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目次

Native Instruments 「The Mouth」の使い方 ①ボーカルへの適用と基本設定

Author: sleepfreaks

オーディオ素材にメロディやハーモニーを自在に付加する

main_panel

「The Mouth」は、Native Instruments のREAKTOR用拡張インストゥルメント/エフェクトです。

その名前の通り、ボーカルをはじめとして、あらゆるオーディオ素材に対し、ピッチを変更したり、メロディやハーモニーを付ける、シンセやボコーダー効果を生み出すといった、非常にトリッキーで面白いエフェクトを適用することができます。

第一回目は、The Mouthの適用方法と基本パラメーターを中心に解説していきます。

製品サイト : https://www.native-instruments.com/jp/products/komplete/effects/the-mouth/
※単体販売の他、KOMPLETE Ultimate シリーズにも同梱されています。

The Mouth 解説動画

  1. 1「The Mouth」の使い方 ①ボーカルへの適用と基本設定
  2. 2「The Mouth」の使い方 ②ボコーダー/FX/BASS/ビートへの適用

The Mouthの適用

まずはCubaseを例に進めます。
他のDAWについては後段で触れますので、先に基本的な使い方を見ていきましょう。

Cubaseでオーディオ素材に適用する場合は、該当するオーディオトラックのインサートエフェクトとして、Reaktor 6 FXを選択します。

choose_fx

Reaktorの画面が表示されたら、左のPlayerタブから「The Mouth」を選択し、フォルダ内のrkplrファイルをメイン部分にドラッグ&ドロップします。

drag_drop

このように、The Mouthが起動します。
main_panel


プリセットの選択

まずはこの状態で音を出しながら、様々なプリセットを試してみましょう。

preset

プリセットはReaktor上部にある「Snapshot」から選択でき、様々なカテゴリーとプリセットが収録されています。

キーの設定

好みのプリセットを選んで、他のトラックと一緒に聞いてみると、多くの場合キーがずれていることに気づくと思います。
The Mouthは適用時点のデフォルトキーが「C」「Min(マイナー)」になっていますので、これ楽曲に合わせて変更していきます。

change_key

画面左下にキーのセクションがあります。

  • ROOT KEY: 曲のキーのルートを選択します。
  • OCTAVE:音域をオクターブで指定します。
  • SCALE:使用するスケールを選択します。スケールに合わせて右の鍵盤が点灯します。
  • MAJ/MIN:メジャー/マイナーの別を選択します。

MIDIで打ち込んだメロディの適用

次は、MIDIトラックで打ち込んだメロディを適用してみましょう。
ここで、他のDAWでの適用方法も合わせて取り上げていきます。

        

  • Cubase
  • Logic
  • Ableton Live

Cubase等の一般的なDAWでは上記の手順で適用した後、以下の手順で設定します。

create_midi
新規MIDIトラックを作成します。

midi_output
MIDIトラックの出力を、Reaktor 6 FXがインサートされているオーディオトラックに設定します。
後は、適用したいメロディをMIDIトラックに打ち込めば、それに合わせてオーディオのピッチが変わります。

LogicでMIDIを用いる場合、Reaktor 6の立ち上げ方が変わります。

logic_instrument
新規ソフトウェア音源トラックとしてReaktor 6を立ち上げ、The Mouthを開きます。

logic_sidechain
右上の「サイドチェーン」から、適用したいオーディオトラックを選択します。

logic_mute
元トラックのサウンドが混じってしまうため、ミュートします。
後はReaktor 6を立ち上げたトラックに、演奏させたいメロディを打ち込みます。

Ableton Liveは、Cubaseと考え方が似ていますが、ルーティング設定に若干違いがあります。

live_fx
The Mouthを適用したいオーディオトラックへReaktor FXをインサートし、The Mouthを開きます。

live_midi_setting
MIDIトラックを別に作成し、出力先のトラック(ここでは「1.Audio」)とプラグイン(ここでは「1-Reaktor5 FX」)を選択します。Reaktorは複数出てきますが、一番上を選べばOKです。
後は、このMIDIトラックに演奏させたいメロディを打ち込みます。

        

  • Cubase
  • Logic
  • Ableton Live

オーディオの加工とシンセサイズ

さて、ここからもう少し踏み込んで音作りをしてみましょう。
今回は「INPUT」と「SYNTH」を取り上げます。

INPUTの設定

右の「MIXER」セクションにある一番左のスライダーが「INPUT」です。
ここで入力する音量を決めると同時に、INPUTボタンを押すと、様々な加工を行うことができます。

input

マトリクス上に並んている名称はプリセットです。
まずはここから、好みの効果を選んでいきましょう。

右にある「INPUT CONTROLS」では、以下の設定が行えます。

  • GATE: 右に回すほど、音量の大きい部分を残し小さい部分を消していきます。
  • DOUBLE/HARM: 「TUNE」ボタンを押すことで操作可能になります。右に回すほど効果が強くなります。「DUET」ボタンによって操作する効果が変わります。
  • DUET: オンにするとハーモニーが追加され、オフの際はダブル効果が追加されます。

鍵盤の画面に戻したい場合は、右端の鍵盤アイコンを押せばOKです。


SYNTHの設定

INPUTの隣にある「SYNTH」では、オーディオから検出したピッチや、MIDIで打ち込んだメロディからシンセ音を奏でる機能です。スライダーを上げると元の音に対してミックスされます。
INPUTと同様に、ボタンを押すことで設定画面が現れます。

synth

こちらも、まずプリセットから好みのシンセサウンドを選びましょう。

右にある「SYNTH CONTROLS」では、以下の設定が行えます。

  • CUTOFF: フィルターのカットオフ周波数を調整します。
  • RESO: フィルターのレゾナンスの強さを調整します。
  • SPREAD: 右に回すほどワイドな音像になります。
  • GLIDE: ノート間のピッチを滑らかに繋ぐ効果が得られます。右に回すほどゆっくりピッチが移行します。



以上1回目は基本設定と、音作りにも少し入りましたが、いかがだったでしょうか?
非常に面白い加工ができる可能性を感じていただけたかと思います。

次回は、その他の音作りの要素や機能についても取り上げていきますので、ご期待ください。




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