自分の楽曲をお店のBGMに!「Simple BGM」
先日、FrekulやLumitといったアーティスト向けサービスを展開しているワールドスケープ社から「Simple BGM」というiOSアプリがリリースされました。
店舗BGM用として使うことを前提としたアプリで、JASRACと契約することなく月額たった500円で音楽を流し放題という画期的なサービスとなっています。
店舗経営者はもちろん我々DTMerにとってもメリットたっぷりのサービスとなっているので、今回はワールドスケープ社代表、海保けんたろーさん(@kentaro_kaiho)に楽曲登録や活用方法などを直接インタビューしてきました!ぜひご覧下さい。
株式会社ワールドスケープ代表 海保けんたろー氏
ーー今回リリースされた店舗BGMアプリ「Simple BGM」、私自身も少し使ってみましたが見た目も使い方もあまりにもシンプルでびっくりしました。
海保:そうですね。使い方も何もないっていう。(笑)
ーーリリースのきっかけは何だったんでしょうか?
元々弊社ではFrekulというアーティスト向けのサービスを提供しているんですが、登録アーティストのコンテンツをどう活かせばお金に還元出来るのか・どうすれば沢山の人に聴いてもらえるようになるのかというのは常日頃から考えていました。
その中で「お店のBGM」という媒体は活用出来そうだなという発想は前々からありましたね。
ーー実際にサービスを発表するまでにどんな経緯があったんでしょうか。
少し前にシンガポールや中国のベンチャー企業から「お店のBGM用に日本語楽曲が欲しい!」という依頼があったんです。
当時はそんなニーズあるんだ!?ってびっくりしましたけど(笑)
どうやら日系の飲食店などで流すための曲らしくて、有名な曲じゃなくても構わないとのことだったんです。
だったらFrekulに登録されている楽曲がぴったりだな、ということで提携する流れになりました。
そんなこともあり、アイディアやノウハウは前からあったのでそれをようやく実現させたという感じですね。
あとは最近JASRAC関連で何かと話題になることも多いので、タイミング的にも今がちょうど良かったのかなと思っています。
ーー最近なにかと著作権のことは話題になっていますよね。
正直なところ、現状違法にBGMを流している店舗は沢山あります。その理由としては、そもそもどこまでが違法・合法っていう線引きがあまり知られていないというのが大きな部分です。
例えば買ったCDを流したり、Apple Musicなどの聴き放題サービスを使用していたり。
現在そんな店舗が、JASRACにどんどん法的措置を取られています。
とはいえ、ちゃんと契約するとなれば毎月5000円近くの費用が発生してしまう
USEN(有線放送)を契約するとなれば、毎月5000円近くの費用が発生してしまうこともあり、
BGMにそんなにお金をかけたくないというのが店舗の本音だと思うんです。
しかしSimple BGMであれば流れるのはJASRACに登録されていないFrekulの楽曲のため、格安でサービスを提供出来るというのが売りです。
ーー「知っている曲が流れづらい」というデメリットはあるものの、確かにその他サービスに比べて圧倒的に安く、そして簡単に利用出来ますね。
ちょうど雰囲気が合うお店であれば、アーティストにとっても弊社にとってもメリットが生まれるのでWin_Win_Winの関係ですね。
起動して再生ボタンを押すだけのシンプル操作。最初の16時間は無料トライアルで使用できる
Simple BGM(iOS)をダウンロードする
(互換性: iOS 10.0 以降。iPhone、iPad、および iPod touch に対応)
ーーでは実際に自分の楽曲を流すにはどうすればいいのでしょうか?
まずはFrekulに登録していただき、「楽曲の使用を許可」にチェックをつける。基本的にはこれだけです。
(詳細な登録方法はこちら)
勿論ある程度の楽曲クオリティは必要なのでそこは選別させていただきますが、それさえクリア出来れば登録した分だけ勝手に楽曲が流れ・収益化されるという仕組みです。
ーーなるほど、登録さえしておけばあとは全ておまかせでOKということですね。具体的に収益はどのように分配されるのでしょうか。
まだサービスを始めたばかりということもあり、現状では全体収益の20%を登録楽曲数で割って分配している状態です。
もっと利用する店舗が増えていけばプロモーション費用などを抑えられるので分配の割合を大きくしたり、再生数に応じた収益を還元出来ればと考えています。
Frekulページ内「お金の管理」項目で、いつ・どこで・どのくらい収益が出ているのかを確認することができる
ーーつまり楽曲を沢山登録しておけば単純に収益も増えるというわけですね。
その通りです。現状ではカテゴリは4つ(ヒーリング、フュージョン、ピアノ、バンド)ですが、楽曲数が増えればもっともっと幅広いジャンルを取り揃えたいなと考えています。
ーー先ほど楽曲の選別をするというお話がありましたが、登録する上で何か注意点はありますか?
やはり「BGM」という性質上、あまり主張が強すぎる楽曲は今のところ難しいかもしれません。
逆にアンビエントな曲やエレクトロニカなんかは大歓迎ですね。
ストック楽曲をたくさん持っている方はどんどん登録してほしいです。切実に(笑)
ーーSimple BGMで実際に曲が流れたとして、宣伝活動にも繋げることは出来るのでしょうか?
Simple BGM内では楽曲情報は表示されませんが、「このBGMいいな」と思った店舗のお客さんがShazamを使用することで、楽曲の情報が出てくるようにしてあります。
つまり楽曲を登録するだけで自動的に各方面で再生され、収入になる。同時に宣伝効果も期待できるというわけです。
店舗だけではなく、アーティスト側にも沢山のメリットが生まれるサービスになっているのが最大の強みです。
ーー今後どうなっていくのかが楽しみですね。それでは最後に一言お願いします。
作った音楽を色んな人に聴いてもらいたい、何とか収益化したいというアーティストの思いを叶えられるようにこれからもどんどんサービスも会社としても進化させていけたらと思っています。
皆さんの作った素敵な楽曲を是非お待ちしています!
ーーありがとうございました。
いかがだったでしょうか。
安くBGMを流したい店舗の方~アーティストまで、沢山の人にメリットをもたらしてくれるSimple BGM。
音楽業界の明るい未来は、意外と近いのかもしれません。
ありがとうございました。
記事作成者
取材・執筆:momo (田之上護/Tanoue Mamoru)
1995年生まれ。Digital Performerユーザー。音楽学校を卒業後作曲家として福岡から上京。
2017年8月ツキクラ「STARDUST」に作・編曲で参加し作家デビュー。
「心に刺さる歌」をモットーに、作詞作曲・編曲からレコーディングまで全てをこなすマルチプレーヤー。
アートユニット「Shiro」の作編曲担当としても活動中。
TwitterID :@momo_tanoue
「Shiro」 Website : https://www.shiro.space/
「Shiro」 TwitterID :@shiro_unit