DTM初心者のためのオーディオインターフェイス選び | 2025年 現在のお勧め製品はコレ!
定番から新製品まで!失敗しない選び方とおすすめ製品を一挙紹介
DTMを始めたい方にとって、オーディオインターフェイスの選択は非常に重要な決断です。
安価な買い物ではないからこそ、失敗は避けたいもの。
弊社では、昨年末にオーディオインターフェイスの使用についてのアンケートを行いました。
オーディオインターフェイスを使用している | オーディオインターフェイスを使用していない |
---|---|
2,930名(91%) | 292名(9%) |
ご覧のとおり、DTMerの約9割がオーディオインターフェイスを使用しているという結果から、その重要性がわかります。
そこで、本記事では初心者の方が失敗しないオーディオインターフェイスの選び方をはじめ、定番製品から新製品まで、おすすめの製品をピックアップしてご紹介します。
オーディオインターフェイスとは
オーディオインターフェイスとは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスに音を入れたり出したりするための「架け橋」となる機器です。
マイクやギターはパソコンに直接つなげないため、これらの機器とパソコンの間に入って音声信号を変換し、音を取り込むだけでなく、外部スピーカーに出力する役割も担っています。
ほとんどのパソコンにはマイクやスピーカーが内蔵されていますが、DTMには高音質で多機能な外付けのオーディオインターフェイスを用意することをおすすめします。
オーディオインターフェイスを使うメリット
オーディオインターフェイスを使用する主なメリットは、大きく分けて3つあります。
音質の向上
パソコンに直接機器を接続した場合と比べて、音がクリアになります。
特にミキシングやマスタリングなど、音の調整作業をする際は、いかにクリアにモニタリングできるかが非常に重要です。
DTMを始めたばかりの頃はその差がわからないかもしれませんが、オーディオインターフェイスを使うことで、音の細部までクリアに聴き取れるようになります。
多彩な機器の接続
マイクやギターなどの楽器を接続できるようになるため、レコーディングを行いたい方にとっては必須の機能です。
また、スピーカーへの接続も容易になります。
変換ケーブルでパソコンから直接出力することも可能ですが、音質面でもオーディオインターフェイスを介した方が優れています。
レイテンシー(音の遅れ)の改善
DTMでは演奏してから音が聞こえてくるまでにタイムラグ(レイテンシー)が生じることがあります。
特に速いフレーズを演奏する際、この遅れがあるとパフォーマンスが著しく低下し、何を弾いているのか自分でもわからなくなることも。
オーディオインターフェイスを使用すると、このレイテンシーを効果的に減少させることができるため、リアルタイムの演奏を行う方にとっては非常に有利になります。
オーディオインターフェイス選びの重要ポイント
新しい製品を検討する際は、以下の2点に注意してください。
入力・出力の数
必要なマイクや楽器、スピーカーなど、使う機材の数に合わせて入出力数を確認しましょう。
マイクを2本使いたいなら2入力以上、バンド録音ならさらに多くの入力が必要です。
出力も同様で、複数のスピーカーやヘッドホンを使う場合は十分な出力数が必要となり、将来の拡張性も考えて、少し余裕のあるモデルを選ぶのがおすすめです。
コンデンサーマイク対応とインピーダンス対応
コンデンサーマイクを使用する場合は電源供給(ファンタム電源)があるか、エレキギターなどを接続する際にはハイインピーダンスに対応しているかを確認しましょう。
これらは音の品質を維持するために重要な要素で、ほとんどの製品で対応していますが、購入前に必ずチェックしていただきたいポイントです。
おすすめのオーディオインターフェイス
ここからは、予算や用途に合わせて、エントリー、ミドル、ハイグレードの3つのクラスに分けておすすめの製品をご紹介します。
エントリーモデル : Steinberg IX012/IX022
昨年発売された新しいモデルで、価格が抑えられていますが音質は十分に確保されており、今から始める方に特におすすめの一台です。
IX012/IX022ともに、2種類のカラーが用意されています。
主な特徴は、
- USBで接続でき、電源供給が可能(ACアダプター不要)
- ダイナミックレンジが広い録音が可能
- 使いやすい操作性
- 前面にミュートボタン搭載(オンラインミーティングなどでの事故防止に有効)
- Cubase AIが付属(DAWソフト)
- iPadなどモバイル機器にも対応
価格は1万5千円から2万円前後となっています。
エントリーモデル : Steinberg UR22-C
配信も行いたいといった方におすすめなのが、SteinbergのUR22-C。
内部でのルーティングが柔軟にでき、自分の声の調整やエフェクト、BGMとのバランスなど配信に必要な調整が可能です。
3種類のカラーが用意されています。
主な特徴は、
- USBで接続でき、電源供給が可能(ACアダプター不要)
- 専用ミキサーソフトで柔軟なミックスと、音をタイムラグなく聴ける機能
- USBCで接続でき、パソコンとの安定通信
- 高品質なマイクプリアンプ搭載で、クリアで自然な音質
- 32-bit/192 kHzという次世代の録音形式に対応し高音質録音が可能
- iPadなどモバイル機器にも対応
価格は2万5千円前後となっています。
「UR-Cシリーズ」発売記念!直撃インタビュー動画
UR-Cシリーズは発売当初にインタビュー動画を作成していますので、下記もご覧ください。
ミドルレンジモデル : Solid State Logic SSL 2 MKII
昨年発売されて話題になったモデルで、レコーディングスタジオでも使われる高級コンソールメーカーのオーディオインターフェイスです。
