広告

広告

×
目次

最新のAI技術で甦るリアルなビンテージサウンド|Deep Vintageプラグインの魅力とは?

Author: sleepfreaks

進化するシミュレーションプラグイン!
従来の製品と何が違うのか徹底検証

楽曲制作において、「アウトボード」とも呼ばれるアナログのハードウェア機材が持つ独特な音質は、楽曲に温かみや深みを加えるため、現代でも非常に重宝されています。
そのため、プラグインメーカー各社からは多くのビンテージ機材をシミュレーションする製品が開発・販売されていますが、製品ごとの違いを把握し最適なものを選ぶのは、特にビギナーの方にとってはハードルが高いものでしょう。
今回ご紹介するThree-Body Techの「Deep Vintage」プラグインシリーズは、最新のAI技術「APNN」を駆使して、ビンテージサウンドをデジタルで忠実に再現するプラグインとして、注目を集めています。

APNNとは何か

APNNは従来の回路モデリングやインパルスレスポンス応答技術とは異なり、AIに実機の解析を行わせ、自身が作り出す波形が実機と同じになるまで訓練を行わせるという新しいアプローチにより実機を再現します。
実機から出力された波形と、Deep Vintageを通過した波形の位相を逆相にした際に、人には知覚できないレベルの結果になるということから、再現精度はかなり高いものであることが保証されています。

Deep Vintage 紹介動画 8分29秒から

下記ページではThree-Body Techプラグインをお使いのDAWで使用するまでの流れを解説しています。

Deep Vintageプラグインのラインナップ

Deep Vintageシリーズには、様々な名機と呼ばれる伝説的なハードウェアをシミュレートしたプラグインが揃っています。

Brit 73 AI: 69ドル

  • 特徴:Neveの伝説的なクラスAトランジスタープリアンプを基にしたプラグイン。
    Neveコンソールの象徴的なプリアンプ回路を忠実に再現。
  • 効果:クリアで輝きのある音質。ボーカルやドラムに最適。
US Rack AI: 69ドル

  • 特徴:APIのプリアンプ、ラインドライバー、イコライザーを搭載したチャンネルストリップ。
    アメリカンロックサウンドの代名詞的存在のAPIモジュールを忠実にモデリング。
  • 効果:パンチの効いた力強いサウンド。ドラムやギターに最適。
Thick Pre AI: 59ドル

  • 特徴:Neveのマイクプリアンプを基にした、厚みのある暖かい音質を提供するプラグイン。
  • 効果:中低域の厚みと存在感を増し、ボーカルやドラムに適した豊かで丸みのあるサウンドが得られる。
Green AD AI: 39ドル

  • 特徴:Lavryの高品質AD/DAコンバーターのシミュレーション。最大192kHzのサンプリングレートに対応。
  • 効果:アナログの空気感や暖かみをデジタル環境で再現。
Tape S AI & Tape M AI: 39ドル

  • 特徴:中域の暖かさ、滑らかな高域、豊かなハーモニクスが特徴。
  • 効果:テープコンプレッションやサチュレーションも再現。

どの製品も価格がリーズナブルで、導入の敷居が低い点が嬉しいですね。

Brit 73 AIを使いDeep Vintageの実力を知る

ここからは実際に製品の比較を行なっていきますが、今回は特に汎用性が高く、同系統の製品が多い「Brit 73 AI」を使用し解説を進めます。

Brit 73 AIは、プリアンプと、EQが一つになった「Neve1073」を再現したプラグインですが、その独特のサウンドは特にロック系アーティストに好まれています。
実機の1073に搭載されている豊かなハーモニクス(歪み成分)が得られるプリアンプ部分は、音楽制作においてその独特なサウンドが高く評価されており、Brit 73 AIでもしっかりと再現されています。

さらにサウンドの傾向を変化させるために、前面左側にあるプリアンプ部には、歪み特性を切り替えることができる「プロファイルスイッチ」と、歪みの量を調整する「ドライブノブ」が搭載されています。

アナログプリアンプが実際にどのように音に変化を与えるのかを、サウンドで確認してみましょう。

【A : ドライのサウンド】【B : 歪みを加えたサウンド】

大きく歪みを加えた場合には、このようにアタック音の角が取れ、より高音域に向けて厚みが増したような効果が得られます。

通常プリアンプのシミュレータは実機のように、ゲインを上げていくと歪みが付加されますが、その分音量も大きくなるため、歪みの量と音量の二つを同時に調整する必要があります。
しかし、Brit 73 AIでは、Driveノブで歪み量を上げていっても、音量自体は変わらないので、サウンド作りの手間が軽減される点で非常に好感が持てます。

またその他に特徴的な機能としては、アナログ回路を通過時に加わる「ノイズ」を付与する機能も備わっており、これを加えることでさらに実機の臨場感を感じることができます。

比較で明らかにするDeep Vintageプラグインの真価

ここからはDeep Vintageプラグインの性能を評価するために、他のNeve1073シミュレータプラグインと比較し音質の検証を行います。
今回比較には、同じNeve1073をシミュレートしたプラグイン

  • UADプラグイン「Neve 1073 Preamp and EQ」
  • IK Multimedia 「TR5 EQ73」
  • この2製品を用いてBrit 73 AIが従来のプラグインとどのように違うのかを検証します。

