ハーモニーの探求!音楽のパラレルワールドを巡る
ドラマチックな音楽効果を生み出す同主調コードを解説
コード理論を目にすると必ず学ぶ「ダイアトニックコード」
今回はこのダイアトニックコードからよりドラマチックな進行を表現する”同主調”コードについて学んでいきます。
みなさんよくご存知、アノ世界的人気ゲームの「コースクリア」のファンファーレ。
C(Major)ではじまってCで終わる、キーは、Cメジャー(ハ長調)
真ん中2つ、Cメジャーのダイアトニックコードから外れた【A♭】と【B♭】は、これどこからきたのでしょう?
試しに、一度Cメジャーのダイアトニックコードに当てはめてみると、このようなコード進行になります。
【C→Am→G7/B→C】
これはこれで問題ないのですが、決まりきった型通りで、印象は薄っぺらですね。
そう、A♭とB♭は、Cマイナー(ハ短調)のダイアトニックコードとも考えられます。
Gコードの3rd「B」は、Cハーモニックマイナー(和声的短音階)
Cメジャーから、Cマイナーに含まれれるメジャーコードを力強く経由、最後はまたCメジャーで終わります。
なんと4つのコードすべてがメジャーコード。
例えば、このように表裏のパラレルワールドを交差することで劇的でドラマチック、かつ達成感を味わうことができました。
メジャーコードの並行移動、あるいはクロマティック・ミディアントと考えても良いでしょう。
また、意思をもって音階や旋法を交換することは、モーダルインターチェンジとも表現されます。
メジャーで同主短調のマイナーコードを置換する「サブドミナントマイナー(準固有和音)」なども、広義のモーダルインターチェンジといえるでしょう。
理論で納得、謎もクリア。
では、素敵な音楽ライフを!
記事の担当 侘美 秀俊/Hidetoshi Takumi
武蔵野音楽大学卒業、映画/ドラマのサウンドトラック制作を中心に、数多くの音楽書を執筆。
オーケストレーションや、管弦楽器のアンサンブル作品も多い。初心者にやさしい「リズム早見表」がSNSで話題に。
北海道作曲家協会 理事/日本作曲家協議会 会員/大阪音楽大学ミュージッククリエーション専攻 特任准教授。
近年では、テレビ東京系列ドラマ「捨ててよ、安達さん。」「シジュウカラ」の音楽を担当するなど多方面で活躍中。
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