ヒット曲の中でよく使用されるコード「ⅲ7」をどう考える?借用コードとテンションノート活用のヒント
ノンダイアトニックコード上で使用できるノートの考え方
「FM7 → E7 → Am → C7」はヒット曲に共通する、みんなが大好きなコード進行のひとつです。
E7の構成音にG#があるように、このコードはCメジャーの音階からは外れた、借用コードのひとつ。
(理論的には、Aマイナーのキーのドミナント、つまり「セカンダリー・ドミナント」と説明されます)
ですから、メロディもG#を使うと、コードとぴったり合ったストレートでピュアなフレーズに聴こえます。
ところが一方で、このG#を半音下のGナチュラルでも、なかなかにグッとくるサウンドになります。
これは、例えば、コードE7上の#9thという刺激的な「テンションノート」に相当します。
またはE7のコードスケールからみると、スケールの3番目が半音下がった「ブルーノート」に相当します。
どちらも、スケールの下に向かって解決するように進むと心地よく収まります。
一見、コードとメロディの半音のぶつかりは間違ったように捉えられがちですが、このようなパターンは、むしろクールで刺激的なサウンドとして受け入れられます。
記事の担当 侘美 秀俊/Hidetoshi Takumi
武蔵野音楽大学卒業、映画/ドラマのサウンドトラック制作を中心に、数多くの音楽書を執筆。
オーケストレーションや、管弦楽器のアンサンブル作品も多い。初心者にやさしい「リズム早見表」がSNSで話題に。
北海道作曲家協会 理事/日本作曲家協議会 会員/大阪音楽大学ミュージッククリエーション専攻 特任准教授。
近年では、テレビ東京系列ドラマ「捨ててよ、安達さん。」「シジュウカラ」の音楽を担当するなど多方面で活躍中。
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