サイン波で検証:プリアンプの倍音生成能力

まずはプリアンプ部がどのような倍音を加えるかを類似製品と比較するため、サイン波を入力し、最もゲインの低い状態と、ある程度の歪みが加わっている状態を見ていきます。

元の波形は倍音が存在しないサイン派ですが、Brit 73 AIとUADではゲインを上げていない段階から、プリアンプ部で歪みが加わっていることがわかります。
どこの倍音がどれだけ持ち上がっているかは、実機自体の特性の差もありますが、UADでは奇数倍音列が際立って上がっているのに対して、Brit 73 AIは整数次倍音列全てが比較的均一に上がっており、それぞれにサウンドキャラクターが異なることがわかります。

ゲインを上げない場合では、実際のサウンドはごく僅かしか違いが感じられないため、それぞれの製品である程度歪みが出るまでゲインを上げて聴き比べてみましょう。

  • 【A : Brit 73 AI】 / 【B : UAD 1073】/ 【C : TR5 EQ73】

ゲインを最大にした場合では、UADは他2製品よりさらに強く歪ませることができました。
使い所は別としても最も音色変化の幅があるのはUADということが分かります。

EQセクションで検証:音質調整の精度

次に、ホワイトノイズにEQを同じ設定値で適用した場合の結果を比較します。

3製品ともできる限り近い結果になるようノブの位置を調整していますが、製品ごとに傾向や特色がありました。
中でもBrit 73 AIはフィルターの「Q幅」が広く、より広い帯域が持ち上がりました。
またハイフィルターをブーストした際は、20kHz付近の超高音域帯は、Brit 73 AIが最も強く持ち上がる傾向にありました。

プリアンプとEQ両方を使用したサウンド比較

ここまでご紹介したプリアンプとEQ両方を使用したサウンドの比較も行います。

  • 【A : Brit 73 AI】/ 【B : UAD 1073 Preamp and EQ】/ 【C : TR5 EQ73】

製品ごとに細かく違いは感じますが、Brit 73 AIとUADは、特にしっかりとしたアナログ感が感じられ好みの範疇で選択できる品質と感じました。

パフォーマンスモニターで処理の負荷を比較

最後は、3製品で処理負荷にどの位の差が出るのかを検証します。

検証はM1 Pro搭載のMacBook Proを用いて、Ableton LiveとStudio One この2つのDAWで、オーディオトラックに各プラグインを使用した場合の負荷を計測しました。

Ableton Liveで計測したところ、UADが最も負荷が高く、次にBrit 73 AI、TR5 EQ73は僅か1%ほどしか負荷が上がりませんでした。

次にStudio Oneのパフォーマンスモニターで、プラグインごとの負荷を確認してみましたが、Liveと同様の結果になりました。

Brit 73 AIは、UADよりも負荷が少ないものの、現段階では同じ回路モデリングの軽量なプラグインと比較すると、負荷が高く感じられます。
しかし、AIによる実機の再現技術は、まだリリースされて間もなく、今後さらに進化する可能性があります。
より効率的かつ高品質なサウンドの実現が求められており、今後の技術開発に期待が寄せられています。

また、TR5 EQ73は、サウンドの質感は他2製品よりも”アナログらしさ”が薄く感じられたものの、その分負荷が圧倒的に低く、気兼ねなく使用できる点が特徴と言えそうです。


いかがでしたでしょうか。
Deep Vintageは高品質な人気製品と遜色ないレベルで、実機の空気感までもが再現されており、それが安価で購入できてしまう点が非常に魅力的と感じました。
また初めてAIによるシミュレーションを行なったプラグインに触れてみましたが、数ある類似プラグインの中でも最もアナログ感の溢れるサウンドに、APNNという技術の可能性を体感できました。
今後の動向に注目し、良い製品があった際にはご紹介させていただきます。

セール情報と購入ページについて

ラインナップでも紹介したように、Deep Vintageシリーズには6種類のプラグインが含まれており、通常価格は各プラグインで$29〜$49ですが、現在は下記の価格で販売されています。

  • Brit 73 AI:Neveの伝説的なクラスAトランジスタープリアンプを再現したプラグイン
    通常価格:$69→セール価格:$49
  • US Rack AI:APIのプリアンプ、ラインドライバー、イコライザーを搭載したチャンネルストリップ
    通常価格:$69→セール価格:$49
  • Thick Pre AI:Neveのマイクプリアンプを基にした、厚みのある暖かい音質を提供するプラグイン
    通常価格:$59→セール価格:$39
  • Green AD AI:Lavryの高品質AD/DAコンバーターをシミュレーションしたプラグイン
    通常価格:$39→セール価格:$29
  • Tape S AI:Studer A80 MK II の1/4インチ2トラックテープマシンを基にしたプラグイン
    通常価格:$39→セール価格:$29
  • Tape M AI: Studer A810の1/4インチ2トラックテープマシンを基にしたプラグイン
    通常価格:$39→セール価格:$29

また、6種類のプラグインをバンドルした「Deep Vintage Bundle」が通常$314のところ、期間限定で$149とお買い得になっています。
このお得なセール期間中に、ぜひチェックしてみてください!