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eiosis E2 Deesser 使い方 ②応用編 ギターとマスターへの適用

ボーカル以外にも様々な使い途があるE2 Deesser

前回はボーカルへの適用と基本操作を解説しましたが、
今回は応用編ということで、ギターとマスタートラックへの適用について取り上げます。

「E2 Deesserは単なるディエッサーにとどまらない」と前回書きましたが、今回の内容でさらにそれを感じ取っていただけると思います。

製品サイト :http://miyaji.co.jp/MID/product.php?item=E2%20Deesser

E2 Deesser 解説動画



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  1. 1ボーカルへの適用と基本操作
  2. 2応用編 ギターとマスターへの適用:当記事となります。

ギターへの適用

対象となるシビラントとプリセットの選択

ギターへのディエッサー適用は、これまでも裏技的に行われてきましたが、E2 Deesserでは専用のモードを備えるなど、より積極的な使用が可能になっています。

対象となるのは、よくコードチェンジの際等に発生する「キュッ」というフィンガーノイズです。
生演奏ギターの醍醐味とも言えますが、あまりに大きいと耳障りになることがあります。

finger_noise

このノイズを検知するには、まずプリセットを選んでしまうのが手っ取り早いです。

squeaks

今回は、「Guitar Squeaks」というカテゴリーから「Squeakes Gain & Auto」というプリセットを選びました。この際にまずチェックしていただきたいのが、「mode」という部分です。

mode

あらかじめ「Guitar Squeaks」というモードが選択されていると思います。
ここは前回触れませんでしたが、どのような音を対象とするかを選ぶパラメーターです。
プリセットを選べばそれに合ったものとなっていますが、自分で変えることもできます。
今回はこのままでいきましょう。


パラメーターの調整

まずはボーカルと同じ手順で、sensitibityを調整し適切にシビラントを拾うように設定しますが、このプリセットではあまり効きを感じられないかもしれません。

右下のdry/wetというツマミに注目してください。

dry_wet

「Squeakes Gain & Auto」のプリセットの状態では50:50となっています。つまり、ディエッサーがかかった音と、元の音が半分ずつ混ざっているということですね。最終的にこういうセッティングに持ち込むことも多いですが、まずは分かりやすいようにWetに振り切っておきましょう。

それから、更に違いがわかるようにamountやEQも強めにかけた上で、EQの下にある「Sibilants Listen」という機能を使ってみましょう。

sibilants_listen

これは、検知したシビラント成分のみをモニターできるというモードで、ディエッサーがどのように作用しているのかを明瞭に測ることができます。
この状態でdry/wetを回せば、シビラント成分だけバイパスと聴き比べることも可能です。

dry_wet_comparison

効き具合を確認して調整したら、Sibilants Listenをオフにし、楽曲全体の中で確認しましょう。
ただ、強めの設定のままだと逆にフィンガーノイズが聞こえなくなることもあります。

strong_dry_wet

そこでお勧めしたいのが、最終的にdry/wetを調整し、適度に元の音を混ぜていくという方法です。
色々試しましたが、この方法が一番早く自然な結果を得られると思います。

※アンプシミュレーターを使用したエレキギタートラックの場合、アンプシミュレーターの前にE2 Deesserをインサートして使用するのが効果的です。

マスターへの適用

次にマスタリングでE2 Deesserを使用するケースをご紹介します。
普通はディエッサーとしては考えにくい用途ですが、E2 Deesserにはプリセットやモードもちゃんと用意されています。

2MIXにおけるボーカルのディエッシング

トラックダウン済み2MIXのマスタリングにおいて、更にボーカルへディエッシングを行いたいというケースもあると思います。その際には、2MIXにE2 Deesserを適用し、以下のプリセットを選択してみましょう。

master_lead_vo

そのままの名前ですが「Master Lead Vocal De-essing」というプリセットです。
これを選択した状態でsensitivityを調整し、聞いてみると、面白いようにボーカルだけのシビラントを検知し、自然にディエッシングを行ってくれます

どんな仕組みなのでしょうか?
またmodeが鍵となるのですが、今度は「Mid Mastering」となっています。

mid_mastering

E2 Deesserの内部でM/S処理が行われ、センターに定位する音のシビラント成分のみを検出・処理しているというわけです。
さらにEQによる帯域のターゲッティングを行っていけば、まるで2MIXに対して行ったとは思えない、自然なディエッサー効果を得ることができます。

Voiced EQを活用したマスターEQ処理

最後はディエッサー目的ではなく、EQとして使用する方法です。

マスタリング時にEQで高域を少し持ち上げたいという場合に、部分的に嫌な音が出てきてしまい、EQをかけづらいということがあると思います。

その際はE2 DeesserをEQ代わりに使用し、以下のプリセットを選んでみてください。

master_air_auto

「Mastering」カテゴリーの、「Master Air & Auto」というプリセットです。

初期状態では高域を大胆に持ち上げた設定となっていますが、とりあえずそのまま聞いてみましょう。
通常のEQに比べて、高域の嫌な音が出てきにくいということがわかると思います。

dynamic_eq

これは前回ご紹介したVoiced EQの、シビラントではない部分に「選択的に」効くという特徴を、マスタリングに活かしたものです。
あとはブーストの量や、帯域などを適切に設定すれば、理想的な高域の調整が行えると思います。
なお、このプリセットのmodeは「STEREO MST.」となっている点も覚えておくといいでしょう。


以上、2回に渡ってeiosis E2 Deesserの機能をご紹介してまいりました。
このプラグインはディエッサーとしては若干値段が張りますが、非常に汎用性が高いので、ミックスやマスタリングの様々な場面で活躍してくれると思います。
(プリセットには他にも、overheads等が存在します)

ご興味を持たれた方は、ぜひデモ版をお試しください。

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記事の担当 大鶴 暢彦/Nobuhiko Otsuru

Sleepfreaks DTM講師 大鶴 暢彦
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