広告

音程処理 音楽理論 音楽機材・ソフト紹介 音圧・音量 音像処理 空間処理 波形処理 歪み・サチュレーター 機材設定 機材 書き出し・読み込み・変換 打ち込みテクニック 打ち込み 基本編集 周波数 便利操作・作業効率化 作詞のメソッド 作業環境 低音処理 レコーディング リミッター・マキシマイザー リバーブ リハーモナイズ リズム楽器 リズム処理 リズム モニタリング ミックスが上手くなるTIPS ミキサー・ミキシング マルチ音源 マスタリング ポップス ボーカロイド ボーカル ボリューム処理(コンプレッサー) ベース ベル ヘッドホン ブレイクビーツ ブラス ファイル管理 ピアノ・Key ビンテージ ヒット曲の分析 パッド バージョン新機能解説 バンドサウンドを創るには バッキング ハード機器 ハードウェア操作 ドラム・打楽器 ドラム ドラゴンクエスト トリガー トランジェント ディレイ ディエッサー テンポ処理 テストタグネーム ソフトシンセ ストリングス ステレオイメージャー シンセサイザー サンプリング サンプラー サウンド入出力 サウンド入出 コンプレッサー ゲーム音楽 ゲート グリッチ ギター ギタリストのためのAbleton Live キック カットアップ オートメーション オーディオ操作 オーディオ処理 オーディオインターフェイス エフェクト処理 エフェクト インストール/製品登録 イコライザー アナライザー いきものがかり Zynaptiq YouTube生配信 XLN Audio Xfer Records
トップページ > サウンドクリエイターのための音楽著作権(ビジネス編) > DTMer・音楽クリエイターのための著作権法 ③ 著作権とお金
目次を見る
Sleepfreaks監修のDTM向けPC

DTMer・音楽クリエイターのための著作権法 ③ 著作権とお金

書籍発売記念インタビュー

DTMer・音楽クリエイターのための著作権法、第3回となります。
今回は、著作権とお金に関する内容です。実際にCD売り上げで、どれだけ作家の手元に入ってくるかをシミュレーションしていますので、ぜひ最後までご覧ください。

なおこの企画は、作曲家としても活動されている弁護士の高木啓成さんが、著書「弁護士で作曲家の高木啓成がやさしく教える音楽・動画クリエイターの権利とルール」を出版されたことを記念し、インタビューを行わせていただいたものです。
本記事では内容のポイントを掲載しておりますが、ぜひインタビュー動画も併せてご覧ください。

今回の流れは以下の通りです。

  1. 1著作権とお金の流れ
  2. 2CDリリースによるクリエイターの収入シミュレーション

DTMer・音楽クリエイターのための著作権法 ③著作権とお金 動画

書籍のご購入

著作権とお金の流れ

前回のおさらいですが、まず著作権の流れを確認しておきましょう。
まず、楽曲を作った作詞家・作曲家(作家)が著作権をもちます。そして、作家から音楽出版社に著作権が譲渡され、それから、JASRACに譲渡されて、JASRACが著作権者として著作権を管理することになります。
ちなみに、下の図のように、作家事務所によっては、作家から音楽出版社に直接に著作権譲渡されるのではなく、作家事務所を経由する形にしているところもあります。

著作権の流れ

お金の流れは、その逆ですね。
JASRACがレコード会社や放送局やカラオケ店、ライブハウスなどから著作権使用料を徴収して、管理手数料を差し引いて、音楽出版社に支払って、音楽出版社は自分の取り分を取得して、残額を作家側に支払います。
この場合、作家に直接支払うことはあまりなく、作家事務所に支払う形にしていることがほとんどだと思います(例外もあります)。

お金の流れ

CDリリースによるクリエイターの収入シミュレーション

メジャーレーベルからCDがリリースされた場合でシミュレーションしましょう。
たとえば、この図のように、ブタが作詞、クマが作曲した曲が、2曲あるとします。ブタもクマもA事務所という作家事務所に所属しています。この2曲にはB出版という音楽出版社が入り、Cレコードというレコード会社からリリースされました。2曲入り1,000円のシングルで、1万枚が製造・出荷されたという前提です。

前提

まず、Cレコードは、ブタとクマが作詞・作曲した楽曲を利用してCDを製造するので、JASRACに著作権使用料を支払わなければなりません。
レコード会社は原盤権は管理していますが、著作権者ではないので、JASRACにお金を支払わなければならない立場なのです。

レコード会社からJASRAC_1

著作権使用料の金額は、原則は、「CDの定価×6%×製造枚数」なのですが、大手レコード会社の場合、減免措置があって、「CDの定価×6%×出庫枚数×75%」と考えていただければと思います。今回の例だと、CレコードはJASRACに450,000円支払うということになります。

レコード会社からJASRAC_2

この45万円うち、JASRACが管理手数料6%=27,000円を取得して、残りの423,000円をB出版に分配します。

JASRACから音楽出版社

音楽出版社の取り分は、33%〜50%の範囲ですが、50%になっていることが多いです。ここでは50%の211,500円としておきましょう。残りの50%、つまり211,500円が、作家事務所であるA事務所に支払われます。

音楽出版社から作家事務所

作家事務所のマネジメント手数料は、20%〜30%が多いです。今回は20%としておきましょう。つまり42,300円ですね。
211,500円から42,300円を引いた、残りの169,200円が作家の取り分になります。ブタ・クマはそれぞれ84,600円ずつを受け取ることになります。

音楽事務所からクリエイター

「思ったより少ない」と思われた方も多いかもしれませんね。



3回に渡ってお送りしてきた、「DTMer、音楽クリエイターのための著作権法」シリーズはこれで終了となります。
著書「弁護士で作曲家の高木啓成がやさしく教える音楽・動画クリエイターの権利とルール」では、ここに掲載されている内容についてさらに詳しく解説していますので、ご興味のある方はぜひお読みください!

【特別講師】高木 啓成 弁護士

高木啓成

高木 啓成/Hironori Takaki
弁護士・作曲家
音楽・動画関連企業、ゲーム会社、タレント事務所、デザイン事務所などをクライアントとし、著作権法を中心とするエンターテイメント法務を取り扱う。
「Just a moment」HKT48 作曲
「憧れで終わらせるな」桃色革命 作詞・作曲・編曲
「恋は溶けてくIceCream」桃色革命 作曲・編曲
その他、多数


TwitterID : @hirock_n
InstagramID : hirock_n
渋谷カケル法律事務所 : https://shibuyakakeru.com/