなどクリエイティブなサウンドメイクで使用されることが多い
  • 「Steven Slate Drums」はエフェクト機能自体がなく、キットサウンドにエフェクトがしっかりと適用されている
    初心者にとっては逆に使いやすく感じる
  • 「Addictive Drums」はエフェクトルーティングの自由度が抑えられている

最後に

いかがでしたでしょうか?
上記を総合した感想が下記となります。

「BFD」「SUPERIOR DRUMMER」はサンプル容量が多く、サウンドエディットの自由度が高いという点が特徴ですが、ドラムやレコーディングについての知識が必要になる場面が多々あります。
特に「BFD」はサウンドエディットを行うことを前提として組まれている印象を受けました。

「SUPERIOR DRUMMER」は収録されているプリセットを使用することで、このハードルは回避できると感じました。
「Steven Slate Drums」は新しい音源ということもあり、出音、操作(エディットが簡単)も優れていたため初心者にもお勧めできます。

個人的な意見となってしまいますが、これらを考慮すると、様々な音楽ジャンルを制作される方、仕事で使用する方は収録キットや奏法/サウンドエディット/パターン検索が充実している「SUPERIOR DRUMMER」

ロック系や強めのドラムを求める方は出音も良く、扱いやすい「Steven Slate Drums」

「Addictive Drums」のサウンドが好きな方は「Addictive Drums」(笑)

が良いと感じました。
是非、ドラム音源を選ぶ際の指針にしていただけますと幸いです。

次回はドラムに続き、ベース音源のランキングベスト5へ進んでいきます。