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三和音(トライアド)のメジャーコード/音楽理論講座

コードとは何か?その概要を把握する

ここからは「コード=和音」について学んでいきましょう。
本格的に作曲に向かっていく感じがしてきましたね!

「音楽理論は難しそう」といった印象がありますが、各項目はどんどん繋がっていきます。
学んで理解したことが繋がっていくと、音楽を楽しむ幅も広がるでしょう。
何より表現したい楽曲の正解に、より早く辿りつけるようになります。

これまでのスケールやインターバルをしっかりと理解できていれば、これから学ぶ様々なコードをどのように作成するのかもスムーズに習得できるはずです。

コードについて

「コード=和音」とは、異なる音程(高さ)を持つ3つ以上の音が同時に響くことで生まれるハーモニー(音の調和)のことを指します。
インターバルを学んだ際、2音の組み合わせでも音楽的な響きは生まれていました。
しかし、これらはコードのいずれかの音が省略されたものと考えられます。


三和音で作成されるメジャーコード

まずは3つの音で出来上がる三和音(トライアド)を確認していきましょう。
三和音は、コードの基本形であり、根音(ルート)、3度、5度の音で構成されています。
根音とは和音の基礎となる音のことを指します。
また、3度と5度は根音からの音程を表しています。
まずは、明るい響きを持つメジャーコードから確認していきます。
メジャーコードの表記はいくつかありますが、特に有名なものは以下のような表記でしょう。

  • Cメジャーコード=C
  • Dメジャーコード=D

その他の表記については、後に紹介します。

Cメジャーコード

下記がCメジャーコードです。
※コードの構成音を鳴らした後にコードが鳴ります。

譜面とピアノロールでそれぞれ確認してみましょう。

ルートは和音の基礎となる音とお伝えしましたが、コードの名前の基になる音でもあります。
冒頭でメジャーコードの表記として紹介したアルファベットは、ルート音「C」ということですね。
Cメジャーコードの基本形は「C」がルートとなり、その上に「E」と「G」が重なります。

Dメジャーコード

次に、Dメジャーコードも確認してみましょう。
先ほどと同様に、コードの構成音を鳴らした後にコードが鳴ります。

構成音は以下の通りです。

Dメジャーコードの基本形は「D」「F#」「A」となります。
「D」がルートとなり、その上に「F#」と「A」が重なります。

メジャーコードの表記について

コード表記はルートの「C」や「D」などのアルファベットのみの表記だけではなく、下記のように表示されることもあります。

Cメジャーコードの表記

C-Maj-Cho

Dメジャーコードの表記

D-Maj-Cho

メジャーコードの法則を探る

上記の分析で、CメジャーコードやDメジャーコードの作り方が判明しました。
しかしながら、全てのメジャーコードを暗記しなくてはならないのでしょうか?
暗記出来てしまえば実践での活用に置いて何より時短に繋がりますが、忘れてしまった時に思い出すのは少し困難かもしれません。
そこで、法則を理解しておくことはとても有益です。
コードについても法則がありますので、併せて学んでおきましょう。

インターバルでの三和音コードの法則

以前に学習した「インターバル」の観点から何か法則はないかを探ってみましょう。
インターバルとは音楽理論において、2つの音の高低差を表す言葉でしたね。
インターバルについてもう一度確認されたい方は、下記の記事をご覧ください。

下記に、CメジャコードとDメジャーコードを比較した図を用意しました。

上記のピアノロールではDメジャーコードを全選択後、ルート音のDをCへ移動しました。
そうすると、両方ともCメジャーコードになります。
つまり、ルートから重なる音の距離が同じということです。

さらに、メジャーコードがどのようにできているのか、ルート音からどのように音が重なっているのかを確認してみましょう。

Cメジャーコードの右隣にインターバルを用意しました。
Cをルートとして、その上に重ねたEとGを右に伸ばしてみましょう。
ルートCから「長3度(M3rd)上」「完全5度(P5th)上」を積み重ねたものが、Cメジャーコードの基本形とわかります。

同じ要領で「Dメジャーコード」も確認してみましょう。

ルートDから「長3度(M3rd)上」「完全5度(P5th)上」を積み重ねたものがDメジャーコードとわかりますね。
これはCメジャーコードも同様でした。

このことから、
メジャーコードは「ルート」+「M3rd上」+「P5th上」を積み重ねたものと言えます。

スケールディグリーでの三和音コードの法則

もう一つ、以前に学習した「スケールディグリー」の観点からも見ていきます。
スケールディグリーとは、スケール内の各音に対して、主音(1度)からの段階を示す数字のことでしたね。
スケールディグリーを忘れてしまった方は下記の記事をもう一度確認しましょう。

メジャーコードは、「 1 + 3 + 5 」、つまりスケールの1度目、3度目、5度目の音で構成されています。
例えば、「Eメジャーコード」を作りたい場合、まずはEメジャースケールを考えます。

Eメジャースケールの1度目(E)、3度目(G#)、5度目(B)の音を重ねると、Eメジャーコードができるということです。
同様に、「Fメジャーコード」を作る場合は、Fメジャースケールの1度目(F)、3度目(A)、5度目(C)を重ねます。

まとめると、メジャーコードの基本形は以下の通りです。

  • インターバルで覚えるなら : 「ルート + 長3度(M3rd)上 + 完全5度(P5th)上」
  • スケールディグリーで覚えるなら : 「 1 + 3 + 5 」

このように、インターバルとスケールディグリーの両方の観点からメジャーコードの構成を理解することができます。
理解できていれば、ルートとなる音を変えたとしても同じ法則で音を重ねることで12音すべてのメジャーコードを作ることができるのです。

次回は、この流れでマイナーコードを見ていきましょう。


記事の担当 伊藤 和馬/Kazuma Itoh

伊藤 和馬

18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。
バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
日本に帰国後は、Pops・アニメソング・アイドルソング・CM・ゲーム・イベントのBGMまで、幅広い作曲・編曲の技術を身につけ作編曲家として活動している。

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