ミキシング作業時の使いやすさが特徴で、音の分離がクリアなため各楽器の調整が容易になります。
主な特徴は、
- USBで接続でき、電源供給が可能(ACアダプター不要)
- 高品質なSSLブランドの製品
- 32-bit/192 kHzという次世代の録音形式に対応し高音質録音が可能
- ヘッドホン端子が2つ(同時に2人でモニタリング可能)
- Legacy 4Kスイッチで簡単にビンテージサウンドを実現
- Ableton Live Liteが付属(DAWソフト)
- プラグイン類なども多数付属
価格は3万5千円前後となっています。
ミドルレンジモデル : Solid State Logic SSL 2+ MKII
より拡張性を求める方には、SSL2の上位版となるプラスモデルがおすすめです。
SSL2+はSSL2と比較して、下記の特徴が追加されます。
- 複数のスピーカーを接続できる合計4つの出力端子
- それぞれのヘッドホン出力に独立したボリューム調整が可能
- MIDIキーボードなどを接続できるMIDI端子搭載
価格は5万円前後となっています。
ハイグレードモデル : RME Babyface Pro FS
長年にわたって高い評価を得ている製品です。
音質の高さだけでなく、安定性においても非常に優れており、使用者の体感として長期間使用しても問題が発生しにくいという声があります。
また、ソフトウェアによる詳細な音の調整が可能で、プロのクリエイターからも支持されています。
主な特徴は、
- USBで接続でき、電源供給が可能(ACアダプター不要)
- 専用ミキサーで複雑な音の調整と、音をタイムラグなく聴ける機能
- 安定した高精度なデジタル処理で音質劣化を防止
- 接続エラーを自動検出して問題を知らせる便利な機能
- パソコンなしでも単独で高性能な音声変換機として使用可能
- 小型ながら22チャンネルもの入出力を備えた多機能設計
価格は15万円前後となっています。
特定の用途に合わせたおすすめ製品
用途に合わせたおすすめの製品もピックアップしました。
録音音質にこだわりたい方向け : AMS Neve 88M
録音の音質、特にマイクやボーカルの音質にこだわりたい方は、マイクプリアンプの品質が重要です。
マイクから出る微弱な信号を増幅する際の品質が音質に大きく影響します。
Neve 88mは、プロフェッショナルな現場でも使用される高品質なプリアンプで、独特の暖かみのあるサウンドキャラクターが特徴です。
主な特徴は、
- USBで接続でき、電源供給が可能(ACアダプター不要)
- 英国で設計・製造された高品質な作り
- Neveの特殊な技術による温かく豊かな音質
- 一流スタジオで使われる高品質マイク入力
- 専用端子を使用し、最大8チャンネルの入力拡張が可能
- 外部エフェクターなどを接続できる専用端子を搭載
- 演奏中の音をタイムラグなく聴ける機能
価格は24万円前後となっています。
オーディオレコーディングをしない方向け : ADAM AUDIO D3V
ギターや歌などの録音を全く行わず、DTMソフトの操作とモニタリングだけを行う場合は、ADAM AUDIO社のモニタースピーカーがおすすめです。
USBCでパソコンに直接接続でき、オーディオインターフェイスの役割も果たすため、高品質なモニタリング環境を構築できます。
主な特徴は、
- 高品質なモニタースピーカー
- USBCでパソコンに直接接続可能
- オーディオインターフェイス機能内蔵(デジタルオーディオ入力対応)
- スマートフォンなど様々なデバイスに接続可能
価格は4万5千円前後となっています。
配信やポッドキャスト向け : SHURE MV7i
配信やポッドキャストを行いたい方には、SHURE MV7iがおすすめです。
このマイク自体がオーディオインターフェイスの機能を備えており、別のマイクも接続可能。
ステレオ録音や同時に別のマイクを使用することもできるため、複数人でのポッドキャスト収録にも適しています。
主な特徴は、
- マイク自体がオーディオインターフェイスとして機能
- USBCでパソコンやスマートフォンに直接接続可能
- 別のマイクや楽器も接続できる追加入力端子を搭載
- ステレオ録音にも対応
- 周囲の雑音を自動的に低減する機能付き
- 専用アプリで音質調整や音響効果を簡単に追加可能
- ヘッドホンを直接つないでタイムラグなく聴ける機能
価格は6万円前後となっています。
【MV7 最新マイク】オーディオインターフェイスを内蔵した「MV7i」がリリース動画
SHURE MV7の機能については、下記動画でも詳しく解説しています。
複数の楽器を同時に録音したい : Focusrite Scarlett 18i20
複数のマイクを同時に使用するバンドレコーディングでは、マイクプリアンプの数が重要になります。
この製品は多チャンネル録音向けモデルで、8本のマイクを同時に接続できるため、ドラムセットやバンド全体の録音に適しています。
主な特徴は、
- 最大18入力に対応し、バンド全体の同時録音が可能
- 8つの高品質マイク入力を搭載し、さらに8つの入力を追加できる拡張端子あり
- 演奏中の音をタイムラグなく聴ける機能
- 専用ソフトで細かい音の調整が簡単
- クラシックな音響特性を再現するAIR機能
- パソコンなしでも単独で使用可能
価格は9万円台で販売されていることが多いです。
まとめ
今回ご紹介した製品はどれも信頼性が高く、それぞれの価格帯で優れた性能を発揮してくれるものばかりです。
人気のある定番モデルなら失敗は少ないですが、用途や将来の拡張性も考慮した選択がベストです。
音質が良くなると制作のインスピレーションも湧きやすくなり、音楽のさらなる面白味も感じられると思います。
ぜひご自身の音楽制作スタイルに最も合ったオーディオインターフェイスを選んで、創作活動を楽しんでください!
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