広告

音程処理 音楽理論 音楽機材・ソフト紹介 音圧・音量 音像処理 空間処理 波形処理 歪み・サチュレーター 機材設定 機材 書き出し・読み込み・変換 打ち込みテクニック 打ち込み 基本編集 周波数 便利操作・作業効率化 作詞のメソッド 作業環境 低音処理 レコーディング リミッター・マキシマイザー リバーブ リハーモナイズ リズム楽器 リズム処理 リズム モニタリング ミックスが上手くなるTIPS ミキサー・ミキシング マルチ音源 マスタリング ポップス ボーカロイド ボーカル ボリューム処理(コンプレッサー) ベース ベル ヘッドホン ブレイクビーツ ブラス ファイル管理 ピアノ・Key ビンテージ ヒット曲の分析 パッド バージョン新機能解説 バンドサウンドを創るには バッキング ハード機器 ハードウェア操作 ドラム・打楽器 ドラム ドラゴンクエスト トリガー トランジェント ディレイ ディエッサー テンポ処理 テストタグネーム ソフトシンセ ストリングス ステレオイメージャー シンセサイザー サンプリング サンプラー サウンド入出力 サウンド入出 コンプレッサー ゲーム音楽 ゲート グリッチ ギター ギタリストのためのAbleton Live キック カットアップ オートメーション オーディオ操作 オーディオ処理 オーディオインターフェイス エフェクト処理 エフェクト インストール/製品登録 イコライザー アナライザー いきものがかり Zynaptiq YouTube生配信 XLN Audio Xfer Records
トップページ > 音楽理論 初級編 > 41. オミット(Omit)という考え方
目次を見る
Sleepfreaks監修のDTM向けPC

オミット(Omit)という考え方/音楽理論講座

オミットの概要

今回は、sus系のコードとも合わせて覚えたい「オミット(Omit)」という考え方を学びましょう。
演奏者にコード譜を渡して弾いてもらう際にも、非常に役に立つ知識です。

まず、オミットとはなんでしょうか。

「Omit」には、「省く」「省略する」「抜かす」などの意味があります。
つまり、コードの構成音から何かを”省略”して使用しようという意味ですね。
今回は、オミットの中でも頻出する「omit3(オミット・サード)」を中心に確認していきましょう。
✳︎omit3はパワーコードと同時に紹介されることもありますが、パワーコードについてはさまざまな動きを学んだ後に紹介します。


オミットの表記法

オミットの代表的な表記例は以下の通りです。

omit

上記はomit3を例にしていますが、「omit5」や「omit root」などを見かけた際には、「omit」の後に続くものを省略して弾くということです。
会話のなかで「〜の音をオミットして」のようにも使用されます。
また、「no3」は3rdを省略し、「5」はルートと5thだけを弾くことを意味し、どちらもomit3と同じことを指しています。

オミットの響きと成り立ち

まずは、Comit3のサウンドを確認してみましょう。
コードの構成音を順に鳴らした後に、コードが鳴ります。

今までのコードとは異なり、この状態では明るさも暗さも判別できませんね。
譜面とピアノロール上でも確認してみましょう。

コードのなかでも性質を左右する、つまりマイナーかメジャーかを決定する3rd(3度)の音がありません。
また、独自のキャラクターを持つ7th(7度)などの音も含まれていません。

では、なぜこのように省略してコードを演奏する必要があるのかを見ていきましょう。

オミットを使ってみる

まず、Key=Cメジャーでこのようなメロディーが浮かんだとします。

このメロディーにアボイドノートに気をつけてコードをつけてみた結果、次のようになったとしましょう。

もちろん悪くはないのですが、サブドミナントから始まっているため、”どこに向かうんだろう?”という期待感から楽曲が展開されますね。

もし順当にトニックから始めたい場合、メロディのFが目立ってアボイドノートとなり、濁った響きが気になるということが起こりえます。

最初の響きだけを聞くとこのような感じになります。

そういった場合にomit3を使用すれば、アボイドノートの発生を避けながらトニックのように始めることができます。

もちろんこのケースでは、sus4を使用して濁りを解消することもできます。
Fが強調される形になりますので、雰囲気に合わせて使い分けてください。

以上はオミットの一例ですが、他にも以下のような意図を持って指定されることがあります。

  • メジャーでもマイナーでもないコードのサウンドを使用したかった
  • たくさんの音が含まれるコードから、いくつかの音を省略したかった
  • メロディーを自由に動かしたかった

楽曲分析の際にオミットを見つけたら、どのような意図が作曲者にあるのかを、ぜひ読み取ってみてください。
次回は、比較的新しいコード「sus2(サスツー)」について見ていきましょう。